地球と人と
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Essay■ 6_47 宇宙人4:フェルミのパラドクス
Letter■ 動物園仮説・元気が一番
Words ■ 元気がいい病人というパラドクス


(2006.06.15)
 ETIがいるか、いないかを考えるときに、重要な条件を考えていきます。すると不思議なことに、矛盾が発生します。


■Essay 6_47 宇宙人4:フェルミのパラドクス 

 ETI(地球外知的生命体)の乗物のことを、UFOと呼んでいます。しかし、UFOとは、Unidentified Flying Objectの略で、もともとの意味は「航空管制上、飛行体が認識、同定されていないもの」ということです。UFOのなかには、気象現象、風船やタコ、ビニールごみなどを誤認したものなどを、たくさん含んでいるはずです。しかし、それが何かがわかるまでは、UFOでありつづけるわけです。ですから、UFOは、ざらにあるものなのです。
 もちろんその中には、地球外からきたEITの乗物も含まれるかもしれませんが、今のところ本物となされているものはありません。UFOをETIの乗物としていますが、もしそれが認識されたとすれば、もはやUFOではなくなります。現在非常に混乱した使用がなされていることになります。ですから、UFOという用語はここでは使わないことにしましょう。
 ETIについて考えるとき、重要な条件があります。ハートが1975年に考えたもので、Fact Aというものです。Factとは「事実」という意味です。Aとは「ABCのA」ですから、日本語でいうと「いろはのい」という意味です。Fact Aとは、前提とする事実が「ETIが地球に飛来したことはない」ということです。Fact Aは、これからETI探しをしようというのに、少々変な感じがしますが、科学的考えていくためには、このような確実なところからスタートすべきでしょう。
 カルダショフという研究者が、宇宙にあるであろう文明を、科学技術あるいは使用エネルギーに基づいて区分しました。テクノロジー文明と呼ばれています。テクノロジー文明は、エネルギーの使用程度に基づいて、3つに分けられています。
 I型文明は一つの惑星上で利用できるエネルギー(10^19erg/秒)を使っているもの、II型文明は惑星が属している恒星が出しているエネルギー(10^33)を使うもの、III型文明は銀河全体のエネルギー(10^44)を使いこなすもの、となっています。現在の地球はI型文明にいることになります。
 人類の今までの歴史を見ていくと、ひとつの国で鎖国が続くのはせいぜい、数百年です。鎖国は長く続くことはなく、文明は長い年月の後には、破滅か発展かしていくことなります。このような人類の歴史を見ていくと、文明とは、発展を続けるものだと考えられます。その考えを、テクノロジー文明に適用すると、一般的なETIの文明は、I型→II型→III型へと発展していくはずです。
 するとFact Aとテクノロジー文明の発展を考えあわせると、パラドックスが生じます。人類の発達から推定すると、ETIは自分が生まれた天体の外へも発展していきます。ETIのあるものは、III型文明まで発展しているはずです。ところが、Fact Aから、ETIとの接触やETIの文明の証拠がいまだにないのです。これをフェルミのパラドックスと呼んでいます。
 フェルミは、このパラドクスをかくれんぼ遊びにたとえて"Where is everybody?"(みんなどこにいるんだい)と呼びかけています。
 このフェルミのパラドクスをまぬがれる方法として、動物園仮説というものを、バールが1973年に考えました。III型文明はすでに存在しているのですが、我々の太陽系は、銀河文明の自然公園で、わざと放置されているのだという考え方です。私たちはETIから、動物園の動物のごとく、その発展過程を観察されているのだというものです。私たちは、ETIから見られている動物園のサルのようなものなのでしょうか。

Letter 動物園仮説・元気が一番 

・動物園仮説・
宇宙人シリーズですが、もうしばらく続きます。
ついつい長くなってしまいます。
しかし、なかなか面白いテーマであります。
今回のフェルミのパラドクスは、どのようにして解くのでしょうか。
最後の予定になりますが、その説明をしたいと考えています。
もし、私たちに見えない状態で私たちをETIが観察している考えると、
私たちは、ETIに対して恥じない、発展をしているでしょうか。
自分たちの住む惑星のこと、太陽系のこと
銀河の平和や安全、環境を乱すようなことを
知らず知らずのうちしていないでしょうか。
そんなことを考えるきっかけに「動物園仮説」を使うことが
一番いい使い方かもしれませんね。

・元気が一番・
長男の小学校の運動会は、雨で一日延期になりましたが、
日曜日に無事終了しました。
月曜日が長男は休みとなり、火曜日に学校に行こうとしたら、
気持ちが悪くなって休んでいました。
月曜日に、そのような症状が出ていたのですが、
風邪ではないかということで、自宅で安静にしていました。
しかし、火曜日に病院で調べたところ、
風邪のウイルスは見つからずに、
自律神経失調症という診断でした。
つまり、疲れが出たのでしょうということです。
安静にしていなさいということです。
しかし、エネルギーがあまっているらしく、
長男は家の中で暴れまくっていました。
子供は暴れまくるくらい元気なのが一番ですかね。


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