地球と人と
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Essay■ 6_36 未来予測1
Letter■ 北海道の夏・大学の休み
Words ■ 学生は夏休み、教員は忙しい季節


(2004年7月15日)
 過去について考えたことがありました。今度は、未来について考えていきましょう。未来を、予測することができるのでしょうか。できるとするとどのようなものでしょうか。


■Essay 6_36 未来予測1 

 未来という字は、「未(いま)だ、来ない」と書きます。ですから、まだ来ていない時間のことを意味します。そんなまだ来ない時間を、科学で探ることができるのでしょうか。なかなか難しい問題です。今回は、まず生物が未来を予測できるかどうか考えていきましょう。
 時間に関して私たちは非常に鈍感です。私たちが感じることのできる時間は、今、つまり現在だけしかないのです。
 過去でも、記憶や記録に残っているものなら、たどることができます。でも、忘れてしまったものや、記録に残っていないものは、たどることはできません。記憶しているとか、記録に残っているものは、実をいうと、それらが現在まで残っており、現在それらをたどることができるのです。
 記憶や記録を通じて一見過去を見ているように見えますが、現在に残されたものを通じて過去を再現している過ぎないのです。過去を味わうというのは、現在からたどるしかない行為なのです。過ぎ去った現在は、二度と味わうことはできないのです。どんなに似ていようとも、同じではありません。例えば、同じ映画を見ても、一度目と二度目は、感じ方が明らかに違います。
 私たちには、過去をもはや感じることができないのです。もちろん未来を感じることもできません。ですから、私たちは、「現在」という非常に限られた時間の中で生きているのです。そんなつかの間の現在を、私たちはどのようにして生きているでしょうか。
 多くの生物は、今を、少しでも楽しいもの、より快適なもの、少しでもいいものにしたいと考えているはずです。また、少々今がつらくても、より未来を楽しいものにしたいと考えているはずです。そのためには、今、つらくても我慢したり、がんばって努力したりして、よりよい未来を迎えることを望んでいるはずです。
 こうありたいという未来を望んで、私たちは、今を我慢や努力をしているのです。そんな未来を予測して、今を生きているのです。これは、願望や夢といったほうがいいかもしれませんが、今を生きる重要な動機ではないでしょうか。
 未来は、正確に予測することは難しいのですが、どんな生物も、ある程度、予測はしています。
 簡単な例を出しましょう。草原でチーターが向かってくるのを見たトムソンガゼルはどうするでしょうか。もちろん逃げます。じっとしていたり、チーターに向かっていったりすると食われてしまいます。それは、自分の未来を亡くすることになります。だから、トムソンガゼルは、チーターの来ない方に逃げ、追いつかれないように全速力で逃げるでしょう。時には急激な方向転換もするでしょう。これは、自分の未来を瞬間的に予測して、その悲惨な未来を回避する行動をしているのです。これは、明らかに未来予測に基づく行動です。人間でも道路を横切るとき、車とぶつからないタイミングを予測して渡ります。これができないと、いつまでたったも道路を渡れないか、車にひかれてしまいます。
 生物は、なにも、近い未来だけを予測しているのではありません。やがて来たる冬に備えて、食料をためこんだり、食いだめをしたりします。学生が、受験勉強をするのは、しないよりした方が受かる可能性が高くなるからです。このような予測は、数ヶ月や、1年に及ぶような予測に基づいて行われています。
 今はつらいけれど、よりよい未来のために、我慢しているのです。生物は、どうも本能的に未来を予測できるようです。
 でも、もっと先、もっと複雑な因果関係の未来をどのように予測するのでしょうか。これは次回のテーマとしましょう。


Letter 北海道の夏・大学の休み 

・北海道の夏・
ここ数日、北海道でも天気の悪い日が続いていました。
まるで梅雨のように、雨が降ったりやんだりしていました。
北海道にしては湿気の多い日が続いています。
もちろん、本州の梅雨のようにじめじめしている訳ではありません。
気温も20度少しなので、蒸し暑いわけではありません。
でも、快適な夏をいつも味わっている北海道では、
これでも、嫌な天気に感じてしまいます。
一番いい時期を、こんな天気だとつらく感じます。
北海道は冬から開放されて一番いい季節です。
今朝はやっと晴れてきました。
今日は暑くなるでしょうか。
北海道の夏は、すがすがしい暑さです。
そんな季節が戻っていることを願っていましょう。

・大学の休み・
大学では、そろそろ前期の講義が終わりに近づいています。
祝日の配分によって、もう終わった講義から、
あと2回残っている講義もあります。
祝日はいいのですが、大学、とくに授業に関しては、
祝日があると非常にやりにくくなります。
現在のように振り替え休日などの制度があると
月曜日の講義日数がかなかな確保できません。
うちの大学では、月曜日の講義日数が確保できず、
とうとう7月19日は講義日としています。
学生には、休みが多くあります。
大学では世間の祝日を無視してもいいのではないでしょうか。
大学生は、休みの多い生活をしています。
8月、9月の半分、2月、3月は講義がなく、休みです。
なんと3ヶ月半が休みです。
100日ほど休んでいることになります。
だから、せめて講義のある期間ぐらい、
土曜・日曜以外の休みなく
講義をしたらどうでしょうかね。
ちょっと乱暴ですかね。