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Essay ▼ 173 鴎島:火山砕屑物の守り
Letter▼ 江差追分・山車


鴎島。


鴎島から江差の港を眺める。


鴎島の周辺は断崖が多い。


鴎島は地層からできている。


斜交葉理。
弱い葉理。


火山灰から出ている地層。


火山砕屑岩。


鴎島の瓶子岩。


千畳敷。


千畳敷の遠望。


弁慶の足と呼ばれるタイドプール(潮溜まり)。

(2019.05.15)
 道南の江差には、古い祭りも残っています。古くから港街として栄えていました。前に鴎島という島があるため、風や波から港を守っていくれます。そんな港を守ってきた鴎島の話題です。


 今年のゴールデンウィークは、長い休日になったので、どこかに出かけられた方も多かったと思います。我が家でも夫婦で前半の5日間、道南の小さな町に滞在しました。
 何度も訪れている町で、気に入っているので、今回滞在することにしました。その町を起点に周辺を散策してきました。北海道は桜の時期だったので、満開の桜を見ることができました。滞在した町に着いたときはまだ咲き始めでしたが、滞在中に満開になりました。その町の公園には桜がたくさん植えられているとろがありました。毎日、その公園に花見に出かけていました。しかし、地元の人はよく知っているところなのですが、桜を見る人はぽつりぽつりしかおられず、静かに満開の桜を独り占めするという贅沢な花見ができました。
 桜が一杯植えれているこの公園には、広い駐車場があります。その駐車場には、いつも何台も車が停まっていました。しかし、桜を愛でる人はほとんどいませんでした。この公園の先は広い岩場になっているので、磯釣りにいいようで、釣り人がたくさんいます。その人達の車なのでしょう。
 さて、今回のエッセイは、前置きの町の話題ではなく、近くにある江差についてです。昨年は道南の調査に5度でかけていましたので、江差は何度も通り過ぎたり、訪れてもいました。また、今回の滞在中の日用品の買い物や、食材も買うために毎日通っていました。
 江差の一番の観光名所として、開陽丸があるのでですが、その先の鴎島(かもめじま)も、なかなか面白いところです。私は、開陽丸の見学しましたが、鴎島がなかなか気に入っています。
 名前の通り、もともとは島だったのですが、現在防波堤ができていて、地続きのようになっていて、歩いていけるようなっています。一般の観光客は、車を陸の駐車場に停めて徒歩でいくことになっています。防波堤の北側を前浜、南側をえびす浜とよんでいます。前浜には入江になっており漁港があります。えびす浜は外海に開いているので夏には海水浴場になっています。島の陸とのつながりをみると、陸繋島のようにみえます。この島に住んでおられる方もいて、飲める水の出る井戸(村上の井戸)もありったそうです。
 鴎島には散策路があり、一周できるようになっています。ただし、平らなところは島の上だけで、周囲の海岸は崖になっているところが多くなっています。そのため、海岸ぞいで島をつくっている岩石の露頭を見ることができます。散策路は島の上も通っており、日本海側(西側)の海岸にも平坦な面があり、そこに降りることもできます。私が行ったときは、天気はあまりよくなく曇っていて風も強く、落ち着いて見学できませんでした。しかし、島を一巡りできました。天気のいい日には、のんびりとハイキングをしながら、鴎島を見学できます。
 鴎島の岩石は、海岸沿いの崖でいろいろな産状を見ることができます。層が見えるところがあるのですが、通常の地層ようなきれいな層構造ではありません。これは、地層の層境界が見えているのではなく、地層の中の構造としての葉理(ラミナ)や斜交したもの(斜交葉理)などが見えています。地層は、安山岩質の凝灰質砂岩や角礫岩からできているため、通常の砕屑物の堆積物とは違った起源となっています。火山噴火によって形成された地層、ほとんどが安山岩質のマグマの火山噴出物だけからなる地層となります。開陽丸の近くの海岸には、軽石流堆積物もあります。この地層は、舘層(たてそう)の一部にあたります。舘層は鮮新世(533万〜258万年前)で、軽石凝灰岩の年代測定では400万〜390万年前という値がえられています。この火山砕屑層は厚く、総計で鴎島では、50m超えるほどあるそうです。
 舘層は、比較的新しい時代にできた凝灰質の岩石なので、柔らかく侵食を受けやすい地層です。そのため周囲の海岸は、削られてしまい崖(海食崖)になっています。そして崖の前には、広い平坦面(海食台)ができているところがあります。このような海食台は鴎島の西の海岸にあり、千畳敷と呼ばれています。また、火山岩などの礫が多いと侵食に耐えるところもあり、不思議な侵食や残り方をすることもあり、高さ約10mほどの瓶子岩(へいしいわ)、侵食部が白くなって馬の形にみえる馬岩(うまいわ)なども名所となっています。
 鴎島は、周囲約2.6kmほどの小さい島で、ハイキングには手頃なところです。訪れたのは、昨年のゴールデンウィークでした。今回は風が強かったので、残念ながら諦めました。
 ゴールデンウィークの後半は自宅にいました。しかし基本的に毎日午前中は大学にいて、仕事をしていました。大学にも桜並木があるのですが、道南より少し遅れて桜が咲きました。満開のときに大学が休みなので、一番きれいな桜が学生は見ることがありませんでした。少しの人の目にか触れなかったので、もったいない気がしました。5月5日は晴れの予報だったので、札幌の公園に桜を見に行きました。満開の桜がいくつもあり、青空と池を背景にした桜を見ることができました。今年のゴールデンウィークは桜三昧となりました。


Letter▼ 江差追分・山車

・江差追分・
江差は、江差追分が有名で、江差追分会館があります。
滞在中にそこを訪れました。
江差追分の実演が毎日行われています。
実演は3名の方(唄、三味線、尺八太鼓)でなされます。
私がいったときは、実演のあとで、
知り合いが来られていたようで
再演するので自由にみてください
ということなので、再度見学しました。
ステージではなく、知り合いの目の前で、
マイクなしに生の演奏、歌声を聴くことができました。
非常に迫力があり、いい演奏が聞けました。

・山車・
江差には、北海道最古の祭りといわれている
姥(うば)神大神宮渡御祭(とぎょさい)があります。
私は見たことがないのですが、
江差追分会館で展示や映像があります。
大きなヤマと呼ばれる山車を曳いていきます。
毎年8月9日から3日間山車が曳かれます。
町内ごとに13もの山車があるそうです。
一度見てみたいのですが、
この時期は学科の行事があるので難しいですね。




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