地球の調べ方
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Essay■ 5_161 西から昇る太陽 2:可能である
Letter■ 誰か試しませんか・排雪
Words ■ 今年の雪は多い


(2019.02.14)
 いよいよ、西から登る太陽が見れるのか、という話でした。太陽の動きは地球の自転によっているので、西に沈みます。観察者が動くことで起こるかもしれません。その方法が現実的かどうかを、レポートでは考察しています。

Essay■ 5_161 西から昇る太陽 2:可能である

 前回、「「西から昇ったおひさま」が見たい!!」というレポートがあることを紹介しました。青森県弘前市の中学3年の工藤さんが作成したレポートです。そのレポートが、最優秀賞に選ばれています。レポートの概要を紹介しましょう。本当に西から太陽が登るのでしょうか。
 レポートでは、理論的にどのような方法があるか、をまず考えていきます。そしてその方法の条件を設定して、可能かどうかを数学的に検証するというものです。
 方法として2つが挙げられています。太陽に対して水平に移動する方法と、垂直に移動する方法です。
 水平に移動する方法は、太陽(西)に向かって飛行機などで追いかけるものです。この方法では、地球の自転より速く飛ぶことができれば、西に沈んだ太陽を再び昇らせることができます。2つ目の垂直への移動は、同じ場所にいても、垂直に上がれば(標高が高くなれば)、地平線より西側の太陽が見えてくるというものです。
 2つの方法のうち、工藤さんは、水平移動は実証するのが難しいので、2つ目の方法を選択しました。
 条件としては、日本でもっとも高速とされるエレベーターを用いることにしました。東京墨田区にあるスカイツリーは、高さは約 610 m あり、そこにもっとも高速のエレベーターがあり、分速 600 m で上昇します。地上 350 m にある第1展望台に上がるのに、約 50 秒です。スカイツリーの位置は、北緯 36 度、東経 140 度としてます。また、地球の半径は 6400 km の完全な球体とし、昼と夜の長さが同じで、日の入りを太陽が地平線に沈んだ瞬間とし、大気の屈折もなく直進するとします。また、「西から昇った太陽」とは、再び地平線より上に一部でも見えればよいとします。
 このような条件を設定して、日没直後にスカイツリーのエレベーターに乗ったとしたら、西から太陽が昇るのを見ることができるでしょうか。工藤さんは、複雑な計算をした結果、50 秒後、35 m より高いところにいけば、見られることを示しました。ですから、350 m まで上がるエレベータで西の地平線の展望があれば、西から昇る太陽が見ることができことになります。また、展望台にいけば、エレベーターに乗っている 50 秒間を除いて、一度沈んだ太陽を 110 秒間、再び沈む太陽を見ることができます。
 他にも、緯度 36 度だけでなく、どのような位置でも使える一般化した式、日の入りからの時間と見るのに必要な標高の関係を一般化した式にし、グラフ化したりと、さまざまな考察をしています。なかなか力作です。


Letter to Reader■ 誰か試しませんか・排雪 

・誰か試しませんか・
工藤さんが提示された条件は、
速いエレベーターを用いないと難しいものです。
それと西の展望がないと昇るのを見ることができません。
でも、このような条件を満たせば、
太陽が西から昇る現象が起こることがわかりました。
不可能ではないことを、工藤さんは数学的に証明しました。
動画サイトで、誰か試してないかを探したのですが
残念ながら、見つられませんでした。
速いエレベーターで試してみたいのですが、
条件を満たしたものを見つけ、
試すことはなかなか難しいですね。

・排雪・
今年の冬のはじまりの頃は、
雪が少ないと思っていたのですが、
1月になってから、かなりの積雪があり、
例年より多くの積雪量になっているようです。
それまでだんだん道路が狭くなり、
もともと車が余裕ですれ違える道が
一台通るのがやっと狭さになっていきます。
北海道では、行政と自治会によって、
排雪という雪捨て場まで運ぶ作業がおこなわれます。
私の家の時期は今年は、2月下旬になっています。
例年地区では一番後に排雪になります。


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