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講 義■ Lec 016(その4)予測:未来を考える
掲示板■ 感謝・早わかり 地球と宇宙


 第16講も、いよいよ最後となります。そして予定した講義もこれですべて終わりとなります。あと残すところは、最終講義だけとなります。最後は、未来を見すえた夢の話をしましょう。


▼ 講義ファイル
・Lec016_4の講義ファイル(講義時間 17:13)
ブロードバンド用(ファイルサイズ 4.2MB)
ISDN用(ファイルサイズ 2.1MB)
倍速用(ファイルサイズ 7.4MB)


講 義■ Lec 016(その4)予測:未来を考える

▼ 未来とは
1 やがて来る未来と来ない未来
  未来とは、時間の区分で、まだ来ていない時をいいます。時間の流れの中では、現在より先のことです。つまり、「未来」とは、「現在」より常に先にある時間に対して付けられた名前です。
  今回の講義では、未来の予測について見てきました。では、私たちの未来には、「やがて現在になる未来」と、「永遠に未来でありつづける未来」があるのを知っていますか。それについて最後に見ていきましょう。
  時間の流れは連続しているので、いろいろな呼び方があります。「今日」や「明日」、「1年後」などに対して、同じ時間でも「2006年12月2日」や「2006年12月3日」、「2007年12月2日」などという呼び方もあります。
  これらは同じ時間を示していますが、意味するところは違っています。例えば、「明日」とは、実際に明日(2007年12月3日)になると、「2006年12月4日」が「明日」になります。時間の流れを、常に流れて移動している「今」を中心にして考える方法(相対軸)と、カレンダーのように動かないもの(絶対軸)として見ていく方法に分れられます。
  「やがて現在になる未来」とは、時間を絶対軸で表しているものです。カレンダー上の年月日や日時のように、固有の時間名がついているようなものです。
  一方、「永遠に未来でありつづける未来」とは、相対軸の上にある時間で、「今」を基準に、どれくらい先かを示しているものといえます。
  「自分」を基準に考えると、絶対軸と相対軸でまったく違った未来がありえるのです。そして、その2つの軸に自分の夢や目標を重ねると、相対軸の重要性がわかります。

2 自分の未来を拓く方法
  未来予測が可能なものは、その予測に基づいて、未来をどうしたいのか考えて行動すればいいのです。しかし、多くのものごとは、なかなか予測できません。自分の夢がかなうかどうかは、予測不可能です。そんな予測不可能なものは、こうなって欲しいと信じて行うしかありません。
  例えば、受験勉強や試験勉強、クラブでの基礎練習などは、どれほどすれば、どれだけ可能性が上がるかはわかりません。しかし、私たちは、努力することで可能性が上がることを、経験的に知っています。努力が、自分にとって未来を望ましいものに変えるために、いちばん有効な手段なのです。その努力を信じることが、望む未来、つまり夢をかなえる一番有効な方法なのです。
  自分自身というものは、宇宙、この世に一つしかなく、非常にちっぽけな存在ですが、これ以上大切で大きいものはないのです。
  「この世で一番大きいものは何ですか」という問いを出したとしましょう。この講義を聴いてきた人は、答えは「宇宙」だとわかるでしょう。では、丸い宇宙を想像してみてください。今、あなたは「丸い宇宙」を想像したでしょう。あなたの頭の中には、今まさに宇宙のイメージができました。あなたは、頭の中に、いとも簡単に宇宙をつくりあげたのです。宇宙より大きいものは、じつは、あなたの想像力なのです。
  一番大切なことは、自分自身の想像力でつくった将来の自分、つまり「夢」を大切にすることにこそ、希望に満ちた未来があるはずなのです。その夢に向かって努力をしていくことが、夢の実現の第一歩なのです。そしてそれを信じていく、歩むことが、一番の近道なのです。
  たとえ、その夢は実現しなくてもいいのです。そうありたいと思って、進んでいくのであれば、夢の途中でも悔いのないこととなるはずである。

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やがて現在になる未来     永遠に未来でありつづける未来
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絶対軸            相対軸
2006年12月2日         今日
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2006年12月3日         明日
学校を卒業した自分      社会に出た自分
(夢を求めている)      (夢を追いかけている)
2026年の自分         家族を持って中堅となった自分
(夢が一部しか達成できない) (夢を追いかけて一部が達成)
定年退職した自分       夢に対してまだ満足できない自分
(夢が達成できなかった)   (夢を追いかけて続けている)
死ぬ直前の自分        満足感のある人生と思っている自分
(夢半ばで終わる人生)    (夢を追い続けてきた満足感)
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 以上で、この「Terraの科学」の講義を終わります。この講義が、少しでも皆様のためになれば幸いです。最後まで講義を受けてくださって、ありがとうございました。


掲示板■ 感謝・早わかり 地球と宇宙  

・感謝・
いよいよ長かった「Terraの科学」の講義も終わりとなりました。
1年以上かけて続けてきましたが、満足いただけたでしょうか。
小学生にもわかるつもりで行ってきましたが、どうだったでしょうか。
少々難しかったかもしれないと反省しています。
もしこれを聞いてくださった小学生や中学生がおられたら、
感想が頂ければありがたいです。
もともと、この講義は私にとって
科学教育の新しい方法を開発することが目的でした。
これは、私側の事情です。
受講する人にとっては、自然科学の概要を理解するために、
大切な考え方や視点を体系的に学べるもの提供することが目的でした。
科学教育の新しい方法は、私側としては満足のいくものでした。
問題は、受講された人たちが、どの程度満足いただけたかです。
必ずしもすべて理解されたとは思えません。
私自身の独善的な考え、間違った考え、非常識な考え
など多々あったかもしれません。
しかし、それも含めて受講者の方に、刺激を与えられたら
講師側としては、満足のできるものといえます。
科学や学問には、ひとつの方法、真理、考えなどに束縛されていません。
人の数だけ、それらはあっていいはずです。
そんな訓練に、この講義がなればいいと思っています。
どうも長い間、お付き合いくださって、ありがとうございました。
次回、できれば最終講義をしたいと考えています。

・早わかり 地球と宇宙・
先日私が書いた本が出版されました。
日本実業出版社から出た「早わかり 地球と宇宙」
(ISBN4−534-04156-X C0044)(定価1470円)という本です。
高校で習う地学の内容を広く扱っています。
一般人にも分かりやすい内容を心がけていました。
2ページの見開きで一つのテーマを扱っています。
各テーマは、イラスト、写真などでの説明をしています。
103個のテーマから構成されています。
この講義で展開したような考え方で書いてあります。
講義の内容も一部含まれています。
平易で分かりやすいものを心がけました。
よろしければ、書店で手にしてください。


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