地球と人と
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6_9 ヒトとは

(2001年9月13日)
 私たちヒトは、他の生物に比べて、何が優れているのでしょうか。もしどこかが優れているとすると、人は地球を代表する生き物と呼べるのでしょうか。古くから現在まで生きている古細菌のような、「古い家系」の生き物のほうが、代表としてはいいのではないでしょうか。ヒトとはなにかついて考えてみましょう。


 私たちの根源的な疑問として、「私たちは、どこから来たのか」、「私とは、何か」、「私たちは、どこへ行くのか」というものがよく挙げられます。ヒトについて考えるとき、ヒトとは何かを、決めておかねばなりません。まず、「ヒト」についてです。どういうものを人と呼びましょう。まずは地球人についてみていきましょう。
 ヒトを文化を持っている生物としましょう。でも、サルには、イモを洗う文化や、石でクルミを割る文化を伝え継続するものもいます。鳥の求愛のディスプレイなんかは、すばらしい文化のように見えます。
 ヒトを文明をもっている生物としましょう。文明を農業をすることとしますと、サキリアリは、葉を切り取り巣に運んでそこで菌類を栽培しています。まさに農業をする生物です。共生関係なくかは飼育や牧畜のような文明のようにみなすこともできます。
 ヒトを文化ではなく言語を用いる生物にしましょう。言語によってヒトはコミュニケーションします。でもコミュニケーションする言語は多くの哺乳類や鳥類で見られます。言語を用いてヒトとコミュニケーションするチンパンジーがいます。言語を用いてヒトとコミュニケーションするチンパンジーがいます。
 その言語も文字としましょう。そうすれば他の生物にはできないことかもしれません。ただし、書けないにしても、人に訓練されたチンパンジーには、文字を理解しているものもいます。京大霊長類研究所のアイというチンパンジーは文字を理解しています。
 文字を書くこと、そしてそれを他の個体や子孫に伝える手段を持つことそれが重要です。
 しかし、ヒトの特徴を持っていることが、実はヒト固有のものは少なく、他の生物でも同じようなことをしていたり、もっと特殊化したものにまで発展させていることもあります。つまり、ヒトとはそんなに特殊、特別なことをあまりしていないということです。ヒトは、特殊化していないこと、特別でないこと、そして、他の生物が、それをすることを種が多大な変化(進化)をしていることもあります。
 生物としていて、ヒトは一つ一つの能力では一番ではないかもしれません。しかし、多くのことを器用に、多機能にこなすこと、ヒトの特徴かもしれません。そのために、特別な変化を用いずにおこなってきたことが、今後も変化をもたらす可能性を秘めていると思います。つまり、ヒトは、特別でないことも、将来性の一つと考えられます。