地球のつぶやき
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Essay■ 246 新しい解法:算数的アプローチ
Letter ■ 天候不順・コロナからの脱出


(2022.07.01)
 今回は地質学ではありませんが、課題解決の方法論を考えていきます。生きていく上で、解けようか解けまいが、どうしても対処しなければならない課題があります。そんな課題に対して、算数的アプローチを紹介します。


Essay■ 246 新しい解法:算数的アプローチ

 人は、いろいろな課題にぶつかります。あるときはその課題が解けずに打ちのめされたり、またあるときは解けて大いに満足したり、などいろいろな場面が生まれます。課題に時間制限がかかることもあり、それまでに解決できようができまいが、課題に向かわなければならないこともあります。課題の対処で、解けなくてもうまく終われる場合もあれば、解けても挫折感を味わう場合もあります。
 人が取り組む課題には、さまざまなものがあり、当事者にとっては重要であっても、周りにはどうでもいいこともあります。また逆に、当事者にはどうでもいいような課題でも、周りはその人が解決してくれないと大問題になることもあります。このような課題も、多々あります。
 どのような課題であっても、それに取り組んでいく姿勢は重要です。課題がそもそも解けるものなのか、解けるはずもないものなのか、それが不明な場合が多くあります。それでも課題には取り組まなければならいこともあります。
 数学であれば、多くの問題を解いていけば、いくつかのアプローチや解法が身につくようになります。問題のパターンを見抜いていき、アプローチや解法が使えないかどうかを、試していくことになります。訓練や練習を積めば積むほど、その解法やノーハウは増えていきます。
 一方、数学には、解けない問題、あるいは特別な条件がないと解がない問題もあります。解けないことがわかるというのは、証明されているということになります。解けないことが認識できるのは重要です。解けないものに取り組むのは、無駄だということ、取り組み必要がないことがわかります。
 解けないことがわかるのは、数学や論理学の世界の話で、それこそ特別な世界での話となります。一般の場合、その問題が解けるかどうかは、不明です。生活の場で起こる課題には、そのようなものが多いのではないでしょうか。
 解けないと思っていると、解こうという意欲がわきません。ですから、解けるはず、あるいは解かなければならないと思って、取り組むことになります。
 生活の中での多くの課題のうち、時間に迫られているものは、一定の努力をしていれば、時間が過ぎてしまえば、成功、失敗にかかわらず課題は、解消されます。多くの場合は、時間が来るまでは、心理的なストレスが高くなります。時間に制限がない課題は、あまり切迫していないものが多くなります。課題は嫌なことなので、ついつい後回しにして、やがては忘れていくことにもなるでしょう。
 しかし、忘れてはいけない、どうしても解かなければならない重要な課題もあります。そのような課題に対して、どのように対処すればいいのでしょうか。そもそもの方針として、どのようなアプローチをすればいいのでしょうか。解けようが解けまいが、取り組まなければならない事態になっている場合です。
 そんな場面に対して、学生に授業で伝えている方法があります。「算数的アプローチ」と呼んでいる方法を、覚えておきなさいと紹介しています。それは、算数の+、ー、÷、×をもとに考えようというものです。これらの算数的アプローチは、解法だけでなく、解く人の姿勢にも使えるものです。
 +とは、取り組んでいる課題の解法に、別の解法を加えて考えることです。ひとつの課題Aがあり、それを解く方法がわからない場合、似た課題Bで解けているBを参考にして、Bの解法をAに適用、応用できないかを考えていこうとするものです。また、解く努力をしつづける姿勢とることで、継続することで解決へのつながることもあります。
 ーとは、課題を整理して、本質的でないものを取り除いていき、もっとも本質的なものだけに絞って考えていこうをすることです。また、課題を全体を解くには大変な努力や膨大な時間が必要ですが、すべての解くことを望むのではなく、少しずつでも解いていくことで、着実に課題の量を減らしていくことです。
 ÷とは、課題となっている内容を、解けそうないくつかの小さな要素に分解していき、それぞれを解決していきます。それを繰り返すことで、最後には全体を解いていこういう方法です。一人では解けないことも、二人や仲間を募ること、あるいは要素還元主義的考えで解決に近づく姿勢です。
 ×とは、その課題単独ではなかなか解けそうもない時、仮に別の条件を導入したり、別の要素を掛け合わせることで、課題をいったん別の解きやすい形にすることで解いてみます。解けたら、その条件や要素を少しずつ取り除いていくことで、解がどう変わっていくことを考えることで、課題を解いていく方法です。また、同じ時間内であったとしても、2倍の集中力や努力をすれば、より早く解決できるということです。
 このような方法論は、抽象的な言い方ですが、だからこそいろいろな場面、課題に適用できるのはないかと思っています。課題に正攻法で淡々と努力すること(+の方法)は重要です。それは、すべての基本となることで、しかし、それでは解けそうもない課題や、時間がかかりすぎそうな課題もあるはずです。そんな時、このような方法論を、頭の片隅においておくと、どれかが解決の緒をえられるのはないかと考えています。


Letter■ 天候不順・コロナからの脱出 

・天候不順・
夏至が過ぎましたが、
本州では暑い日が続いていると思います。
北海道は天候不順が続いています。
涼しかったり、雨だったり
蒸し暑い日があったりと不順です。
あまり夏の暑さが訪れていません。
これからでしょうか。
初夏の風物詩のエゾハルゼミは鳴いてきたのですが
いつもの夏の装いにもなかなかなれません。
どうしたものでしょうか。

・コロナからの脱出・
世界各地ではCOID-19からもう脱出して
普通の生活が戻ってきたようです。
日本はまだ危機管理された状態になっています。
毎日数百人ほどの感染者が出ています。
対策レベルとしては
なかなか下げられない状況が続いています。
大学も公の方針に従いますので
なかなか通常の状態にもどりません。
しかし、徐々にではありますが、
2年半前の状態に戻りつつあります。
一日も早い回復を願います。



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