地球と人と
表紙に戻る

Essay■ 6_159 ニュー・ホライズンズ 2:ウルティマ・トゥーレ
Letter■ 短い冬休み・お蔵入り
Words ■ 正月気分はぬけましたか?


(2019.01.10)
 前回、紹介するとしていたのニュースが流れました。ニュー・ホライズンズが最接近したウルティマ・トゥーレ画像が公開されました。その異様な姿が明らかになりました。


Essay■ 6_159 ニュー・ホライズンズ 2:ウルティマ・トゥーレ

 ニュー・ホライズンズは、ウルティマ・トゥーレ(Ultima Thule)に約3500kmまで接近しフライバイをしました。時速5万km以上のスピードで通過しました。ウルティマ・トゥーレは、冥王星の軌道から7億kmほど外側にあり、太陽から距離は65億kmほど離れています。人類が観測した太陽系内でもっとも遠くにある天体となりました。冥王星は、エッジワース・カイパーベルトの一員となりましたので、このウルティマ・トゥーレは2番目の観測となります。
 天体の話では、示される数値が、日常とはかけ離れたものばかりです。3500kmを最接近といっていますが、日常感覚からはすごく遠くに感じます。2015年7月に接近して観察した冥王星から16億kmほども離れたところにあるので、sの距離と比べれば3500kmは接近といえるでしょう。
 最接近の間に900枚ほどの画像を撮影するそうです。ただし、遠くなので画像を送信してから受け取るまで、10時間ほどかかります。また、現在衛星は、太陽と同じ方向になったので、画像転送は一時中止され、10日から再開されるそうです。今回の探査の観測データをすべて送信するには、20ヶ月ほどかかるという気の長い話になります。
 ウルティマ・トゥーレの画像をみると、15時間ほどの周期で自転していて、雪だるまのような形をしています。2つの丸い天体がくっついた形になっています。岩石と氷からできていて、表面はが赤っぽく、茶色のまだら模様があるようです。日本の「はやぶさ」が到達した、小惑星の「イトカワ」もラッコのような形をしていましたが、この天体も歪でした。2つの天体がゆっくりと合体してできたようで、小さい玉の直径が14km、大きいほうが19kmほどです。
 赤い色は、冥王星の衛星カロンも似た色をしてました。多分、ソリンという窒素とメタンからできている炭素化合物で、太陽から飛んできたイオン粒子によって形成されたと考えられています。
 ウルティマ・トゥーレの姿は、ひとつひとつの特徴は、既知の天体でもみられたものです。しかし、観測データが届いて解析されいくと、新しいことが次々とわかってくでしょう。期待したいと思います。新年からいいニュースを聞けました。


Letter■ 短い冬休み・お蔵入りと 

・短い冬休み・
大学の後期の授業が、今週から再開しました。
学生にとっては、短い冬休みでした。
1月の講義は変則的なスケジュールとなります。
曜日によって講義回数が異なるので
それを調整するために、
別の曜日に割り振られることがあります。
スケジュールを確認しておかないと
間違ってしまうと大変です。

・お蔵入り・
以前にも書いたのですが、
このエッセイでは、最新情報を広く取り入れるために、
自分にも役立てようと考えてもいます。
最新のニュースや論文などをとりあえず入手し読むためです。
後回しになることを防ぐためにもなっています。
でも、ついつい後回しになってしまう
お蔵入りした論文も多数あります。
そんな論文を年末年始にかけて整理していきました。
それらは、今の自分にとっては
重要な論文ではなかったと思うことにしています。


表紙に戻る