地球の調べ方
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Essay■ 5_180 酸素と自転 1:関連
Letter■ 道南豪雨・入試シーズンへ
Words ■ 冬の前の豪雨


(2021.11.04)
 地球の大気には、酸素が20%含まれています。その酸素は、生物がつくりだし、現在も生産をしているものです。酸素の増加が、地球の自転と関連しているという報告がありました。詳しく紹介していきましょう。

Essay■ 5_180 酸素と自転 1:関連

 今回のテーマは、地球の酸素と自転についてです。地球の酸素の量と自転の速度が関係するという報告がありました。この報告をみて、かなり奇異な感じがしました。なぜなら、酸素量は生物が関与した現象で量は変化するはずです。一方、地球の自転は天体の運動ですから、天文学的で規則的な変化となります。両者が関係するというのというのは、どうしてだろうかと感じたからです。
 イギリスのNature Geoscienceという権威ある科学雑誌に、2021年8月2日に掲載されたので、科学的根拠や論理は十分吟味されているはずです。この報告は、ドイツのマックス・プランク海洋微生物学研究所のクラット(Klatt)氏らの共同研究で、そのタイトルも、
  Possible link between Earth's rotation rate and oxygenation
  (地球の自転率と酸素供給の間の可能な結びつき)
というものでした。
 地球大気の酸素量の変化、また地球の自転速度の変化も、これまでも研究されてきたのですが、別々のテーマとして別の分野の研究者によって進められてきました。この論文では、このような一見全く異なった両者が、関係している可能性を指摘しました。
 論文の結論としては、地球の自転が遅くなっていくと、一日の時間が長くなっていきます。それと呼応して、酸素が24億から22億年前に急激に増加してきたという主張です。どう呼応していたのかは、なかなか興味深いところです。
 論文の紹介をする前に、まず地球の自転速度と酸素の大気中の濃度変化を、それぞれ理解しておく必要があります。このエッセイでは、大気中の酸素量の変化については、以前何度か紹介をしたことがあります。例えば、「2_26 酸化地獄」(2003年12月18日)、「2_79 酸素の物語5:海洋の酸素」(2009.06.11)、「1_111 23億年前の事件 1:重なる事件」(2013.01.31)などで何度か紹介してます。ところが、地球の自転やその変化については、ほとんど紹介してきませんでした。
 まず、酸素の増加の整理をしてから、次に自転速度の変化について詳しく紹介してから、この論文の説明をしていきましょう。


Letter to Reader■ 道南豪雨・入試シーズンへ 

・道南豪雨・
先日、今シーズン最後の野外調査をしました。
3つの目的地がありましたが、
2つは好天に恵まれて、最後の紅葉の中で調査しました。
ただし、道南では一晩激しい雨に見舞われました。
幸い移動したので、激しい雨にはなりませんでした。
しかし、道南は、翌日から記録的な豪雨と
雹などによる被害に襲われました。
幸い私は被害にあいませんでしたが、
被害地域の方にお見舞い申し上げます。

・入試シーズンへ・
大学は、いよいよ入試のシーズンとなってきました。
AO入試という制度はなくなり、
代替となる制度でおこなわれています。
11月から本格的な入試に入っていきます。
来年度の新入生からは、従来通りで
対面での授業がはじまればと思います。


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