地球の調べ方
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Essay■ 5_168 系外惑星 3:ハビタブルゾーン
Letter■ 暖気・卒業研究
Words ■ 北国で冬の暖気には苦労します


(2019.12.12)
 TESSが、地球型惑星を探す理由は、私たちのことを、もっと知りたいという、隠れた意図があるのではないでしょうか。その探査には、ハビタブルゾーンという考えを知ることが、重要になります。

Essay■ 5_168 系外惑星 3:ハビタブルゾーン

 地球型惑星とは、サイズもさることながら、軌道もある程度遠くを回っている必要があります。それがTESSで、地球型惑星を探す理由ともなっています。地球に似た惑星であれば、生命が存在する可能性があります。もちろん、惑星の存在は観測できますが、生命の存在が直接観測できるわけではありません。ですから、あくまでも「可能性」を探すことになります。では、どのようにして、その可能性を探ることができるのでしょうか。
 地球型惑星と呼ぶには、サイズだけではなく、軌道も恒星から一定以上遠くを回っている必要があります。系外惑星としてサイズも公転軌道も観測できます。ただし、生命が存在する可能性があるのは、小さな地球サイズの惑星で、しかも軌道がある一定の領域になければなりません。その領域の範囲は、「ハビタブルゾーン」と呼ばれています。
 小さな惑星と限定するのは、大きな惑星は表面に大量のガスをもつガス惑星になります。太陽系でいえば、木星や土星のような天体で、そこでは水も生命も存在しそうにあります。小さければ、大気も薄く、硬い表面をもつ惑星、岩石惑星が期待できます。
 また、ハビタブルゾーンとは「生存可能領域」と訳されていますが、液体の水が惑星表面に存在できる領域となります。実際に水を観測することは困難ですが、水が惑星表面に存在するには、薄めの大気があり、平均気温が0℃から100℃の範囲に維持されている必要があります。その位置は、恒星の明るさと距離によって計算できます。恒星が明るければ、ハビタブルゾーンの軌道は遠く離れ、暗いと近くなります。
 ハビタブルゾーンにある地球型惑星は、明るい恒星では見つけにくく、暗い星では見つけやすくなります。もしその領域に地球型惑星が見つかれば、生命や水の存在が観測できなくても、間接的に水があり、生命が存在する可能性を示します。
 しかし注意が必要です。ハビタブルゾーンの地球型惑星には水が存在し、水が存在すれば、生命が存在する可能性があるという論理構造は、実は地球や私たちの太陽系が、宇宙に当たり前に素材する恒星、惑星だという前提にしています。地球を典型的なものとして、地球型惑星を探そうという考えです。さらに水が惑星表面に長時間維持されていれば、生命が発生し継続的に存続し、進化していく可能性もあります。この推論も、私たちの地球や生命を典型ということを前提にしています。
 それらの前提に普遍性があるかどうかには、根拠はありません。私たちの太陽、地球、生命が、唯一無二で、特異な例なのかもしれません。もしそうなら、地球を典型とするわけにはいきません。
 これまで発見された系外惑星の多様性をみていると、私たちの太陽系も、非常に多様な惑星の一つに過ぎないことを知らされました。多様性をもっと調べていく必要がありそうです。それは私たちのことをもっと知ることになるはずです。


Letter to Reader■ 暖気・卒業研究 

・暖気・
北海道では火曜日から2日続いて
暖かい日が続きました。
すると今まで積もっていた雪が溶けていました。
根雪と思っていたのですが。
北海道では根雪になると防寒の冬靴をはきます。
この靴は、防寒と滑り止めを特化しています。
防水機能は少々劣っています。
そのため、ぐしょぐしょの道を歩くと
水が靴に染み込んできます。
雨靴ではすべるので、
この時期に氷が溶けるような天気は
非常に困ってしまいます。

・卒業研究・
今年も学科の4年生が
卒業研究のレポートを執筆し提出をしました。
私のゼミの学生も数名書きました。
学科では卒業研究を必修としているので
卒業するためにはレポートを
必ず提出しなければなりません。
分厚いレポートになるので、
2年間かてで準備していきます。
ゼミにでて指示に従っていれば、
文章を書くのが苦手な学生でも
大部のレポートが書けます。
でも、コツコツと積み上げていく努力が必要です。
それが苦手な学生は苦労しますが。


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