地球と人と
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Essay■ 6_205 知的生命体の起源 3:ベイズ統計
Letter■ 梅雨明け・上水道
Words ■ 夏の暑さが訪れました


(2023.07.27)
 現実の観測や観測からの推測を、統計学からえられた結果は一致しないことがあります。そんな矛盾をどう考えるか。当たり前の結果となるかもしれませんが、条件や要因の整理に役立ってきます。


Essay■ 6_205 知的生命体の起源 3:ベイズ統計

 ハビタブルゾーンの探査は、海の存在を前提としています。観測では陸地は確認できません。生命誕生には海の存在が、技術的知性には陸の存在が不可欠となります。つまり、海と陸の両方が必要になるはずです。海と陸での技術的知性の発生の比率を考えたユニークなアプローチの研究が報告されました。
 2023年3月発行の天体物理雑誌(Astrophysical Journal)にフロリダ工科大学のリンガムさんらの共同研究で、
A Bayesian Analysis of Technological Intelligence in Land and Oceans
(陸と海の技術的知性のベイズ分析)
という報告がでました。
 この論文では、統計的に海と陸での技術的知性の出現の可能性を評価しました。評価に用いたのがベイズ統計(分析)と呼ばれるものでした。ベイズ統計とは、データが不十分であっても、母集団を推定していく方法です。とりあえず、事前確率を随意に決めて、計算してみます。その結果を用いて計算を繰り返しながら母集団を推定していきます。
 陸地を生息地とする技術的知性の出現と海を中心としたものを、ベイズ統計を用いて比較しました。海と陸で技術的知性が発生するための条件が同じという仮定をして計算しました。その結果、陸地での技術的知性が誕生するのは、1000分の1から1万分の1という、非常に低い確率になりました。しかし、これはコペルニクスの原理に反しています。
 現実に合わせるために、条件や要因を検討していく必要があります。
 視覚などの感覚器官と認知能力について比較すると、水中ではさまざまな制限があることが検討されています。また、海での技術的知性の出現率が低いこと、海での技術的知性の継続期間が短いなどの要因も考えられています。これらの条件や要因が、海での技術的知性の誕生の確率を下げていきます。技術的知性の発生の条件や要因を考えたり、整理するのに役立っています。
 しかし、ほんの少しですが、海での技術的知性の誕生する確率もありそうです。海の技術的知性とは、どんな社会、世界でしょうか。それは、確率論でえられた世界を空想することになります。


Letter■ 梅雨明け・上水道 

・梅雨明け・
四国も先週末やっと梅雨明けをしたようです。
湿度が少し下がったような気がします。
一時的かもしれませんが、
湿度が下がったので
夜はエアコンをつけなくて
すむようになったようです。
山里なので、森や川の豊かなところなので
乾燥することはありません。
しっとりとしています。

・上水道・
我が家の上水道は、使用量はいりません。
ただし、浄水槽の清掃費を払っています。
沢水を共同浄水槽にためて
地区の各家に配水しているので、
無料で使うことができます。
夏には、冷たくて美味しく感じます。
友人宅は別の小さな共同浄水槽だそうで
先日、配管のホースで水漏れがあって
その場所を見つけるまで
水が使えなくなったとのことです。
無料なりに苦労もあるようです。


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