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講 義: Lec 005(その1) 知恵をはかる:私たちの知恵の程度
掲示板■ 九州調査
 


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講 義: Lec 005(その1) 知恵をはかる:私たちの知恵の程度

▼ 私たちの知恵の程度をはかる
1 普遍的な知恵(論理)
 ここでは、普遍的な知恵とは、「地球」だけでなく、「この世」のどこでも通用するものとしましょう。それは、地球人だけでなく、この世の住人である地球以外の知的生命体(ETIと呼びます)にも共通するものであるはずです。そのようなものを、私たち人類は持っているでしょうか。本当に普遍的な知恵は、どうして確かめればいいでしょうか。
 今回の講義では、私たちの知恵の程度をはかる方法を、考えていきましょう。

2 地球外知的生命体とのコミュニケーション
 まず、ETIとのコミュニケーションという思考実験をしてみましょう。他の遠くの星に住む知的生命とのコミュニケーションを考えるのです。
 まず、コミュニケーション手段は、電波を使いましょう。電波は電磁波の一種ですから、光と一緒でこの世で一番早いものです。幸いなことに、私たちは、最速の電波による通信手段をもっています。
 電波で送る信号は、雑音や弱い信号になっても大丈夫なように、でき限りシンプルなものがいいでしょう。2種類の信号、ここでは、○、×とでも書きましょう。そして、その信号を音のない状態で区切りましょう。○と×は、信号の長さの違いでもいいですし、波長の違いでもいいでしょう。
 そんな信号を、ETIに一方的に送ることにしましょう。その時の手順を考えてきます。

ステップ1(Step 1)
○× 
○× 
○× 
○× 
○× 
○× 
○× 
○× 
○× 
○× 
を1セットとして、例えば10セット分を送ります。
 この信号で、これは人工的な信号であることを知らせることにします。必要とあれば、もっとセットの数を増やすこともできます。そして、相手が耳を傾けてくれたとして、次のステップにいきます。

ステップ2(Step 2)
○× 
○○× 
○○○× 
○○○○× 
○○○○○× 
○○○○○○× 
○○○○○○○× 
○○○○○○○○× 
○○○○○○○○○× 
○○○○○○○○○○× 
という信号を1セットとして、10セット分を送りましょう。
 これは、何を意味するでしょうか。そう、1から10までの数字を伝えたのです。さらに必要なら、1000でも1億でも、同じ方法で送ることができます。これで、どんな数でも伝える方法ができました。

ステップ3(Step 3)
○× ×× ○× ××× ○○× 
○× ×× ○○× ××× ○○○× 
○× ×× ○○○× ××× ○○○○× 
○× ×× ○○○○× ××× ○○○○○× 
・・・・・・・・・・
の○が10個になるまでを1セットして、10セット分送りましょう。
 ETIが、私たちと同じ程度に賢ければ、ここで送った信号が、足し算を伝えているのだと気づくはずです。
 それに気づけば、××が+を、×××が=を意味することに気づくはずです。つまり、ここで、+と=という算数の方法と記号が伝えることができたのです。

ステップ4(Step 4)
 ステップ3と同じやり方で、
掛け算 ×:××××
引き算 −:×××××
割り算 ÷:××××××
などと決めて、実例をたくさん送れば、算数の四則計算が伝えることができます。これで、四則計算による算数はすべて伝達できるはずです。

ステップ******
 同じやり方で、少数、分数、方程式、微分、積分などの数学の定義を、実例と共に示して送れば、数式で書けるありとあらゆる数学は伝達可能となすはずです。
 相手に何の基礎知識もなくても、ETIが人類程度に賢ければ、私たちの持っている知識と、そこで展開されていくありと数学的論理は、伝えることが可能です。

3 学問の普遍性
 上記のようなETIとのコミュニケーションのような思考実験をしてみることによって、私たち人類の持っている知識や学問体系が、どの程度普遍的なものであるかを、検討することができるかもしれません。
 次回から、このような視点で、私たちの学問体系を見直してみましょう。


掲示板:九州調査  

・九州調査・
明けまして、おめでとうございます。
私は、このメールマガジンが届く頃、
私は、九州の調査に出ています。
5日から12日まで、九州中部から南部を巡っています。
九州には何度も行っているのですが、
現在の研究テーマになってからは、まだ行っていません。
現在、私の研究テーマは、北海道を中心としていますが、
川原の小石や川や海岸の砂を集めてデータベースをつくりながら、
それが何とか科学的研究の素材にならないかを考えています。
その比較として、日本各地の主な川と海岸、火山の石や砂を集めています。
今回は、九州です。
このような素材は、子供から大人まで、
すぐに興味を持ち、詳しく見るれば、いろいろなものがあり、
理屈なしに面白いものです。
うちの子供たちを川原や海岸に連れて行けば、
1時間や2時間は、何も言わなくても、
そこにあるものを使って遊んでいます。
こんなに楽しい自然の素材なのですが、
研究者はあまり研究対象にしていません。
なぜなら、これらを使っても、
なかなか研究成果が出そうにないからです。
私は、あえてこれらを研究素材に選びました。
川と火山と海岸の石ころや砂です。
データは集まりつつあり、一般向けに公開してます。
でも、研究が深まりません。
私の能力の無さと努力不足なのでしょう。
しかし、まだ、はじめて3年半ほどです。
まだまだあきらめないつもりです。
とりあえずは、データベースを完成させるつもりです。
なにしろ、川や海岸は、いろいろなものがあって面白いのです。
特に人手あまり入ってない自然の川や海岸は面白いです。
いろいろなものが見ることができます。
大人の私でも面白いのですから、
子供たちが面白くないはずはありません。
我が家の子供たちは、多分、
日本全国の川や川原の石や砂を見ているます。
でも、私は何も教えません。
自然に直接触れ、そこで感じ、経験することが
まず大切だと思います。
教えても身に着かないでしょうし、
まず、場所すら覚えていないでしょう。
でも、経験が大切だと私は信じています。
そして、面白いことだけは、子供たちにも伝わっているはずです。
そんな調査旅行と家族旅行をしています。


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