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(メールマガジン:No. 35〜No. 42)


No. 035
【No.035:2001.04.26】過ぎたるは及ばざるが如し
旧石器発掘捏造/エッセイは週1本に/近況
・旧石器発掘捏造(Oさんへ)・
★「立花隆サイエンスレポート「旧跡発掘ねつ造」事件を追う」(ISBN4-02-257601-4)というのを読みました。
★立花隆氏の知的好奇心とジャーナリストとして相手にこびることなく悪いことは悪いという姿勢は、大いに学ぶところがあります。それと、彼の博識は努力の賜物であるということを著書の各所述べられているので、私も見習うべく努力しています。
★新聞で断片的にはこのニュースを読んではいたのですが、この本でまとまった形で事件の全貌を知ることができました。この事件は考古学学界全体に暗い影を投げかけました。それに、ねつ造がおこなわれたのが、ニュースで明らかになった2箇所だけとするのか、それとの藤村氏がかかわった遺跡すべてを黒としてしまうのか、が大きな分かれ目です。2箇所だけとする、被害は最低限ですが、その他の部分では常に灰色という不安が付きまといます。すべて黒とすると、日本の大部分の前期・中期旧石器時代の遺跡は消えていくかもしれません。しかし、日本の考古学の面目復旧にはその程度の覚悟が必要なのかもしれません。これは、他の学界でも起こりうることかもしれません。いやもしかするとどこかで誰かが・・・★
・エッセイは週1本に(Uさんへ)・
★Uさん「このメルマガの分量ですと、1週間に1通くらいが、読むのにちょうどの分量だと思います。」
★週に複数のエッセイの私側の必然性をNo.28に書きました。Uさん以外にも何人かの方からメールをいただきました。何人かの指摘で、週に1通のエッセイが適当と考えるようになりました。今までは、質問や意見のメールをいただいた方への対応のためのエッセイと、ニュース伝達のためのエッセイなど、自分が書くペースによってエッセイの数にこだわなくてもいいと「書く側」から考えていました。つまり「書くこと」が目的となり、地球の科学を多くの人に伝える「エッセイ」という面を忘れて、独りよがりのところがあったも知れません。「読む側」にも都合あるということを忘れていました。このエッセイをまじめに読みたいという人(非常に大切な読者)やメールをいただいた方(こちらも大切な読者)には、週に1本というペースがいいのかもしれません。そんなこんなで、これからは週に1本のペースで行こうかと思います。★
・近況(Mさんへ)・
★ご心配かけましたが、インフルエンザは治りました。しかし、子供が保育園からもらってきた別の風邪をひいています。せきが出て、のどが少し痛いですが、それほど不調ではありません。この程度の風邪では、頭にはあまり影響がないようで、集中力はでてきました。Mさん曰く「根拠はないけどねぎ焼きを食べるとなおるよ。」ということで、ねぎ焼き食べて明日も頑張りましょう。★


No. 036
【No.036:2001.05.03】パイオニア・スピリッツの疼き、それは生命の宿命
ミールと双子/日本初の宇宙飛行士/近況
 2000年4月12日発行のエッセイ「6_6 有人宇宙ステーションミール」に関しては、多く方からの反応が寄せられました。ありがとうございます。いくつかを紹介します。
・ミールと双子(Sさんへ)・
★Sさんが「ミールと双子の兄弟でまだ処女」宇宙ステーションが、苫小牧市科学センターに展示してあることの情報を頂きました。
★驚きでした。ロシアの宇宙開発の本は読んだことがあったのですが、初耳でした。「本体だけで機器類はついていませんが宇宙船の本物を見て、感慨深い思いでした。」同感です。私は、ケープ・ケネディでNASAの宇宙船を見たことがあります。人間が作ったものですが、巨大なもの想像絶する複雑なものなど、目の前で生で見ると圧倒されます。多分、苫小牧市科学センターの双子のミールもそのようなものかと思います。今度機会があったらぜひ寄ってみたいと思っています。★
・日本初の宇宙飛行士(Oさんへ)・
★Oさんから、「以前秋山さんにお目にかかったことがあ」り、「日本で最初の宇宙飛行士なのに、何故か、疎んじられているような気がします」というメールを頂きました。
