地球と人と
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Essay■ 6_161 月の探査 2:嫦娥計画
Letter■ 論文執筆・調査計画
Words ■ 計画には変更がつきものだ


(2019.05.30)
 中国は有人宇宙飛行だけでなく、月の探査も進めています。その成果も着々と上がっています。月の着陸船での探査は久しぶりになります。しかし中国はもっと深淵な計画を持っているようです。


Essay■ 6_161 月の探査 2:嫦娥計画

 今年の1月に中国の探査機が月の裏側に着陸したというニュースが流れました。その探査機は、嫦娥(じょうが)4号という名前でした。4号ということは、1号から3号までが先行してあるはずですし、もしかすると、5号以降もありそうです。そんな中国の月田探査計画を見ていきましょう。
 嫦娥とは、昔の中国の神話に登場する人物で月に関係するものだそうです。嫦娥は、月を目指す探査機で、探査計画、着陸計画、滞在計画に分かれて順次進行しています。
 嫦娥1号と2号は、探査計画に当たり、すでてに成功しています。嫦娥1号では、月の周回軌道を1年かけてめぐり、月の全体の3次元地形(標高データが加わったもの)や表層の元素分析などの科学調査をしています。嫦娥2号では、低高度(100km)で、より高精細の地形(10mメッシュ)で探査しています。これらの調査結果は次の着陸計画に活かされていきます。
 嫦娥3号と4号が着陸計画で、探査機が月に着陸しました。嫦娥3号は、月への着陸船(ランダー)と探査車(ローバー)が搭載されていました。2013年12月には着陸に成功していました。ランダーは、夜にも活動しなければならないので、原子力電池(プルトニウムの崩壊熱を利用)を搭載していました。いくつかの観測装置を搭載していますが、天体望遠鏡がはじめて月に持っていかれてことで注目されました。観測のデータの一部は公開されています。調査は順調に進んでいるようです。一方、ローバーは、太陽電池を動力として移動しながら土壌分析などをする予定でいました。しかし、ほとんど探査することなく不調に陥ったようです。
 嫦娥4号は2018年12月に打ち上げられ、2019年1月に着陸しました。やはり、ランダーとローバーを搭載していました。嫦娥4号の成果は、月の裏側に着陸したことでした。月の裏側の着陸は、人類史上はじめてのことでした。裏面の地形などは、日本も含めていろいろな国の周回衛星で観測はされていましたが、着陸は初めてでした。それは裏側の探査では、探査機とデータのやり取りをすることが不可能です。地球から見ると常に裏側なので通信できないからです。単独の探査機では地球との通信が直接できないため、中継システムが必要になります。中国は、鵲橋(じゃっきょう)という衛星を、地球ー月ラグランジュ点(L2)に中継衛星として置いていました。
 次の嫦娥5号は、まだ計画段階ですが、サンプルリターンを考えているようです。当初の計画からは遅れていますが、やがて次の滞在計画になるのでしょう。中国は、神舟で有人飛行にすでに成功しています。宇宙ステーションも準備しています。中国は月に人を送り込み、滞在することを目指しています。
 嫦娥4号の成果については、次回としましょう。


Letter■ 論文執筆・調査計画 

・論文執筆・
現在、論文を書いています。
当然全体的な、私自身の研究のライフワークと
年次計画を持っています。
そのため、論文ごとに、
研究計画に基づいて書いてくことになります。
私はいろいろな書き方をしているのですが、
当初書いく方針はあったのですが
なかなかまとまらないので
とりあえず書ける前半から書き始めていきました。
それが結構な量になってきたので、
後半の重要となる目標の部分は、
半分くらいにして、
別の論文にしなければならないみたいです。
こんなことはよくあることなので、
まあ、少しずつ進むことが重要だと思っています。

・調査計画・
ゴールデンウィークには私用での旅行をしました。
それ以降は、今年の調査計画に基づいて
野外調査を休日にすすめています。
まずは道北、続いて道東と道央になります。
道央は露出があまりよくないので、
短期を2回ほどを考えています。
道東は時間が必要なので、今回は1回だけの予察です。
道東は行ったことないところも
何箇所か含まれていますので楽しみですが、
でもいい露頭を見つけられるかどうかが重要なのですが。



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