地球と人と
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Essay■ 6_206 AIによる初代星の探査 1:初代星
Letter■ 外国人観光客・祝日の連休
Words ■ 成果はでているが、スケジュールが遅れている


(2024.02.22)
 いろいろな分野でAIの導入が進められています。天文学でも導入されていますが、2023年にでた論文では「最初の星」をAIで探したました。その論文を紹介していきましょう。


Essay■ 6_206 AIによる初代星の探査 1:初代星

 「最初の星」をAIで探すという研究が報告されました。まず、「最初の星」とはどんなものがを考えておきましょう。それがわかっていないと、見つけることができません。
 「最初の星」は、「初代星」(first star)とも呼ばれていますが、宇宙ができた直後の星になります。「最初の星」は、宇宙の創成のときに存在した材料だけから作られていきます。ここでいう宇宙の創成とは、「ビックバン」のことです。
 ビックバンで形成された元素は、理論と観測でわかっています。ビッグバンで合成された元素は、水素(H)とヘリウム(He)がほとんどで、あとは少量のリチウム(Li)だけです。つまり、「最初の星」は水素とヘリウムからでできたことになります。
 天文に詳しい人であれば、太陽系の恒星(太陽)も、水素とヘリウムからできていることをご存知だと思います。しかし、太陽の構成元素を詳しくみていくと、水素とヘリウムが多いのですが、リチウムより重い元素がいろいろと見つかっています。重くなるほど量は少ないですが、明らかに太陽には存在してます。この重い元素は、ビックバンのときには存在しなかった元素です。ですから、私たちの太陽は「最初の星」ではありません。
 では、重い元素は、どうしてできるのでしょうか。恒星の中で、水素とヘリウムなどが連鎖的に核融合を起こして、鉄(Fe)までの元素ができていきます。恒星内では鉄までしかできませんが、星が一生を終えるときに起こる超新星爆発で、鉄より重い元素が形成されます。ですから、重い元素は、少なくとひとつの恒星ができて、終焉を迎えていないと形成されません。
 「最初の星」は、重い元素を含まない水素とヘリウムからだけの星だといえます。そのような星を探せばいいのです。しかし、「最初の星」は、現在のところ、どのような観測装置を使っても、まだ見つけることはできていません。小さなものは遠くにある(古い)ので暗くて見えないでしょうし、大きくて明るい星はすでに寿命が尽きているでしょう。
 最初の星がだめなら、第2世代の星を見つけることで、そこから最初の星の特徴を探ろうとしています。その手段にAIを導入したという研究が報告されました。その詳細は、次回以降としましょう。

【註】リチウムより重い元素は、天文学では「金属」と呼ばれるのですが、ここでは重い元素と呼ぶことにします。


Letter■ 外国人観光客・祝日の連休 

・外国人観光客・
今年は2月11日まで、
札幌の雪まつりがありました。
中国の日本への旅行も解禁されていて
春節(2/10から2/17)もあったので
海外からの観光客が多くなりました。
寒い中を長時間歩いて見て回ったら
風邪を引いたことがあり懲りました。
今では、雪まつりはテレビで見るだけです。

・祝日の連休・
2月の祝日は、2回あります。
建国記念日と天皇誕生日です。
11日と23日で日程が近くなっています。
それに今年は、曜日の関係で
両方とも連休となります。
実は札幌で訪れたいところがあります。
出かける日程を連休をずらして、
平日にしました。
このエッセイの発行は
木曜日にしているので、
今日、出かけている予定です。


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