地球の調べ方
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Essay■ 5_166 系外惑星 1:TESSへの期待
Letter■ バイアス・寒暖差
Words ■ エッセイの号数が999に達しました。ひと区切りでしょうか


(2019.11.28)
 太陽系外の惑星の発見は、度々ニュースになり、このエッセイでも何度か取り上げてきました。系外惑星には、多様な惑星、そして異形の惑星、地球に似た惑星などがあることがわかってきました。

Essay■ 5_166 系外惑星 1:TESSへの期待

 ノーベル物理学賞は、ピーブルズ博士の他に、系外惑星を発見したマイヨール博士とケロー博士に贈られました。その後、太陽系外惑星の探査のためにケプラー衛星が打ち上げられ、大きな成果を上げました。系外惑星の探査の結果は、驚きの連続でした。9年半にもおよぶ観測期間も推進装置のトラブルで、52018年11月15日に終わりました。
 ケプラー衛星は、はくちょう座の方角だけを向くようにして、観測していました。星域は限定されていたのですが、50万個以上の恒星を観測して、2600個以上の太陽系外惑星を発見しています。観測期間が長かったとはいえ、限られた星域でこれだけ多くの系外惑星が発見できたのは、大きな成果となります。多様な惑星、異形の惑星が見つかりました。
 遠くの恒星系まで観測したので、恒星近傍を巡る大きな惑星が見つかりやすく、そのような異形さが目立った結果となったのかもしれません。つまり、少々バイアスのかかった観測結果を見ているかもしれません。多様性は知ることは重要ですが、平均的な姿を知ることも重要です。
 ケプラーの後継機として探査衛星TESSが、2018年7月25日から観測を開始しています。TESSの特徴は、ケプラーとは軌道が違っていることと、観測できる星域が格段に広い点です。期間が限定されているでの、近くて明るい恒星の周りにある太陽系外惑星を探査することになります。最初の1年は南天を、次の1年で北天を観測する予定になっています。
 TESSの観測では、太陽系近傍の恒星で比較的小さな天体、恒星から少し離れた惑星も発見できるはずです。地球に似た惑星がどの程度あるのか、その多様性も調べることができるはずです。そこから、平均的な惑星系を知ることができるのではないでしょうか。
 TESSは、11月18日現在、太陽系外惑星の候補(TESS Object of Interest:TOIと略されています)が1414個あり、その内惑星の半径が地球の4倍以下のもの候補が443個出てきて、270個がすでに惑星でないと分かっています。現在、34個が惑星だと確認されています。4ヶ月あまりで34個の地球に似た惑星を発見しています。大きな成果です。


Letter to Reader■ バイアス・寒暖差 

・バイアス・
最近、論文で系外惑星について調べていました。
多数の惑星の多様な姿をみると、
私たちの太陽系が珍しいもののように感じます。
そこにはバイアスがかかっていることに注意が必要です。
ケプラーでは、恒星近傍の大きな惑星が
発見しやすいというバイアスがありました。
そのバイアスの効果の有無や程度を
今回のTESSは明らかにしてくれるはずです。

・寒暖差・
北海道は、先週末から暖気がおとずれ、
先週初めまでの寒波で降った雪が一気に融けました。
雪が融けるのは助かります。
一度、寒波がくると、体が冬に向けて寒さに備えます。
そこに暖かさが戻ってきました。
気温変化の激しい天気で
体調を壊しそうで心配です。
十分な休息をとれるように心がけたいですね。


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