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講 義■ Lec 012 (その2)生きていた証拠:化石
掲示板■ アポイ岳・登別 


 化石と生命の関係は、以前の講義でも考えましたが、再度、整理しておきましょう。


▼ 講義ファイル
・Lec012_2の講義ファイル(講義時間 12:46)
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講 義■ Lec 012 (その2)生きていた証拠:化石

▼ 化石とは
1 化石の定義:地質学的定義
 化石のもともとの語源は、「掘り出されたもの」や「木や葉の石になったものの俗称」でした。しかし、現在の地質学の定義では、「過去の生物の遺骸(遺体)や生活の痕跡(生痕)が残されたもの」となっています。現在の化石の定義によれば、石化しているかどうかは問いません。それに、足跡などのように、生物の体の一部でなくてもいいのです。
 いいかえれば、生物が残した「生きていた証」を、化石と呼んでいることになります。化石から、生物としてのその時代の記録や、生きていたとき行動や生活の様子、そこから当時の環境を探ったりすることが目的となります。

2 化石=過去の生物:帰納法の限界
 過去の生物の一部や痕跡を、化石と定義しています。しかし、
化石≠生物
であることは、前にも考えました。ですから、定義の上では、化石は、生物ではありません。
 では、定義の一部をなしている
化石=過去の生物
は、正しいでしょうか。
 かつて生きていたはずの化石が、生物の定義に当てはまるかどうかということです。少なくとも、化石としては、生物の定義には当てはまりません。なぜなら生物の定義は、生と死の違いにも注意していました。生きている生物を見分けることに有効なものでした。ですから、化石は現在生きていないので、生物の定義を用いて、過去の生物であったことを証明できないのです。したがって、この命題は決して証明できない難しいものなのです。
 しかし、現在の科学は、化石=過去の生物と考えています。上のような論理的な問題を切り抜けるために、
・形の類似性
・大量の資料と傍証の蓄積
ということをおこなっています。
 大量の化石と現生生物とを、各種の点で比較おこない、似ている点が多数あるので、過去の生物であったと考えようというものです。このような推定方法をアナロジー(類推)とよびます。アナロジーをたくさん集めて証拠とします。しかし、その証拠は、生物であったことを直接示すものではなく、あくまでも間接的な証拠で、傍証というべきものです。
 化石や現生の生物は、資料が大量にあるので、比較によって、似ているという傍証が、たくさん集まることになります。そのような大量の傍証から、帰納的に規則性を見出して、もっともらしいとするのです。
 このような帰納法的証明は、一見に正しいようにみえても、本当に論理的に正しいことが証明されたわけではありません。今までアナロジーが成り立ったものだけが、もっともらしくみえるのであって、他のものについては、正しいという論理にはなりません。傍証を増やすことで、確率を増加させていくことができます。数が多いので、確率的には高いかもしれませんが、決して100%になることはないのです。
 帰納的な限界をはらみながら、「化石=過去の生物」という作業仮説に基づいて、近代の生物学、あるいは古生物学、進化論は成立しています。しかし、現在とのアナロジーが不確かな場合、たとえば生物の起源などを考えるときは、注意が必要です。このような基本的な問題が常に問われています。この詳細は前回の講義でやったことです。


掲示板■ アポイ岳・登別  

・アポイ岳・
先週お知らせしたように、アポイ岳に登ってきました。
天気にも恵まれ、平日でもあったので登山客も少なく、
快適な登山となりました。
目標は頂上ではなく、景色が良く見えるところでしたから、
7合目あたりの馬の背までにしました。
5合目から7合目あたりまでが一番険しく大変なところです。
一緒にいった長男の体調がよくなく、
頂上はあきらめていました。
登山すらもあきらめようかと思っていたほどですが、
なんとが7合目まで登ってくれました。
頂上といっても、アポイ岳では眺望はよくありませんし、
ガスがずっとかかっていたので、
登っても、よくはなかったでしょう。
馬の背あたりが一番眺望がひらけます。
そこで昼食とりました。
私は、景色をながめ、岩石を眺めながら、大地の形成に思いをはせました。
子供達は、眺めより、いろいろな虫がいることが楽しかったようです。
花もいろいろ咲いていて、私は名前は知りませんが、
写真だけは撮ってきました。
なかなか楽しい登山となりました。

・登別・
8日と9日に登別にいきました。
新聞広告でホテルの格安パックが紹介されていました。
2名分の料金で、4名泊まれるものです。
それにマリンパークと熊牧場の入場券をついてます。
家族の強い希望で出かけることにしました。
私は、春にいけなかったがクッタラ湖周辺を見れれば思っていました。
しかし、暑さのために長男は夏バテです。
1日目はマリンパークで、早めにホテルに入りました。
8時前にくま牧場に入場し、10時頃に降りてきたので、
2日目の昼前にクッタラ湖を周遊しようと思っていました。
暑さのために、長男がダウンです。
残念ながら私はまたもや調査ができませんでした。
まあ、子供たちは、しばらくプールや図書館などの涼しいとこで
のんびりさせて、体力の回復をしてもらいましょう。


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