★私は、立花隆氏と秋山氏との対談「宇宙よ」と、秋山さんの「これ本番ですか」という本を読んで、ニュースで伝わる以外のことを知りました。秋山さんが、疎んじられているようなことはないと思います。日本で一番最初の宇宙飛行士は、秋山さんであると誰もが知っていることです。そして、マスメディアの人間が乗ったという快挙でした。ただNASAとの国際共同で進んでいる国家プロジェクトを、一民間放送局が先取りしたので、国として愉快ではなかったと思います。国が懸命にマスコミに情報を流したため、秋山さんの影が薄くなってきてきたのではないでしょうか。
★ただし、大切なことは、一部の選ばれた人しかできない経験をしたのであれば、その経験を多くの人に伝える必要があると思います。そのためには、毛利さんのようにマスコミに出たり、人前で講演をしたりすることが必要だと思います。その点、秋山さんは毛利さんより劣っていたかもしれません。
★ただし、立花隆著「宇宙からの帰還」という本で、多くの宇宙飛行士にインタビューしています。その本によると、宇宙飛行士は、宇宙という特異な環境で特異な経験をしたために、帰還後、人生観が全く変わって、宗教的になったりする人もいました。もしかすると、「今は農業をやっている」秋山さんも、それかなとも思いますが、これは単なる想像です。
・近況・
★ゴールデンウィークの真っ只中です。皆さんのゴールデンウィークは楽しめたでしょうか。お楽しみは前半で終わらせた方、お疲れ様でした。お楽しみは後半の方は、よい、ゴールデンウィークをお過ごしください。
★私たちの博物館は稼ぎ時で、休日返上で開館しています。しかし、学芸員も人ですし、人の親でもありますので、ゴールデンウィークの前半休み組と後半休み組の2つに分かれて休んでいます。私は、前半休み組です。ですから、私のゴールデンウィークは、このメールが届く頃には終わっています(実はこのメールは28日に書いてます)。私は、28日から2日まで休みなのですが、用事が入ってないのは、1日と2日だけです。休みとはいえ、どこもかしこも込んでいるので、どこにも出かけません。家の近所をつろうろとすることにしています。私の生んでいるところは、神奈川県湯河原町で、伊豆半島の東付け根にあたります。JR東海道線でいえば、熱海の一つ東京よりの駅になります。ゴールデンウィークは、伊豆へ行く非常に国道は非常に混みます。ですから、家の付近でうろうろするのが一番です。★


No. 037
【No.037:2001.05.10】感じないリズムに突き動かされて
文章の書き方の変更/新メールと独自ドメインの取得/近況
・文章の書き方の変更(Sさんへ)・
★「視力低下が甚だしく、メーラーの字も読みにくくなっております。もし不都合か無ければ、原稿を書く際にパラグラフごとに改行をいれるなどしてみていただけませんでしょうか。」
★今までのエッセイでは、★などを使って区切りを示してました。とりあえず、今回のエッセイの本文だけを、読点ごとに改行を入れました。読者のかたがた、読みやすくなったでしょうか。それとも読みにくくなったでしょうか。この書き方についてのメールを下さい。読み難いようでしたら、再度検討します。問題がなければ、その方式で続けていくつもりです。Sさんも、今回のエッセイは読みやすくなりましたか。感想をよろしくお願いします。★
・新メールと独自ドメインの取得・
★このたび新しくメールアドレスを取得しました。
y@ykoide.com
です。見てお分かりのように、独自ドメインです。さんざんどこにしようか、悩んだのですが、独自ドメインを持つことにしました。残念ながらkoide.comはとれませんでした。しかたがないのでykoide.comにしました。メールもそこ宛に送っていただければOKです。メールマガジンのアドレスも変更します。当然、古いアドレスもしばらく生かしておきますの、ご安心下さい。
★新しいドメインには、ホームページをおきます。現在、作成中ですが、調べてみて自分でも驚いたのですが、6つぐらいの内容の違うホームページを持っていました。近々もう一つ増えそうです。現在、新しいドメインのディレクトリーを分けたり、各所のURLを目的別にしたり、整理しています。整理中ですが、もう覗けます。入り口は、
