地球と人と
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Essay■ 6_190 多様な系外惑星 1:すばる望遠鏡
Letter■ 最後の野外調査・冬タイヤ
Words ■ 冬支度が必要になってきました


(2022.10.20)
 系外惑星は恒常的に発見が続いています。珍しい系外惑星が発見されると、その都度、話題になりますが、なかなか市民に聞こえてきません。今回は、できたての惑星の発見について紹介します。


Essay■ 6_190 多様な系外惑星 1:すばる望遠鏡

 太陽系には惑星が多数あります。惑星は光らないので太陽系内でも遠くの惑星、例えば海王星や準惑星になった冥王星などを、見つけるのが困難です。まして、他の恒星の惑星系を探査するのは、非常に困難であることは想像できるでしょう。
 遠くの惑星を見つける方法としては、恒星の前を惑星が横切る時の明るさの変化、あるいは惑星によって恒星の自転の乱れを観測する、などで発見します。詳細な観測で、存在だけでなく、惑星の大きさや軌道などを知る方法も開発されました。この方法については、別のエッセイですでに紹介しています。
 このような観測方法と観測装置の発展で、太陽系以外の惑星(系外惑星と略されます)が、多数発見されるようになってきました。系外惑星探査専用の人工衛星もあり、多様な系外惑星が発見されてきました。いくつか紹介してきましたが、最近発見された系外惑星で、変わったものを紹介していきます。の共同研究が、イギリスの「Monthly Notices of the Royal Astronomical Society(王立天文学会月報)」に、2021年10月に掲載されたものをまずは紹介していきます。
Zodiacal Exoplanets in Time (ZEIT) XII: A Directly-Imaged Planetary-Mass Companion to a Young Taurus M Dwarf Star
(Time (ZEIT) XIIの黄道上の系外惑星:直接撮影された若いおうし座M矮星に伴う惑星)
 上で述べたように、間接的に惑星の存在や特徴を調べることが主な方法なのですが、今回は直接観測で見つかりました。すばる望遠鏡で、赤外線(近赤外線分光撮像装置 IRCS)と大気の乱れを補正する装置(補償光学装置 AO188)を用いて観測されました。しかし、観測は2018年からはじめられて、3年かけてやっと撮影することができました。非常に苦労して観測されたものです。
 この系外惑星の特別な点は、直接撮影できたこと以外にも、産まれたばかりの惑星であること、恒星から離れた位置で見つかったことなど、いろいろ珍しいことがわかってきました。次回以降で、紹介していきましょう。


Letter■ 最後の野外調査・冬タイヤ 

・最後の野外調査・
先週末に野外調査にでかけました。
今回は一番重要な目的の山頂の調査では、
予定していた日より前日のほうが
天気が良さそうなので、
急遽予定を変えて、初日に登りました。
穏やかな日で、山頂は風もなく暖かい日で
のんびりと火口周辺の山道を歩いて調査できました。
翌日は、夜に雨が降り、朝にも雲のあったので
際どい選択が成功しました。
盛りだくさんの一日になったので、少々疲れましたが。
初日は紅葉がまだらでしたが、
4日後、戻るときは紅葉が一気に進んでいました。
秋が深まりつつあります。

・冬タイヤ・
研究費も終わりになるので、
今シーズン最後の野外調査になります。
しかし、まだ、校務での出張はあるので、
出かけることになります。
そのついでに、地質を見ることができるかもしれません。
各地で初雪も降っています。
車もそろそろ冬タイヤにしなければなりませんが。


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