地球と人と
表紙に戻る

Essay■ 6_45 宇宙人2:知性とは
Letter■ 天気の印象・企業努力
Words ■ 祝 300号


(2006.06.01)
 人間の持っている知性とは、どう定義すればいいでしょうか。それは、地球以外にもいるかもしれない宇宙人共通の知性と呼べるものでしょうか。


■Essay 6_45 宇宙人2:知性とは 

 前回、地球人も宇宙人だといいました。もし、私たちが日常的に使っている「宇宙人」を正確にいうとすると、「地球人以外の宇宙人」となります。あるいは「地球外の人間」と呼ばなければなりません。では、地球人以外の人間とは、どう定義すればいいでしょうか。
 地球人以外の人間の姿かたちは、私たちは知りませんから、姿かたちで定義するのはあまり良い方法ではありません。
 ここでは、地球人以外の人間とは、知性を持っている生命と定義しましょう。ですから、地球人以外の宇宙人は、地球外知性体あるいは地球外知的生命体と呼ばなければなりません。これでは長ったらしいので、英文のExtra-Terrestrial Intelliseuceの頭文字を取ってETIと呼びましょう。スティルバーグ監督の映画「ET」は、ETIをさらに略したものです。
 では知性とは、どう定義すればいいでしょうか。地球では人間だけが知性を持っている、と私たち人間は思っています。しかし、それは本当でしょうか。
 人間は言葉を使ってコミュニケーションをします。これは、知性もっている証のよう見えます。しかし、音声を使ってのコミュニケーションは、鳥や哺乳類では極普通におこなっています。鳥のさえずりや哺乳類の鳴き声は、コミュニケーションの手段として利用されています。そのコミュニケーションが単純かどうかは、必要性に依存しています。必要でなければ、複雑なものはいらないです。
 二足歩行をする鳥は、人間の言葉を話せます。また、イルカやクジラは、高度の知能を持っているといいます。彼らは、人間には聞こえないような長低周波の音波を発して、水中でも遠くの仲間と連絡を取っています。これは、十分知性的なコミュニケーションではないでしょうか。
 人間は道具を使います。これは、人間だけの特性ではないでしょうか。ところが、ある地域のチンパンジーは、木の実を割るのに、自分専用の台となる石(くぼみがあって木の実が安定する)と、割るためのハンマーとなる石を持っています。さらにチンパンジーは、木の中にいるアリを捕まえのに、木の枝や草から、葉っぱを取り除いて細い棒状にして、小さいなアリの穴に入るようにします。それを、穴に差込み、アリを捕まえて食べています。このような石や枝は、道具を作って使っていることにならないでしょうか。
 農業をして作物をつくのは人間だけです。いえいえ、ハキリアリというアリの仲間は、木の葉を取ってきて巣に運び、その葉に菌類を繁殖させて、食料としています。これは、立派な農業ではないでしょうか。
 人間には旺盛な好奇心があります。好奇心は人間だけの特性ではないでしょうか。好奇心とは、興味あるものを見たいという気持ちで、自分の不利益を少々こうむっても抑えきれない気持ちのことです。草食動物は、肉食獣に仲間が襲われると、その様子を少し離れたところが見ていることがあります。襲った肉食獣がいるということは、仲間が近くいるかもしれません。その場に留まることは危険です。なのに見るというのは、好奇心によるものではないでしょうか。まさに怖いもの見たさという好奇心にかられているように見えます。
 文化なら人間固有のものではないでしょうか。宮崎県青島のニホンザルで知られていますが、イモを洗って食べるという文化や、砂浜にまかれた小麦を海水につけ、浮かせて、効率よく、そしておいしく食べるという手法が若いサルが見つけました。それが、今や群れ全体に伝わっているというのは、文化の発生とその伝承ではないでしょうか。
 このようにしてみていくと、人間だけが持つ知性の特徴というものは、どうも特定できるものがありません。多くの生物がいろいろな知性的な特性を持っています。人間はそれらの知性の特性を、いろいろたくさん持ち合わせていることが、一番の特徴かもしれません。
 総合的な知性の特徴を、成功の記録や失敗の記録などを知識として長年積み上げていく必要があります。その知識の記録のために必要なので、文字が発明されたのではないでしょうか。文字による記録のために、土や石、皮から、紙になりました。記録や情報、知識を広くいきわたらすために、印刷の技術が発明されました。やがて記録の手法が電気信号を介して、すばやく伝達され、磁気や光で記録されるようになりました。
 このような知性の蓄積の実績によって、文明というものを発展させてきました。そこには、科学や技術というべきものが作り上げられました。この蓄積が成せる能力こそが、もしかしたら、人間の知性の重要な点かもしれません。
 人間は、電波(電磁波の一種)というこの世で一番高速の伝達スピードもをもつ通信手段で、コミュニケーションするようになりました。これは、文明の集大成といっていいかもしれません。ですから、ETIや地球人を考えるとき、電波によるコミュニケーションをできるという定義が可能かもしれません。


Letter 天気の印象・企業努力 

・天気の印象・
5月の上旬は暖かくて良い天気が続いたのですが、
5月下旬は涼しく雨が続きました。
まあ、雨の日も晴れの日もあります。
といってしまえば、それまでです。
もしかしたら、このような感想は、誤解に基づくものかもしれません。
土・日曜日が休みのサラリーマンとしては
土・日曜日の天気が一番記憶に残っていきます。
その記憶がもしかしたら、
一週間の天気の印象を大きく左右するのかもしれません。
これは、明らかに心理的効果によるミスリーディグです。
じつはこのようなことが、当たり前に起こっています。
人間は身勝手なもので、土・日曜日さえ晴れれば
なんとくなく得したような気がします。
雨だと損をしたような気がします。
特に北海道は一番良い季節を迎えています。
それを雨で室内でしか時間を過ごせないのはつらいものです。
今週末は、来週の小学校の運動会にそなえて、環境整備を行います。
終わったあとは、ジンギスカンです。
これが楽しみで、皆いそいそと出かけるのです。
やはり青空のもとで食べるジンギスカンは最高です。
晴れることを祈っています。

・企業努力・
大学は6月だというのに、来年の入学の準備であわただしくなっています。
入試用のパンフレットの印刷が終わり、配布が始まりました。
そして高校巡回がはじまります。
高校巡回とは、大学に来て欲しい高校に挨拶にいくことです。
そのとき、現在大学で過ごしている学生たちに近況を紹介したりします。
このような巡回が、そろそろ始まります。
6月下旬には、高校生を対象とした
オープンキャンパスという大学紹介があります。
いろいろなチャンスを利用して大学をアピールしていくのです。
これも大学の生き残りのために、努力の一環です。
私立大学は、民間企業ですから、常に営業や学生確保に励む
という企業努力をし続けるのです。
これが、大学自身を良くすることに、もつながっています。
とはいうものの北海道は広いのでなかなか大変なのです。


表紙に戻る