http://www.ykoide.com/index.html
です。時々覗いてください。よろしく★
・近況・
★皆様、ゴールデンウィークはどうでしたでしょうか。私はざんざんでした。後半の4日と5日は、風邪にやられて、寝込みました。今度の風邪は、頭と骨の節々にきました。6日にはかろうじて復帰したのですが、まだ、時々頭痛がします。大分、仕事が溜まってしまいました。この1、2年やたらと病気をします。子供が保育園でいろいろな病気をもらってきて、それがそのまま親ももらっているようです。子供は抵抗力をつけていくのに必要なのですが、親にはつらいものがあります。しかし、これも親の役割の一つ考えていくことにします。★


No. 038
【No.038:2001.05.17】偏りも知って始めてわかる
文章の書き方について/「内容が問題」が一番の問題
・文章の書き方について・
★文章の見やすい書き方として、区切りを多くしたらという意見があり、前回はその方式で書いてみました。この書き方にいくつかの意見がありました。単純に読みにくいという意見や、プリントアウトの時の面倒さ、そして私自身の手間と好みから、Sさんには申し訳ありありませんが、もとの状態に戻します。
★表示を大きくして見やすくする一つの方法があります。メールを読むためのソフト(アウトルックエックスプレスなど)の設定で、表示文字を大きくするというやり方(「表示」の中の「文字サイズ」で「最大」を選択)があります。メールソフトの設定を、そのように変更してみてください。多分それでだいぶ読みやすくなると思います。★
・「内容が問題」が一番の問題・
★Oさんから「文章の形、書き方などあまり、気にせずにお続けください。問題は内容です」という意見を頂きました。そうです。それが問題なのです。あまりにも内容が、専門的過ぎたり、独善的過ぎると「変な内容」になってしまいます。
★さらに、Oさんから「今回のスケールの大きなお話など、凡人には、刮目させられるものがあります。」前回のような内容になるように、毎回いくように努力していきます。今後もよろしく。★


No. 039
【No.039:2001.05.24】地球と生命との共進化、地球と人とは・・・
共進化
・共進化・
★近年、生命と地球の関係が詳しく研究され、非常に密接に関係していることがわかってきました。地球環境の大激変があると生命は簡単に大絶滅を起こします。しかし、生命が死に絶えることは今までありませんでした。環境の大激変の後、生命は大発展します。そして今までにない仕組みや性能をもった生命が誕生し、地球を制覇しだします。多細胞生物、脊椎動物、陸上生物、哺乳類なども、環境変化と大絶滅の成果なのかもしれません。そのような内容を詳しく紹介した本に、丸山茂徳・磯崎行雄著岩波新書「生命と地球の歴史」(ISBN: 4004305438)と川上紳一著NHKブックス「生命と地球の共進化」(ISBN: 4140018887)があります。もし、興味のある方は読まれてみてはどうでしょうか。このエッセイでも生命と地球の共進化については、たびたび取り上げることになると思います。★


No. 040
【No.040:2001.05.31】「変な」とはヒトが思うだけで、そちらではそれが当たり前
変な生き物
・変な生き物(Uさんへ)・
★「1977年に日本の漁船が、海の恐竜のようなものの死骸を捕まえて、それを写真に撮っていて、そのほか、海中のレーダーにも、その時の死骸と似たようなものが映ることがある、などという話です。」
 人間があまり知らない世界には、日常的に接してない生物には大きなものや変な形のものがたくさんいるのかもしれません。それを面白おかしくマスメディアが伝えることがあるかもしれませんが、その多くは実在する生物です。大きなイカやタコもいます。大きなサメの腐乱死体を怪獣のように扱った例もあります。それと、また、我々がすべての生物を知っているわけでありません。ほんの一部です。もっと想像を絶する生き物も一杯いるはずです。今回紹介したストロマトライトもそんな生物のつくったものです。でもそこには地球の壮大なる歴史が書き込まれていたのです。★


No. 041
【No.041:2001.06.07】ヒトも進化する!どこへ向かおうか?
