地球と人と
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Essay■ 6_147 5回目の重力波 1:まずは4度目から
Letter■ 予防接種・本の執筆中
Words ■ 執筆に追われています


(2017.11.30)
 重力波の観測については、これまで何度か紹介してきました。11月に、また重力波の観測がおこなわれました。5度目の観測となります。これまで3つの現象を紹介しました。今回は、まず4回目の現象から紹介していきましょう。


Essay■ 6_147 5回目の重力波 1:まずは4度目から

 2017年のノーベル物理学賞は、LIGOと呼ばれる装置によって「重力波の発見」をした研究者3名に与えられました。「発見」の報告は、2016年にされました。その論文発表の翌年にノーベル賞が与えられたのですが、こんな短期間で与えられるのは稀なことです。
 重力波の理論は、アインシュタインが1916年にすでに示していたもので、あとはそれが実証されるかどうかが問題でした。まあ、観測できればノーベル賞確実だったようです。その観測がされたので、業績は明らかだったので、こんなに短期間に受賞が発表されたのでしょう。
 重力波は、2015年9月に最初に観測され、2016年11月に2度目が、2017年1月に3度目の観測がなされました。非常に稀な現象だと考えられていたのですが、こんなに頻繁に観測されることに、多くの研究者は驚きました。
 そして2017年8月に4度目の観測がなされました。この観測の重要な点は、イタリアに設置されている欧州重力波観測所の重力波検出器「Advanced Virgo」と同じ重力波を同時に検出した点です。
 重力波の発生は、エリダヌス座の方向で約18億光年離れたところで起こりました。領域がかなり限定されたました。もし、LIGOだけの観測なら、現象が起こったエリアは、もっと広いものでした。それが別の地域での観測データがあったので、位置の精度が上がったのです。
 では、4度目の重力波は、どんな現象に由来するものでしょうか。それまで3度観測された同じ現象による重力波でした。太陽質量の31倍と25倍のブラックホール同士の合体現象で発生したものでした。合体の結果、太陽質量の53倍のブラックホールになりました。その時に、太陽3個分の質量がエネルギーとなり、重力波を発生しました。
 違った装置での観測の成功が、LIGOの観測の正当性を示すことになりました。これがノーベル賞受賞の重要な決め手となった考えられています。
 そして、4回目の検出からわずか3日後、2017年8月17日に5回目の重力波が検出されました。それは、次回としましょう。


Letter■ 予防接種・本の執筆中 

・予防接種・
11月も終わり、北海道では何度も寒波に襲われました。
ひどいアイスバーン状態もありました。
11月だというのに厳冬期の寒さです。
服装も厳冬期仕様になってきました。
今年の冬は早く厳しいようで、
寒くなるとインフルエンザが心配になります。
なのにインフルエンザの予防接種が
私は、まだできていません。
学生のためでもあるのですが。
もちろん自分のためでもあります。
12月上旬になんとか接種ができればいいのですが。

・本の執筆中・
現在、本の執筆中です。
11月末が本当の締め切りですが、
いろいろ調整して1週間ほど、
締め切りを伸ばしてもらいました。
ここ数週間、執筆に最大の時間と精力を
つぎ込んでいるのですが、まだ終わりません。
他の仕事もしなければなりません。
優先順を付けて進めるしかありません。
校務もかなり滞っています。
非常につらい時期を過ごしています。
あと少し頑張りつづけなければなりません。


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