地球と人と
表紙に戻る

Essay■ 6_116 ボイジャー 2:磁気ハイウェイ
Letter■ 秋・腰痛
Words ■ 秋めいてきましたが、大学は夏休みです。が、休みがとれない


(2013.09.03)
 ボイジャー1号は、現在磁気ハイウェイを通過中です。しかし、この磁気ハイウェイはどれくらいの広さあるのかは、わかっていません。なぜなら、今回、ボイジャー1号が、はじめて発見したものだからです。


Essay■ 6_116 ボイジャー 2:磁気ハイウェイ

 前回、ボイジャーの経歴を概観し、そのタフさを紹介しました。そのタフさが功を奏して、重要なデータを送ってきました。それがニュースとして、12月に報道され、6月にサイエンス誌のその研究成果が、3つの論文として報告されました。
 ボイジャー1号が、186億kmの彼方から送ってきたデータは、太陽圏の端に関するデータでした。太陽圏とは、太陽の影響を受ける範囲のことで、影響の対象を何にするかによって、範囲がかわってきます。現在、太陽の影響として、3つのものが考えられています。太陽から放出される荷電粒子と磁場、さらに宇宙から(起源は不明)の宇宙線です。
 今回の報告は、太陽からの荷電粒子の減少と、宇宙線の量が増えたという観測データが得られました。太陽から放出された荷電粒子が届く範囲を越えて、宇宙線の届く星間空間に出たことになります。荷電粒子を太陽からの物質としてとらえると、太陽の勢力が及ぶ範囲を抜け出たことを意味します。人類が作ったもので、はじめて太陽系を離れといえます。
 ただし、磁場の変化は、まだ見られません。太陽は強い磁場をもっています。その磁場の及ぶ範囲は、磁界が揃っています。もし、太陽からの磁場の範囲を抜けると、磁界の向きに変化が起こると考えられています。その変化はまだ観測されていません。磁場は、太陽の影響や環境を意味します。ですから、現在ボイジャー1号がいるところは、磁場は太陽から影響下にあることになります。
 太陽から磁場の影響下にあるのですが、太陽からの荷電粒子がなくなり、強力な宇宙線が飛び交うところにいます。このようなところを、「磁気ハイウェイ」と呼ばれています。太陽の磁場の影響はあるのですが、急激にスピードの早い粒子がばらばらの方向に飛び交うところという意味です。
 「磁気ハイウェイ」を抜けると、そこは太陽の影響の及ばない、星間空間となります。「磁気ハイウェイ」はどれくらいの範囲に及ぶのかは、まだ不明です。つまり、ボイジャー1号がいつ太陽圏を脱するのかも、まだわからないということです。
 「磁気ハイウェイ」は、今回新しくわかったもので、今までこのようなところが存在するということは、予想されていませんでした。今考えると、太陽からの荷電粒子と磁気が、同じところで消えることはないはずです。ずれているとすれば、どちらか一方の影響のない状態が出現することは、容易に想像できます。後付けの考えですが。
 太陽圏を抜けだしたときには、太陽以外の恒星から荷電粒子や星間物質、あるいは磁場が観測される可能性があります。そうなれば、光や電波などの電磁波以外で、はじめての他の天体の存在を「見る」ことになります。それは、どんな天体でしょう。
 科学はすべてを明らかにしているわけではありません。ですから、ボイジャーのように先入観のない、地道な観測によって、新しい発見があるということは、なかなか教訓的でいいのではないでしょうか。


Letter■ 秋・腰痛 

・秋・
北海道は9月になって、
一気に秋めいてきました。
まだ、動くと汗をかきますが、
じっとしている分には
涼しくなってきました。
紅葉にはまだ少し早いですが、
今年の夏の暑さを考えると
一息ついた感じがします。
でも、北海道の秋は短いので、
すぐに冬が来ると思うと、
秋の寂しさもひとしおです。

・腰痛・
このところ週末の出張が続きます。
校務自体はそれほど長い時間を
要するものではないのですが、
何分北海道は広いので、
移動に時間がかかります。
そのため、前泊して校務に備えることになります。
また帰るのも行きと同じ時間が必要です。
先日の釧路への移動は
行きのJRで、腰が痛くなります。
帯広での校務をして1泊で
移動は貸し切りバスなので
1時間ほどの休憩をとってくれるので
腰の痛みは悪化しなかったので助かりました。
運動不足とともに、年齢による衰えものあるでしょう。
移動が苦になってきました。
今週末は青森です。


表紙に戻る