ヒトに新天地は必要か(その1)
★「6_7 ヒトと宇宙と」というエッセイを書いた時、O氏から、意見を頂きました。そして、何度もメールをやり取りをしました。現代の世相を反映する議論かもしれません。どちらの意見が正しいとか、間違っているとかいう評価ではなく、これはヒトの将来を決定する、非常に重要な議論だと思います。そして、私は、今回のエッセイと以下の議論で示した意見をもっています。O氏からも「こういう問題を、皆さんが議論するきっかけになれば幸いです。」といわれていますので、この件に関して、ご意見のある方は、メールをお持ちしています。
★O氏の承諾を得ましたので、ここにその議論の内容を採録します。できる限り省略をしないまま載せますので、少し長くなります。1回では収まらなかったので、2回に分けて掲載します。★
・反論・
O氏(2001年5月3日 10:02)
★今回は少々異論があります。フロンティア精神についてです。個人差のあることだとは思うのですが、僕は、宇宙開発や冒険、都会での生活にまったく興味がありません。若い時からそうでした。何か、そこから利益が生まれる人種が、うまく宣伝して、煽っているような気がしてなりません。知的好奇心はないほうではないと思いますし、未知に対する関心もあるのですが、必要以上に、莫大な金をかけて、多くの犠牲を払って進めるのには賛成できません。南極での越冬が、私たちの生活に何かプラスになりますか?宇宙に人間が住めるようになったとしても、それはほんの一握りの力のある人間だけなのではないでしょうか?人間全体、私たち庶民のことを考えたら、もっと先に、やるべきことがあるのではないでしょうか?
★進化も、フロンティア精神から生まれただけではなく、現実からの逃避、現状からの脱却が原動力になっている」場合も多いのではないでしょうか?だとしたら、それは決して前向きなものではなく、転職や移民と同じ、ある種の忍耐の欠如から生まれているのではないでしょうか?それが成功する場合もあるでしょう・失敗する場合もあるでしょう。故に、両手を上げて賛成という気持にはなれないのです。感動もしないのです。
これはエネルギーの不足からくるのでしょうか?でも,新しいことに挑戦することだけが,エネルギッシュだとは思いません。★
・反論への意見・
小出(2001年5月3日 13:36)
★考え方の相違かもしれません。
★多分、NASAのやっていることに対して、アメリカ国民でも同じように「人間全体、私たち庶民のことを考えたら、もっと先に、やるべきことがある」と考えている人も多数いるはずです。でも、アメリカが国家の予算を使ってあんなことをしたのは、米ソの対立というのは背景にあったかもしれませんが、当時の世論が後押したからであろうと思います。
★日本でも同じで、反対者の多い計画は実現しないはずです。例えば、南極越冬は続けられています。そして、マスコミがそのニュースを流します。そのには、その事業を必要であると認めている世論があるはずです。国家予算を使いマスコミにニュースが流れている事業がすべて「是」ということはないでしょうが、南極越冬のニュースを楽しんで聞く国民もいるわけです。そして、そこに税金が使われことに反対をしない人もいるわけです。
★「もっと先に、やるべきこと」とはなんでしょうか。福祉、土木工事、教育など身近で、急を要することもたくさんあります。しかし、研究や学問にも十分にお金を投資すべきです。学問にはなんの役に立たないものもいっぱいあります。しかし、学問や研究はやらなければならないことだと思います。
★私がやっていること(地球科学)なども、純学問的で、今日すぐに役に立つものではありません。しかし、それを面白いと思っておこなっている研究者がいます。そして、その研究者はその面白さを可能な限り市民に伝えようとしています。その伝えたことを面白いと思って聞く人もいます。そこには、なにも急を要することはありません。でもそれも必要なことではないでしょうか。
★うまくいえませんが、私は、エッセイのような考えをもっています。★
・賛成なんですが・・・。・
O氏(2001年5月4日 17:01)
★おっしゃる意味は良くわかるつもりです。良く理解しているつもりなのですが、でも、なのです。学問や研究は、本当にやらなければいけないものなのでしょうか?いえ、やらなければいけないものばかりなのでしょうか?白紙にして考えてみる必要があるのではないでしょうか?学問とか研究というと、嘗てのダム工事のように、長い目で見たら絶対に必要で、有意義なことのように思われていますが、はたして本当にそうでしょうか?すべてが、現実の生活に役立つものである必要はありませんが、優先順位というのはあるのではないでしょうか?飢えて、死んでいく子供があるときに、面白いことのために、それを追いかけているのは、何か間違っていませんか?しかも、それを面白いと感じているのは、ほんの一握りなのではないでしょうか?
