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講 義■ Lec 007(その3) はじまり:この世のはじまり
掲示板■ この世の一般則・風邪
 


 宇宙のはりまりから、現在まで、いっきに物語は進みます。でも、なんといっても、はじまりに起こった不思議な出来事が多いようです。


▼ 講義ファイル
Lec007_3の講義ファイル(講義時間 14:54)
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講 義■ Lec 007(その3) はじまり:この世のはじまり

▼ ものと力のはじまり
 ビックバンが起こって、宇宙が広がっていくと、温度が下がってきます。それまでエネルギーでしか存在できなかったのですが、温度が下がるとエネルギーから、力ともの(物質)が分離してきました。はじまりのころを、ものと力の誕生という視点でみていきましょう。

1 インフレーションの時期
 宇宙の誕生から10^-44秒たったころのことです。
 それまで、ものがない、エネルギーだけの世界だったのですが、エネルギーの中から、力のひとつとして重力が、誕生します。最初に「重力」ありきです。

2 ビックバンの時期
 10^-35秒以降、インフレーションからビックバンに移行すると、ものができはじめます。ものとは、素粒子のことです。それとともに、強い力の生まれてきます。
 そして、弱い力と電磁力が誕生します。これで、この世に存在する4つの力がすべて誕生しました。ただし、力はすべてできたのですが、まだ働くべき物質がなかったので、力は作用できない状態です。
 さらに、のちのちの宇宙に存在する物質の量を決めるようなできごとがおこります。バリオン数の決定とよばれるものです。

3 クォークの閉じこめ
 誕生から10^-8秒たって、温度が10^14Kまで下がります。
 すると、弱い力が、はたらきはじめます。量子色力学的力の作用(相転移)と呼ばれているものです。量子色力学相転移によって、3つのクォークがつながり陽子と中性子(ハドロンとよばれる)が形成されます。
 このような物質は、素粒子のニュートリノの中に漂っています。その状態は、まるで海のようなので、ニュートリノの海と呼ばれています。

4 原子核の形成
 3分(1.8×10^2秒)ほどたつと、温度は10^10Kになります。強い力の作用する物質化が終了します。そして、強い力が働きはじめます。
 強い力によって、陽子と中性子が結合して、重水素やヘリウムなどの原子核が形成されていきます。

5 宇宙の晴れ上がり
 宇宙誕生から30万年(9.6×10^12秒)、温度が3000Kになったころには、電磁気力の作用する物質化が終了し、電磁気力が働きはじめます。電磁気力によって、原子核と電子が結びつきます。つまり、原子というものができます。また、重力の物質化も終了します。そして、重力が働きはじめます。
 これで物質化がすべて終わりました。このときから、光は直進できるようになります。これを「宇宙の晴れ上がり」と比喩的に呼んでいます。
 現在、観測される宇宙背景放射(現在3K)は、この時のものです。宇宙背景放射は、宇宙のどの方向からも観測され、一様性であることがわかってきました。ビッグバン理論で説明される、時間に比例した膨張とは矛盾します。
 しかし、詳細に調べたところ、宇宙背景放射には1/10万以下のレベルで見ると、ムラがあることがわかってきました。このようなムラが、実は、後の宇宙の構造をつくるのに重要な働きをしてきたようなのです。

▼ 宇宙のつくり(構造)のはじまり
 宇宙の晴れ上がりの後、宇宙は膨張をつづけますが、どのような事件があったかはよくわかっていません。しかし、星ができはじめると、宇宙のつくりができはじめます。

1 スターバースト
 密度のゆらぎ(宇宙背景放射のむら)があったため、ものが多いところが引力が強くなります。そこには周囲のものが引き寄せられて集まります。数億年(10^16秒)後のころのことです。
 重力によって物質が集まり始め、やがて最初の天体が誕生します。その天体の実態はよくわかっていません。
 最初の天体は、大きな物質量を持っていました。そのため、非常に明るく輝き、短い寿命しかもてなかったはずです。まさに太く短くの一生をおくったわけです。
 一生をすぐに終えた天体は、爆発します。その爆発によって、物質が周辺に飛ばされます。このような爆発をスターバーストと呼びます。

2 銀河ができはじめる
 10〜20億年(3.5〜7×1016sec)後、いたるところで起こったスターバーストの爆風によって、物質が球状に吹き飛ばされます。その爆風の球状の部分に、物質が吹き寄せられます。そこには多くの物質があるために、新たな星が多数生まれる場となります。つまり、銀河が誕生するのです。

3 銀河団の形成
 30億年(9.6×10^16秒)後には、最初の天体の死によって、宇宙の泡状構造や超銀河団、つまり宇宙の構造ができます。

4 最初の星の形成
 40億年(1.3×10^17秒)後には、私達がみている普通の天体ができはじめます。

▼ われわれのはじまり
 宇宙の誕生から約100億年(3.2×10^17)後に、太陽系が誕生し、地球が形成されます。やがて、その地球に生命が誕生し、その生命が進化して、人類が誕生します。
 「現在」は、宇宙の誕生から137億年(4.8×10^17秒)たっています。宇宙の温度は、3Kになっています。そして、今、私たちがここにいます。「この世」のことや宇宙について考えているのです。
 これが、かけあしで見た宇宙のはじまりから現在までの物語です。


掲示板■ この世の一般則・風邪  

・この世の一般則・
宇宙の出来事を眺めていくと、
最初のころには、いろいろなことが起こっています。
でも、考えてみると、
誕生のころにいろいろなことが起こるのは
当たり前のような気がします。
人間でも、そうです。
生まれて間もない赤ちゃんの1年の変化と、
60歳代の人の1年の変化と比べれば、
変化の程度の違いは、一目瞭然でしょう。
誕生間もない非常の小さな存在が、
今後の長い時間を安定して過ごすために
変化をすることが誕生というものです。
それが短時間に起こるのですから、やはり、大きな変化となります。
宇宙の誕生のものがたりで、
いろいろな出来事が最初の短時間で起こっているのは、
そんなこの世の一般則に従っているのかもしれませんね。

・風邪・
またまた風邪です。
今年は一月から、我が家は、風邪にたたられています。
それも家族が順番に、何度も症状の違う風邪をひいています。
現在の風邪は、次男から長男、
そして週の中ほどに、私へと風邪が回ってきました。
くしゃみと鼻水の風邪です。
木、金曜日と2日ほど自宅で養生しました。
今年は、豪雪で寒かったせいでしょうか。
でも、寒いというのは、例年と特別変わらない状態なのですが、
なぜこんなによく風邪を引くのかわかりません。
例年一度くらいは風邪を引きますが、
それが治れば、ひと冬すごせるのですが、不思議ですね。
インフルエンザの予防接種は家族全員で受けているので、
今のところ、我が家ではまだ被害はありません。
ただ、長男の小学校ではやりだしたのが心配です。


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