地球と人と
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Essay■ 6_199 ターミネーター・ゾーン 1:ハビタブルゾーン
Letter■ 研究のルーティン・生活のルーティン
Words ■ サバティカルにて、新しい生活、研究がスタートしました


(2023.04.13)
 地球外生命が存在する可能性を考えるとき、稀な天体から探すより、多数の候補から探したほうが、見つかる可能性があるはずです。そんな可能性として、ターミネーター・ゾーンと呼ばれるものがあります。


Essay■ 6_199 ターミネーター・ゾーン 1:ハビタブルゾーン

 地球外生命については、このエッセイでも、何度か取り上げてきた話題となります。今のところ、地球以外の天体で、生命の存在は確認されていません。ここでいう生命とは、炭素を主体とした有機物からなる地球型です。また、生物と認定でき、さらに検出できるものでなければなりません。もしかすると、地球型生命でないものや、有機物を用いない生命、炭素型でない生命がいても、観測していたとしても、生命とは認識できていないかもしれません。認識でない生命に関して議論してもしかたがないので、私たちがよく知っている生命を考えていきましょう。
 地球外生命を探すときは、遠くの天体が対象になるので、ハビタブルゾーン(Habitable zone)という条件を考えていきます。ハビタブルゾーンとは、地球型生命が生存できる領域に、天体があるかどうかを調べるためのものです。生命居住可能領域とも呼ばれています。
 その条件とは、惑星の表層に液体の水が安定して存在できるかどうかです。表層温度が0℃以上から100℃以下になっている条件のことです。恒星の明るさ(放射量)と惑星の軌道半径(恒星からの距離)によって、一義的に決まってきます。まずは、そこに惑星が存在するかどうかです。
 ハビタブルゾーンにあったとしても、液体の水(海)が存在するためには、惑星に大気が必要です。ただし、巨大ガス惑星になると、表層は水素やヘリウムの大気になり、液体の水が存在できそうにありません。そのため、固体表面をもった小型の岩石惑星(地球型惑星)で薄い大気をもったものでなければなりません。
 太陽系では、地球だけが、その条件を満たしています。過去には、火星も条件を満たしていて海が存在していたのですが、大気が少なくなり、現在では液体の海は消えています。
 太陽系以外で、多数の惑星の発見されきました。系外惑星と呼ばれています。当初は、大きなガス惑星だけが発見されてきましたが、最近では地球型惑星も発見されてきました。その中には、ハビタブルゾーンになりそうな地球型惑星を見つかってきました。しかし、数は多くありません。これでは、生命がいたとしても、見つけることが困難になります。
 生命存在領域が、もっと多くならないでしょうか。そんな可能性として、ターミネーター・ゾーン(Terminator zone 明暗境界線と訳されています)が考えられるようになってきました。次回としましょう。


Letter■ 研究のルーティン・生活のルーティン 

・研究のルーティン・
サバティカルに来て10日ほど過ぎました。
住む環境が変わったので、
一日の過ごし方としてのルーティンがまだできません。
しかし、心身ともに健全な生活ができつつあります。
また仕事のための環境も、
施設や執務室は整えてもらったのですが
インターネットやパソコンやその周辺設備も
整えるに時間がかかりました。
ハードディスクの電源を間違って持ってきたり、
SDカードリーダが足りなかったり、
パソコンが変わったので、
アプリケーションを入れ直したりと
いろいろセットアップに時間がかかりました。
しかし、少しずつルーティンも整ってきました。

・生活のルーティン・
北海道にいるときよりは通勤距離が短く
30分ほどで付きます。
遅めに出ても、6時過ぎには研究をはじめています。
基本的に土・日曜日も、毎日執務室で仕事をしています。
近隣への観光やイベント、大きな街に買い物など
家内と週に2、3度、出かけるようにしています。
それは平日の昼前後からになります。
曜日ごとに、ルーティンを組んでいきたいのですが、
まだできていません。
家内も新しい環境での生活なので、
いろいろと戸惑っていますが
少しずつ慣れていくしかありません。
半年間、英気を養いながら
研究を深めていこうと考えています。


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