地球の調べ方
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Essay■ 5_176 周期的な大絶滅 1:べき乗則
Letter■ LIPs・面接授業
Words ■ 雪は降りますが、春めいてきました


(2021.03.11)
 大絶滅の多くは、地球内部に原因がある考えられています。大絶滅に周期性があるという考えは、以前からありましたが、あまり注目されていませんでした。最近、周期性を主張する報告があり、再び注目されてきました。

Essay■ 5_176 周期的な大絶滅 1:べき乗則

 天文現象が生物の大絶滅を起こすということは、今や、多くの人が知っています。中生代の末、恐竜が大絶滅した事件が、科学番組や映画などで紹介されたことで、知れ渡っているためでしょう。
 恐竜の大絶滅は、直径10kmほどの隕石がユカタン半島に落下したことで起こったと考えられています。その衝突で、すべての生物が一気に絶滅したのではなく、衝突を契機にして、さまざまな現象が連鎖して起こったためだと考えられています。衝突に関連する現象は、いろいろ見つかっていますが、時系列に沿った現象で、それぞれの連鎖の状況や、因果関係の解明など、まだ不明な点も多々あります。
 衝突は、隕石のサイズを考えなければ、多数起こっています。落下する隕石のサイズは、大きいものほど頻度は少なく、小さいものほど多くなっています。このような規則性は、「べき乗則」と呼ばれるもので、多くの自然現象で見つかっています。
 隕石の衝突が、べき乗則にそって起こっているのであれば、10kmサイズの衝突は、地球史上、中生代末だけの出来事だったとは考えにくいものになります。他の時代の大絶滅が起こった時期にも、隕石の衝突が起こっていたのではないでしょうか。その証拠を探すとどうなるでしょうか。
 大絶滅の原因を隕石衝突と考え、その時代対応した巨大なクレーター(直径100km以上)を挙げている研究もあります。しかし、多くの大絶滅では、隕石の衝突の痕跡は、必ずしも見つかっておらず、地球内で起こる現象が原因だとされいます。
 例えば、古生代と中生代の境界で起こった大絶滅は、生物史上最大ものだったと考えられています。その大絶滅の原因は、巨大な大陸(超大陸と呼ばれる)が、分裂していくときに起こった大規模な火山活動(巨大火成岩区、Large igneous provinces、LIPsと略されています)が原因であったと考えられています。
 LIPsとは、マントルから上昇してきた温かい物質が起こしていると考えられています。マントルプルームと呼ばれるもので、マントル対流の現れたものです。そのため長期に渡って火成活動が起こっている。現在では、南太平洋とアフリカ大陸に上昇してきています。
 マントル対流が定常的に起こっているはずなので、何度もLIPsの活動が起こっていることになります。現在活動しているLIPsだけでなく、過去に活動したものもわかっています。そのため、大絶滅に関係したLIPsが対応させられており、それを原因とするのが現在の考え方となっています。ただし、その火山現象からどのような連鎖が起こったかは、まだよく変わっていませんが。


Letter to Reader■ LIPs・面接授業 

・LIPs・
現在のマントルプルームによって、
起こっているLIPsは、アフリカ大陸ものは、
アフリカの大地溝帯を形成した火成活動です。
南太平洋のものは、海洋の多数の火山や
ハワイの火山列を生んだ活動だと考えられています。
過去の海底でのLIPsは、1億年前までならば
海底に残っていることがあります。
それより古いものは、海溝に沈み込んでいいます。
大陸では、それらの痕跡が残っています。
ですから、全てを把握することはできませんが、
なんらかの手がかりは、残されています。

・面接授業・
今週は、面接授業で、教育実習の事前指導をおこなっています。
ひさしぶり対面での授業となります。
通学の混雑対策、換気対策、60分未満の授業時間など、
あれやこれやの三密対策をしていきます。
以前の授業より、たくさんの時間が費やさなけばなりませんが
Withコロナとして、対処していく必要があります。
大変ですが、大学で決めたルールですので従います。
それでも面接授業が戻ってきたので、楽しみです。


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