地球の調べ方
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Essay■ 5_124 ロゼッタ 4:探査
Letter■ センター試験・今年の冬
Words ■ 新しい年がはじまったのだが、大学は後期の終わりが近い


(2015.01.22)
 フィラエは彗星の表面に着陸はしたのですが、2度のバウンドをしてしまいました。幸い、装置は無事でしたが、機体が固定はされていません。また、着陸した地点は、崖の脇の日陰のところでした。困難な状況に陥ったミッションでしたが、まだ希望を持ち続けて、見守りたいものです。


Essay■ 5_124 ロゼッタ 4:探査

 ロゼッタの着陸探査機のフィラエが、彗星チュリュモフ・ゲラシメンコの表面で2回もバウンドしたことは、前回紹介しました。予想外のバウンドがあったのですが、幸いなことに、フィラエの機能は無事だったようです。
 その後、フィラエ自身が撮影した写真によって、着陸地点の様子がわかりました。なんと、崖の陰なっているところ着陸していたのです。さらに、フィラエは横倒しになっていることもわかりました。
 フィラエの動力源は、ソーラーパネルによる太陽光発電でした。日陰では発電量が十分確保でません。彗星は12時間で一回の自転しているので、太陽の日差しが、かろうじて当たる時間帯があります。ただし、その時間は、自転周期の12時間のうち1時間半、地球の一日に換算すると、3時間ほどの日差しでしか充電できません。太陽光に期待できません。
 探査できるのは、フィラエの事前に充電していたバッテリーが動く間だけです。バッテリーが尽きれば、フィラエのミッションも、ほとんど遂行できないくなります。バッテリーが使えるのは、64時間程度と予測されていました。その間に、可能な限りの観測をすることになります。
 体勢が悪く、機体を固定されていないため、ドリルを使う岩石や氷の調査は断念されました。重力が小さいため、下に力を加えると、反作用で飛び出してしまう危険性があるからです。実は、フィラエの重要な任務としてあったのが、彗星の起源の解明でした。ドリルで地下23cmまで掘って、岩石あるいは氷の試料を機体内に採取して、加熱して気化させ、試料の水素同位体分析をする予定でした。このデータから、彗星の起源を探ろうという目的でした。この重要な任務を断念しざるえませんでした。
 その詳細は学会発表にてなされるはずなので、どういう情報がでてくるかは、今後に期待しましょう。
 ただし、現時点でもいくつかの情報はあります。12月10日の段階で、母船のロゼッタからの観測された彗星の水素中の重水素の比率が、地球も水の値の3倍もあることがわかりました。これは、地球の水とこの彗星の水は、起源は違っていることを示しています。
 彗星は太陽の周りを周回しているので、2015年8月13日に太陽に最も接近します。今後、太陽に接近すれば光が強くなります。そうすれば、フィラエのバッテリが充電できるかもしません。それが起こるとしても、まだまだ先の話でしょうが。
 その後も継続してロゼッタのミッションは継続され、計画では2015年12月31日まで続く予定です。はやぶさのミッションのように、最後まで諦めずに、期待を持って見守りたいものです。


Letter to Reader■ センター試験・今年の冬 

・センター試験・
センター試験が先週末にありました。
我が大学も会場になり、
教職員が総出で対応しました。
雪による公共交通機関のトラブルがあったのですが
受験生の遅刻もなく、
予定通りに試験はスタートできました。
2日間の長丁場の緊張を強いられる受験生ですが、
成功をお祈りしました。
開催側の人間としては、
無事に試験が終わることを祈るしかありませんが。

・今年の冬・
北海道は今年の冬は雪が、結構降っています。
積雪量は思ったほど多くはないですが、
これからどうなるでしょうか。
根雪が早かったり、猛吹雪が何度かありました。
年末に雨が降ったこともあります。
今年の冬は、いろいろ変化に富んでいるようです。


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