★科学は、人間を幸福にはしません。根本的に、追い求めるべきものが違うような気がします。勝手な、独断的な意見かもしれませんが・・・。★
・私も、 賛成なんですが・・・。・
小出から(2001年5月6日 10:52)
★「おっしゃる意味は良くわかるつもりです。良く理解しているつもりなのですが、でも、なのです。」「すべてが、現実の生活に役立つものである必要はありませんが、優先順位というのはあるのではないでしょうか?」私も、同じように、Oさんのおっしゃることを理解していると思います。しかし、それでも、「今日役に立たない学問」も必要だと思うのです。それくらいの余力をも、もたない文明というは、継続性のない耐久力のない文明ではないでしょうか。
★このような人間の活動に関しては、賛否両論あっていいと思います。そして議論すべきなのです。合意の下におこなえばいいのです。大いに議論しましょう。
★しかし、気をつかなければいけないことは、緊急を要する成果は、今日問われても明日には出てこないものもあります。例えばエネルギー問題です。石油も石炭も原子力の地球の化石に燃料です。それも限りあるものです。するあと100年くらいしなもたないかもしれません。一番有望そうな太陽エネルギーもコストの問題で実用化には程遠いのです。化石燃料が枯渇するあと100年くらいの間に、何とかエネルギー問題を解決する大発明が必要なのです。やはり太陽エネルギーを利用するしか、ないとも思います。化石燃料も元を正せば太陽エネルギーなのです。太陽エネルギーを簡単に、安価に、どこでも、誰でも、いくらでも取り出せる大発明が必要なのです。本当はこのような基礎的な学問に大金を投じなければならないはずのです。
★確かに、無駄なダムや業者が設けるための、地方に金を落とすためのだけの土木工事や建築物は不要です。しかし、基礎的な学問の進歩を今以上にブレーキをかけるのには反対です。
★「科学は、人間を幸福にはしません。」直接にはそうかもしれません。でもうわべだけかもしれませんが、間接的かもしれませんが、「科学は人間を幸せにしてきてる」面があるのとおもいます。★


No. 042
【No.042:2001.06.14】それでも、私は新天地を目指したい
Mail Counter/ヒトに新天地は必要か(その2)
・Mail Counter・
★このメールマガジンを始めて、はや4ヶ月となりました。読者の方からいろいろメールを頂きます。感想から、意見、日々のこと、事務連絡まで、さまざまなものが、このメールマガジンから生まれました。今回のように議論にまで発展することありました。
★そのようなメールをまとめていたら、ちょうど私が反応した分も含めて、とうとう100通に成りました。100という数字が意味があるわけでないのですが、来し方を振り返るきっかけとなりました。
★考えてみると、結構苦労して発行したこともありました。私は、文章を書くことはそんなに苦になることはありません。でも、このMemo欄には時々悩むことがあったり、時間がなくて、発行するのを忘れそうになったりしました。
★苦しんだ時の励みとなったのが、このメールマガジンを確かに読んでいるという、証しとしての読者からのメールでした。読者数は900名になりました。ホームページのアクセスカウンターも800を越えました。でも、それは、見えない反応です。見える反応は、頂くメールです。コンピュータやインターネットという道具を使って、バーチャルな世界での雑誌発行です。なのに、実体のあるものに励まされます。やっぱり、私も、所詮、生身の人間だったのです。
★100号を記念と、読者へのお礼を兼ねて、「地球のからくり」のホームページに、Mail Counterなるものをつけました。その意味するところは、上に述べたとおりです。
・ヒトに新天地は必要か(その2)・
★激論「ヒトに新天地は必要か」のその2です。
★O氏も「僕自身、まだ決定的な意見に固まっているわけではなく、試行錯誤しておりますので、参考にさせていただきます。」私も同じです。そして、このメールマガジンをお読み方も、ぜひ、この件で、ご意見を下さい。お待ちしています。
★別に、難しいことを考える必要はなく、科学とヒトはどう折り合いをつけていくべきかということです。全面賛成のヒトから、江戸時代のような完全にリサイクル可能な社会を実現すべきだとか、いろいろな意見があると思います。そして、この問題は、環境問題や政治問題、人生観、哲学、未来観、いろいろなヒトも営みと密接な内容となっていくはずです。皆さんの意見を聞かせてください。★
・屁理屈・
O氏(2001年5月7日 12:10)
★僕も科学の恩恵を沢山こうむっています。でも、科学の進歩が無くても、案外幸せに暮らせたような気がします。エネルギー問題も、石油が輸入できなくなった時、あと30年でなくなるといって、随分省エネを叫びました。僕も仕事柄その一端を荷い、解らないものですから、省エネの必要性をあの手、この手で訴えました。省エネは悪いことではありませんが、エネルギーに依存しすぎている生活には疑問を感じます。
★代替エネルギーは本当に必要なのでしょうか?エネルギーのない生活の必要性とどっちが大事なのでしょうか?それとも、人間は、もう、後戻りできないのでしょうか?
