地球の調べ方
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Essay■ 5_179 周期的大量絶滅 4:ダークマター
Letter■ 入学式・ワクチン接種
Words ■ いよいよ新年度のはじまりです


(2021.04.01)
 大絶滅には2750万年の周期性がありました。この周期性の原因は、謎のままです。地球外の隕石の衝突では説明できませんが、地球外に原因を求めています。その原因はどんなものでしょうか。

Essay■ 5_179 周期的大量絶滅 4:ダークマター

 10回の陸上生物の大絶滅のうち3回では、巨大隕石の衝突の証拠がありました。しかし、すべての絶滅で衝突が起こっているわけではないので、衝突が周期性の原因ではないようです。また、10回のうち8回は、海洋生物の大絶滅を伴っており、大規模な火山活動LIPsも起こっていました。ここには、なにか必然性があるのでしょうか。
 大絶滅の周期性は2750万年でしたが、天文学にそれと似た周期がありました。太陽系の公転周期です。太陽系の公転とは、太陽系が銀河系の中心を回っていることです。多くの銀河は回転しており、回転で生じる構造ができています。
 銀河の構造は、約2000億 - 4000億個の星が織なしている模様となります。私たちの銀河は、平たいディスクと呼ばれる円盤状で、中心部が円柱状になっています。また、円盤状のところには、4本の太い腕状のものと、2本の小さい腕状のものがあり、それが巻き付いたような構造をもっています。その腕の巻き付きは、銀河の回転運動によってできたものです。太陽系は、小さいオリオン腕と呼ばれるところに含まれています。このような銀河の形は、「棒状渦巻銀河」に分類されています。
 銀河全体の回転運動と一緒に、太陽系も公転しています。その一周に要する期間は、2億5000万年となっています。ただし、太陽系の公転は、公転面に平行に巡っているわけではなく、ディスクに対して上下運動をしながら回っています。その上下の周期が、3000万年程度とされています。
 3000万年ごとに、銀河のディスクの面を横切ることになります。銀河のディスクは、星が多く、チリやガスなども多くなっています。ディスクを太陽系が、周期的に通り抜けていきます。ランピーノたちも、このような周期と大絶滅に関連したのではないかと考えました。
 以前にも大絶滅の周期性が見いだされ、太陽系の公転周期とが結び付けられていました。近年、ディスクには、ダークマターも多いことがわかってきました。ダークマターの実態は不明ですが、重力として周囲に影響を与えているため、間接的ですが、その存在や分布がわかってきました。
 見えている以上にディスクには、重力源が多いということになります。ランピーノたちは、太陽系がディスクを通過するとき、ダークマターの重力が太陽系の小天体の軌道を乱したり、地球の核へ影響を与えマントル全体に及ぶような巨大火山活動を起こしたのではなかいと考えています。
 巨大火山活動は、マントルプルームと呼ばれるマントルと核の境界にあるD"層から、物質が上昇してくることが原因だとされています。ダークマターの重力が、D"層の上昇のきっかけとなってのではないかと考えたわけです。
 大絶滅の周期性を解析して、それを太陽系の銀河のディスクを横切る周期と関係づける考えは、以前からありました。しかし、それをどう検証するのかが難しい問題でした。ダークマターは、傍証が多数あり、存在は明らかになっていますが、その実態は不明です。今回はダークマターが関与してD"層を上昇させ、LIPsの発生と結びつけた点が、新しいアイディアです。それを周期性の原因とするには、まだまだ研究が必要ですね。


Letter to Reader■ 入学式・ワクチン接種 

・入学式・
4月になりました。
今日は大学の入学式の日です。
事前にこのメールマガジンは配信しているので、
その様子を紹介する書くことはできません。
しかし、札幌市内のイベントホールを借りて
大きいホールで全体の入学式典が開催されます。
その後、学科ごとのガイダンスを会議室でおこなれれます。
学科のガイダンスでは、教員の紹介をされるので、
全員参加となります。

・ワクチン接種・
北海道は日一日と暖かくなり、春めいてきました。
そろそろ春の芽生えも、はじまりそうです。
季節のめぐりは進んでいますが、
コロナ禍は一進一退ですね。
ワクチン接種が進んでいくことが、一番の対策でしょう。
ただし、ワクチンを海外に依存しているため
なかなか進まないのが、まどろっこしいですね。


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