地球の調べ方
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Essay■ 5_190 系外惑星の多様性 5:恒星と惑星の化学的相関
Letter■ 暴風雪・積雪量
Words ■ 北海道の積雪は例年にない量になっています


(2022.01.20)
 恒星とその系外惑星の観測された情報から、惑星の特徴を考えていく方法が提案されました。いくつかのモデルをおいていますが。直接の観測データから考えている点が重要です。

Essay■ 5_190 系外惑星の多様性 5:恒星と惑星の化学的相関

 これまでのシリーズでは、白色矮星の化学組成から、その周囲にあった惑星の化学組成のうち、体積が多く化学組成を反映しやすいマントルを、間接的に探った結果を紹介しました。その結果より、太陽系の地球のマントルのような組成の岩石は珍しいものでした。
 このシリーズでは、もうひとつ直接調べた論文があり、それも一緒に紹介していくことにしていました。2021年10月15日のScience誌に多数の著者(20名)によって
A compositional link between rocky exoplanets and their host stars
(岩石系外惑星と恒星との間の化学的相関)
という報告がされていました。次に、これを紹介していきましょう。
 ハワイのすばる望遠鏡やチリ、カナリア諸島などの世界各地の望遠鏡を用いて観測されたデータを分析した結果です。太陽系外の恒星と惑星の化学組成に関係があるという報告でした。
 とはいっても、直接、系外惑星の化学組成を調べることは未だにできていません。では、どうして調べていくのでしょうか。
 恒星系は、分子雲コアという場で恒星も惑星も一緒に形成されていきます。回転する分子雲コアの中心に恒星が、その周囲の円盤状のところ(原始惑星系円盤と呼ばれています)に惑星ができていきます。惑星に使われなかった材料は恒星に落ちていき、ガスは吹きはらわれていくと考えられます。
 恒星も惑星も、もともとは同じ材料で形成されたはずです。形成環境や形成過程によって、それぞれ違いは生じたでしょうが、恒星と惑星の間には化学的に何らかの関係があったはずです。そのような化学的関係を前提にして考えていきます。
 今回研究には、系外惑星で岩石の表層をもっていると考えられ、観測が進んでいる21個の惑星が用いられました。観測でわかっているのは、恒星のスペクトル分析から推定された化学組成と、系外惑星で質量と半径です。これらの観測データのセットをもとに、いくつかの仮説(モデル)を立てて、系外惑星の化学的特徴を調べたという報告です。
 詳細は、次回以降としましょう。


Letter to Reader■ 暴風雪・積雪量 

・暴風雪・
大学入学共通テストが先週末にありました。
初日は、北海道では暴風雪でJRは運休だらけでした。
二日目も少し運休便がありましたが、
かなり復旧していました。
初日は、会場によっては、
繰り下げ開始や別室受験などの
対処がなされたところもありました。
一部支障がでましたが、北海道は
大雪に慣れていて、対処法もできているため、
なんとなったかと思います。
コロナ禍や津波警報、東大の事件の影響を
直接受けた受験生にとっては、
大きなストレスになったと思います。

・積雪量・
今年の北海道は地域によって違いがあるでしょうが
降雪量や総積雪量が例年になく多くなっています。
わが町の雪情報では、
過去5年平均の積雪量と比べて倍になっているとのことです。
道路も除雪による雪山が高くなり、
道幅も半分になっています。
そのため、車の通行だけでなく、歩行者も危険です。
雪の事故が多くなりそうです。
注意して外出しなければなりません。



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