地球と人と
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Essay■ 6_200 ターミネーター・ゾーン 2:M型の赤色矮星
Letter■ 近隣の散策を・温水プール
Words ■ サバティカルにも少しずつ日常ができてきました


(2023.04.20)
 多数存在する赤色矮星は、あまり系外惑星の探査の対象にはされていませんでした。この恒星の惑星にあるターミネーター・ゾーンは、安定して存在します。そこには、ハビタブルゾーンができていそうです。


Essay■ 6_200 ターミネーター・ゾーン 2:M型の赤色矮星

 太陽は、G2V型(スペクトル型という分類)というもので、多くの恒星のありふれたものです。そこには、ハビタブルゾーンに惑星(地球)があり、生命がいる天体となっています。しかし、私たちの太陽以外の恒星で、G2V型に限定すると、恒星の数は多くても系外惑星はそれほどは見つかっていません。
 生命誕生の条件はまだ不明ですが、生命が誕生するには、多数の天体で試行錯誤が必要かもしれません。もし多数の天体に生命が存在するのであれば、生命の痕跡(例えば、酸素の多い大気が見つかるなど)が観測できるかもしれません。そこには至っていませんが。もし、少数の天体にしか、生命が誕生していかなければ、見つけることができないかもしれません。
 現在、太陽系近隣の恒星で、通常の恒星(主系列星と呼ばれています)をターゲットにして、探査が進められています。発見されているハビタブルゾーンをもった系外惑星が少ないため、生命誕生の可能性は多くなさそうです。
 生命誕生の条件として、惑星内のどこかに、局所的にでも海が恒常的に存在すればいいと考えていけば、可能性が上がってきます。そのような場として、今までターゲットとしてきたものより、もっとたくさんある恒星であれば、惑星の存在確率も多くなるはずです。問題は、多数存在する恒星の惑星に、ハビタブルゾーンに存在するかどうかです。
 まず、恒星として、主系列星ではないのですが、多数存在する赤色矮星と呼ばれるもの(M型星)があります。太陽よりずっと小さいのですが、数は多くあります。軽くて暗い恒星なのですが、恒星の3/4がこのタイプだと考えられています。
 M型星は暗い恒星なので、惑星でのハビタブルゾーンも恒星に近くなってきます。恒星が暗いため放射も少なく、惑星の表層を擾乱させることもなく、海が安定に存在しやくすくなります。近くを巡る惑星は、潮汐ロックが起こり、自転と公転が一致します。これは地球と月の関係で起こっているもので、月は常に同じ表面を地球の方に向けることになります。そこに「ターミネーター・ゾーン」ができます。
 潮汐ロックされた惑星のターミネーター・ゾーンは、明暗境界線とも呼ばれているのですが、朝と夕方の領域です。潮汐ロックされた惑星では、昼の地表が暑く、夜が寒くても、ターミネーター・ゾーンでは中間的な条件のところができます。ターミネーター・ゾーンは、常に同じ位置に存在し、そこに海ができるハビタブルゾーンとなります。
 M型星の惑星は質量が小さく、暗いので、主系列星よりずっと長寿となります。そのため、長く安定した条件が継続することになり、生命誕生の試行錯誤も長期にわたってできます。恒星の数も多いので、このターミネーター・ゾーンが、生命誕生の可能性として注目されています。
 しかし、M型星のハビタブルゾーンに関しても、問題点はあります。その内容は、次回としましょう。


Letter■ 近隣の散策を・温水プール 

・近隣の散策を・
サバティカルの生活も
だんだんと落ち着いてきました。
火曜日と金曜日に、半日、
近隣を散策するようにしています。
近隣地域は、以前に一通り巡っていますが、
家内ははじめてです。
観光や買い物などを兼ねて
あちこちを周っています。
再訪すれば、それなりに知らないこと、
新しいことも見つかります。

・温水プール・
これまで通勤で、往復7kmを歩くだけが
運動だったので筋肉が衰えてきました。
野外調査をしていると
体幹や足腰の衰えを度々感じています。
サバティカルを機会にして、
町内にある温水プールに、
夕方、家内と一緒に通うことにしました。
最初は、少ししか泳げなかったのですが
少しずつ泳ぐ距離も伸ばしています。
そのせいか、夜もすぐに眠りにつけます。
この生活サイクルと続けていければと考えています。


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