★今日、役に立たなくても必要な学問はあると思います。ただ、現状では、役に立つかたたないかではなく、企業の得になるかならないか、で、選別されているよう気がしてならないのですが・・・。★
・代替エネルギー・
小出(2001年5月8日 8:41)
★「今日、役に立たなくても必要な学問はあると思います。ただ、現状では、役に立つかたたないかではなく、企業の得になるかならないか、で、選別されているよう気がしてならないのですが・・・」確かにこのような状態では学問の多くは実学しかできません。それも必要でしょうが・・・
★「省エネは悪いことではありませんが、エネルギーに依存しすぎている生活には疑問を感じます。」同感です。私も含めて人は、一度便利さを味わうとなかなか不便さへの後戻りはできません。しかし、決意さえ持てば可能かもしれません。
★「代替エネルギーは本当に必要なのでしょうか?エネルギーのない生活の必要性とどっちが大事なのでしょうか?それとも、人間は、もう、後戻りできないのでしょうか?」今の文明を維持するには、代替エネルギーは必要だと思います。
★代替エネルギーを使わないとする選択肢もあると思います。江戸時代以前の生活に、人類がもどれるのなら代替エネルギーはいらないかもしれません。「薪や炭、わら、ろうそく」で充分かもしれません。まあ科学が進んでいますので、リサイクル可能な別のエネルギーシステムでも良いとも思います。
★そのかわり、多くの条件を満たす必要があると思います。まず、このような「薪や炭、わら、ろうそく」などのエネルギーシステムに移行することを、人類全体が合意する必要があります。全員でおこなわなければ、無意味です。しかし、1世代これで過ごせればあとは何とかなると思います。
★それと、今ほどの人口は決して江戸時代のようなエネルギーシステムでは養えません。新エネルギーシステム移行に向けて、合理的人口抑制を早いうちにやる必要があります。
★なによりも、人間も含めて生物には好奇心あるいは向上心など同じパターンだけをこなすことを嫌う個体が含まれています。そのような個体は、アウトローとされるかもしれませんが、そこに新しい世界や利益などが生じるとそれを目指すべつの個体が生まれます。これは、生物の生態とか進化を見ていると、どうも同じことが繰り返し繰り返しおっているようです。このような生物としての性(さが)を抑えことができるかどうかです。
★長くなりましたが、以上のようなことから、私は、不便な生活には戻れないという前提のものとに、代替エネルギーは必要だと考えています。★
・机上の空論・
O氏(2001年5月8日 10:55)
★どうも、ご意見を伺っているうちに、僕のいっていることは机上の空論のような気がしてきました。現実の生活の問題、人口の問題などを考えると、不可能なことかもしれません。
★でも、今、あまりに科学に依存し、その弊害もいわれていますがブレーキは効かず、様々な事が目に余るので、苦言を呈したくなるのです。
★一軒置いた隣に、電気もガスも使わず、もう一年以上、暮らしている人がいます。変わり者と言われていて、問題も色々ありますが、不可能なことではないのですね。でも、叫びながらも、愚かな人類は抜本的な対策は打てず、破滅に向かっていくのでしょう。★
★議論は、以上で終わりです。でも、本当の議論は、もともと、多くのヒトたちで行う必要があるはずです。この場ではなくてもいいです。何らかの機会に皆さん話し合ってください。★


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