地球と人と
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Essay■ 6_75 可採年数:エネルギー問題2
Letter■ 寒波・通信費
Words ■ 遠くない未来の危機が見えますか


(2010.02.04)
  エネルギー問題は、将来、化石燃料がなくなるという予測から発生しています。その予測値は、現状まま進めばという但し書きがつきますが、単純な計算で導かれるため、説得力があります。危機が身近に迫っているのに、見て見ぬ振りをしているかのように、多くの人は同じ生活を営んでいます。


Essay■ 6_75 可採年数:エネルギー問題2

 化石燃料は、前回述べたように、「化石」の定義の点で、少々問題がありそうですが、広く使われています。古い時代の生物を起源としてエネルギーとして現在利用されているものを化石燃料と呼ばれています。
  実際に使われているものは、石炭、石油、天然ガスです。海底で見つかるメタンハイドレイトが、最近、注目されています。しかし、メタンハイドレイトは、石油や天然ガスと同様に、無機的な起源だと考える研究者もいます。ここでは、化石燃料は、成因が生物起源と確定されていないものも含む、広義なものとしましょう。
  さて、化石燃料で一番の問題は、その持続時間がどれほどあるかです。エネルギーの使用可能期間、または持続時間を計算するのは、簡単です。予想されている総埋蔵量、あるいは正確を記すなら採掘可能な埋蔵量(確認可採埋蔵量)を、年間使用量で割ると、あと何年使用可能か(可採年数)が計算できます。単純な割り算をするだけです。
  ただし、この可採年数には、「現状では」という但し書きをつけなければなりません。それは、総埋蔵量も確認可採埋蔵量も変動するからです。
  変動の理由は、いくつかの要因があります。科学技術と経済の要因があります。探鉱技術の進歩によって、新しい鉱床の発見があれば、埋蔵量は増えます。また、採掘技術の向上によっても、今まで採掘できなかったところも採掘可能になることもあります。今までコスト高で採算がとれなかった品位や地域(輸送コストなど)の鉱床が、価格が上がれば、採掘可能となる経済原理に基づく要因があります。ですから、技術の進歩や経済状況が変化すれば、埋蔵量は変化するということが起こります。年間使用量も、経済状況や省エネの装置の導入が世界的に進めば変動します。
  以下に、「現状では」という但し書きつきでデータを示します。ウランも参考のために載せておきましょう。
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     年間使用量  確認可採埋蔵量 可採年数
石炭   51.3億トン   9845億トン   192
天然ガス 2.62兆m3   175.78兆m3    67.1
石油   280億バレル  11477億バレル  41
ウラン  5.40万トン    459万トン   85
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  いかがでしょうか。この数字をみると、危機感を覚えるのではないでしょうか。数字は、将来も変動するでしょう。でも、おおよその値として考えればいいわけです。一桁ずれることはないにしても、40年が、30年や80年になることはあるでしょう。早ければ私たちの代、遅くても子供や孫の世代には、エネルギー危機がくることは確実です。その危機を如何に回避するかがエネルギー問題の本質でしょう。
  危機感を煽るつもりはありませんし、ここで示した数字は、「現状どおり進めば」という但し書きつきです。本当に、石油がなくなってくれば、省エネの技術も進むでしょうし、石油が高くなれば個々の家庭で節約への心がけも強くなるでしょう。
  やがてくる、エネルギー危機を、私たちは子孫のために、どのように迎えればいいのでしょうか。その危機が多くの人に身近に迫っているのに、見て見ぬ振りをしているかのように、同じ生活が営まれています。皆で真剣に考えなければならない時期が差し迫っています。手遅れにならなければいいのですが。


Letter■ 寒波・通信費 

・寒波・
昨日北海道は強い寒波に見舞われました。
昼間も氷点下の真冬日です。
今冬一番の冷え込みだそうです。
1月は暖かい日が多かったので、
一気に冷え込むと寒さもより強く感じます。
私は、朝6時前後に、自宅を出るのですが、
寒波が来ることを知らずに、昨日も出ました。
「今日はいつもになく、冷え込むな」
と思って歩いていました。
しかし、風はなかったので、
しばらく歩いていると体が温まってきて
いつものように大学にたどり着きました。
室内は暖房が効いているので
寒さを感じることはありませんが、
外に出ると凛とした寒さです。
そんな中、大学では定期試験が行われています。

・通信費・
皆さんの通信費は
月々どれくらいかかっているのでしょうか。
通信費といえば、
以前は電話代と少しの切手代くらいでした。
ところが現在では、
切手代はほとんどいらなくなりましたが、
一人に一台となるほどの携帯電話と、
インターネットの通信費などが
その主流を占めているのではないでしょうか。
以前にはなかった便利さを得たのですが、
その分、通信費がかかるようになりました。
我が家の通信費を見直してみると、
ほとんど通信費を
無駄に払っていることに気づきました。
なぜなら、我が家では
無料の家族間通信が大部分だからです。
それを見直して、一気に数千円も
安くなるような内容に変えることにしました。
先日、申し込んだのですが、
乗り換えの人も多く、
順番待ちの状態です。
でも、1月もすれば、我が家の通信費の負担が
だいぶ減ることになるでしょう。


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