地球と人と
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Essay■ 6_171 宇宙の元素 3:モデルから
Letter■ センター試験・ハッピーマンデイ
Words ■ 決してハッピーでない人もかなりいると思います


(2020.01.16)
 宇宙の年齢を、モデルから求める方法があります。それはかなり精度が上がっており、現状ではもっとも信頼性のある方法になっているようです。現状の138億年前という値が、かなり高精度で、あまり変動はなさそうです。


Essay■ 6_171 宇宙の元素 3:モデルから

 このシリーズの前半は、宇宙の年齢について見ています。今回は、宇宙誕生のモデルからの推定です。宇宙の晴れ上がりの時のゆらぎは、観測されます。ゆらぎは、当時の物質がどのように分布していたのかを反映しています。観測値のゆらぎを再現できるようなモデルを考えていきます。
 現在、モデルの中でもっとも多くの人が用いているものは、ΛCDMモデルと呼ばれています。そのモデルから、宇宙の年齢を推定することができます。
 2009年に打ち上げられたプランク衛星は、さらに高精度の観測をおこないました。その結果、宇宙は平坦で膨張は永遠に続きそうなこと、宇宙の質量のうち見える物質は4%、ダークマターは23%、不明の真空エネルギーは73%、最初の恒星が2億年後、などが明らかになりました。そして、2016年現在、ハッブル定数は、73.24±1.74km/s/Mpcとなり、宇宙の年齢は137.98±0.037億年となりました。
 今後、ハッブル定数は、その精度が上がっていくことと思います。しかし、今後の研究目的は、宇宙の年齢の精度を上げることが主になることはないでしょう。ΛCDMモデルのより精度の高い検証と修正、あるいはΛCDMよりすぐれたモデルの導出ということになるのだろうと思います。
 その付加的成果として、宇宙の年齢の精度が上がっていくことはあるのでしょう。しかし、これまでの年代値の変動をみていると、宇宙の年齢の138億年が、139億年や136億年に変わることはなさそうです。
 さてここまでがこのシリーズの前半となります。いよいよ本題となる宇宙の元素についてです。
 2019年12月に、東京大学の藤本征史さん(現在コペンハーゲン大学)たちの研究グループが、、古い銀河の観測をしました。チリのアタカマ砂漠にある「アルマ望遠鏡」を使ってのことです。銀河の年代は、130億年前のものでした。宇宙誕生の初期に形成された銀河です。
 最も古い銀河は、2015年に報告されたEGS-zs8-1で、131億年前ものでした。ハワイのケックI望遠鏡を用いて発見されました。ですから、今回観測された銀河は、最古のものではありません。しかし、宇宙ができて8億年くらいしかたっていませんが、同時期の銀河を複数観測したとことろ、共通する不思議な特徴を見出しました。これらの銀河の半径3万光年ほどの領域で、炭素のガスが分布していることが明らかになりました。銀河を覆ってって炭素ガスがありました。
 初期の銀河を覆う炭素ガスの意味するところはなんでしょうか。次回にしましょう。


Letter■ センター試験・ハッピーマンデイ 

・センター試験・
大学は、いよいよセンター試験を週末に迎えます。
現在の形式でのセンター試験は今回が最後になります。
今年度の受験生は、大変です。
次年度の試験の形式がどうなるかがはっきしりないからです。
もし浪人でもすることになったら、
どうなるかがわかっていません。
国のレベルで、二転三転しているので
状況もよくわかっていません。
次年度の受験生、とくに高校2年生は、
非常に困惑していることでしょう。
保護者の方々も困惑しているはずです。
大学で実施する側も、どうなるか気になります。
なにもかも未確定の部分が多すぎますね。

・ハッピーマンデイ・
大学の講義が、いよいよ終盤を迎えています。
曜日によっては、今週で終わる講義もあります。
多くは来週が最終になりますが、
毎回ですが、月曜日の処理が困っています。
大学の講義は、曜日進行なので、
ハッピーマンデイの祝日で月曜日が休みになることが
4日増えることになります。
決してハッピーではないです。
同じような苦労している業界もあるのでしょうね。
私は、講義期間は、休みなく実施したらと思うのですが、
それでは、休日祝日の意味がないといわれます。


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