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講 義■ Lec 015(その1)相互作用:階層間のかかわり
掲示板■ 益か害か・雪虫


 今回から新しい講義です。相互作用について考えていきます。相互作用は、なかなか難しいものです。多くの場合、その全貌は解明されていません。しかし、地球の歴史では、壮大なる相互作用についてわかっていることがあります。それを紹介しながら、相互作用とは何かを考えていきます


▼ 講義ファイル
・Lec015_1の講義ファイル(講義時間 17:32)
ブロードバンド用(ファイルサイズ 4.2MB)
ISDN用(ファイルサイズ 2.2MB)
倍速用(ファイルサイズ 7.5MB)


講 義■ Lec 015(その1)相互作用:階層間のかかわり

▼ 相互作用とは
1 系
  まずはじめに、系(けい)というものについて考えていきます。
  系とは、何らかの共通性をもった要素の集つまり(集合といいます)とみなせます。個々の要素ごとにも、さまざまな関係があります。しかし、要素の集合全体としてはある共通性を持ち、その系全体が外となんらかの関係があるはずです。その関係は単に外部から一方的に影響を受けるだけでなく、外部に対して多少の影響を与えることがあるはずです。また、外部にもそれなりの系があり、さまざまな要素から構成されています。このような系ごとの関係を相互作用といいます。
  ある系の構成要素のひとつひとつがどんなに小さくても、多くの数と長い時間をかけることで、量から質への変換をおこなうことができます。今回の講義では、そんな相互作用をみていきます。

2 開放系と閉鎖系
  系が外部となんらかの関係があるとき、開放系といい、関係がまったくないときは、閉鎖系といいます。閉鎖系とは、外部とのやり取りがなく、内部だけで完結しているということです。相互作用とは、開放系でのみ起こることになります。
  「この世」のもので、閉鎖系と開放系にはどのようなものがあるでしょうか。論理的に、閉鎖系は存在しません。つまり、「この世」を構成するさまざまな「要素」自体は、閉じておらず、開放系であるといえます。
  たとえば、重力を考えると、まわりのものと何らかの関係が生じます。重力から孤立した存在は、「この世」にはありえません。
  ただし、「この世」にひとつだけ、外部の重力からも孤立した存在があります。それは、「この世」自身、「宇宙」は系として閉じています。なぜなら宇宙は「この世」で最大でかつ唯一の存在で、その外側は、もはや「この世」とはいえないからです。

3 系の階層性
  ある目標とする対象物が、その外部と相互作用をすることを考えるとき、ある階層性の中に位置づけられているべきです。
  例えば、対象物を人間として、人間との相互作用を考えてみましょう。人間の外の系として、階層を越えていけば、他の生物、海洋、地殻、大気、地球、太陽系、銀河系、そして宇宙まで、その規模を拡大していきます。そして、規模が拡大していくということは、その外部の系が、より上位の階層になっていくということを示しています。
  階層が上がるにつれて、その系から人間への影響は、一般に少なくなっていきます。ですから人間に関して考えるときは、階層をかけ離れた銀河系や他の太陽系などの天体はほとんど相互作用はしないでの、考える必要はありません。

4 生命と地球
  今回の講義では、生命という系を取り上げ、相互作用を及ぼす外部の系として、海洋、地殻、大気、あるいは地球全体を考えていきます。もちろん、太陽は月は生命と大きな関わりがあります。それも必要に応じて考えていきます。


掲示板■ 益か害か・雪虫  

・益か害か・
人は一人では生きていけません。
なんらかの人とかかわりがあります。
家族とは少なからず相互作用をしています。
かかわりができると、相手の影響で自分は変化します。
もちろん相手もそれなりの変化をします。
相手からの影響は、いいものばかりではありません。
嫌なものだってあります。
二度と会いたくないような相手だっているはずです。
そんな気持ちを持つこと自体も、相互作用の結果です。
相互作用とは、価値観の入らないものなのです。
しかし、系の中(自分)にとっては、その相互作用の結果が、
益するものか害するものかは重要な問題です。
でも害するものが不利益だけとは限りません。
避けがたい天災のような相互作用が受ければ、
そこから人は自然の恐ろしさを学びます。
そして自然災害への備え、防災を学びます。
このような智恵も相互作用が生み出したものです。

・雪虫・
北海道では、雪虫が飛び始めました。
雪虫が飛べば、もうすぐ冬です。
紅葉もピークを迎えています。
今年の秋は、晴れと雨の繰り返しが続き、
紅葉も次々と散っていきます。
ですから、ひとつの木の紅葉があっても、
一夜にして大半の葉が落ちることもあります。
なかなか変化の激しい秋です。


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