地球と人と
表紙に戻る

Essay■ 6_183 地球外生命 1:ハビタブルゾーン
Letter■ 緊急事態宣言が発令・自粛期間の日常
Words ■ またしばらく自粛の生活が続きます


(2021.05.20)
 ここ数年、太陽系外惑星に関する新しい発見が続き、地球外生命の新たな議論もでてきています。地球外生命に関するいくつかの報告を、まとめて紹介していきましょう。


Essay■ 6_183 地球外生命 1:ハビタブルゾーン

 今回から、地球外生命の探査に関する話題に変わります。地球外生命を探す時、地球と似た惑星を探すことになります。太陽系以外の恒星系の惑星で、惑星の公転軌道や天体サイズ、恒星の種類から、惑星表面に生命誕生の条件がありそうかどうかを、推定していくことになります。
 生命誕生の条件とは、液体の水が存在できるかどうかに注目されます。水が存在する条件を満たす惑星の軌道範囲を、「ハビタブルゾーン」と呼びます。太陽系では、まずは地球の両隣のある惑星で、「ハビタブルゾーン」にある火星、ついで地球に似た金星が、探査の対象になるでしょう。
 太陽系の火星と金星以外の天体では、生命の存在の可能性がないでしょうか。地球内でも深海の熱水孔、温泉地帯、地下深部の水脈、氷の中など、想像もできなかったところからも、生物が発見されています。ですから、生命が存在できそうな条件を、可能な限り広げていく必要があるようです。
 その時、重要になるのは、やはり液体の水が存在するかどうかです。木星や土星の氷衛星の内部には、地下海が存在する可能性があることもわかってきました。そこにも生命誕生の条件があるかもしれません。
 太陽系系外の惑星で、水あるいは海の存在を検出することは、まだできません。まずは、系外惑星が、その恒星系内の「ハビタブルゾーン」を推定して、そこにあるかどうかを検討することになります。
 「ハビタブルゾーン」内の惑星で、さらに生命誕生の条件を絞るために、水が恒常的に、少なくとも数億年は継続して存在しないと、生命の誕生の可能性は低くなりそうです。水が継続的に存在するという条件を課する必要があります。さらに、生命が誕生した後、継続的に生存し、環境変化に対処できるように進化していくためには、数億年では時間が足りそうにありません。少なくとも10億年以上は、水が安定的に存在している必要がありそうです。そのような条件を、「ゴルディロックスゾーン」と呼んでいます。
 一般に「ゴルディロックスゾーン」は、「ハビタブルゾーン」の中ので限定されたところに存在します。しかし、太陽系のように「ハビタブルゾーン」に入っていない天体、例えば、木星や土星の衛星などにも、「ゴルディロックスゾーン」がありました。系外惑星で、詳細な惑星の状態がわかるようなら、ハビタブルゾーンに存在しない惑星であっても、「ゴルディロックスゾーン」が存在する可能性があります。
 系外惑星でも、太陽系に近い位置にある恒星系では、惑星のより詳細な情報がわかっているため、その検討が可能になります。そのような報告が、地球をモデルにして検討されています。紹介は次回としましょう。


Letter■ 緊急事態宣言が発令・自粛期間の日常 

・緊急事態宣言が発令・
16日から、北海道に緊急事態宣言が発令さました。
また特別区として、わが町も入りました。
その結果、大学も危機管理レベルが上がり、
校内への入構制限がかかり、
すべての授業が遠隔に切り替え、
教職員は自宅でのリモート勤務となりました。
教員は、遠隔授業のために入構が可能となっています。
この状態が1ヶ月続くことが先週末に決定しました。
レベルが上がるかもしれないので
準備をするようにとの通達が事前にありましたが
やはり実施されると戸惑います。
半分以上は遠隔授業でしたが、
ゼミナールや演習系の授業は対面でおこなっていました。
どう切り替えるか悩ましいところです。

・自粛期間の日常・
私は、自宅と大学の行き来は徒歩で、
出勤も退勤も隣の大学の校内を歩いての通勤なので
人と三密になることありません。
時間帯が通常の勤務とは異なっているので、
人通りが少ないところを歩いています。
大学でも、弁当持ちで研究室で仕事をするので、
トイレにいくぐらいで、他の人の接触もありません。
前回の緊急事態のときと同様、
今回も自宅と大学の往復だけで過ごすことなりそうです。


表紙に戻る