地球の調べ方
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Essay■ 5_120 だいち2号の打ち上げ成功
Letter■ ロケットの打ち上げ・5mメッシュ
Words ■ 北海道は春が足踏み状態です


(2014.05.29)
 先日、テレビで「だいち2号」の打ち上げのニュースが流れました。軌道への投入から観測準備作業へと順調に進んでいるようです。「だいち」の後継機である「だいち2号」は、陸地の凹凸を詳細に観測するためのレーダを備えています。その目的はどのようなものか、確認していきましょう。


Essay■ 5_120 だいち2号の打ち上げ成功

 2014年5月24日12時5分14秒、種子島宇宙センターから「だいち2号」が打ち上げがおこなわれました。無事打ち上げが終わり、H-IIAロケットから分離をし、予定通りの軌道に投入されました。観測に向けての準備作業は、順調に進行しているようです。
 少し前のエッセイで「だいち2号」の説明を詳しくしたので、やっと打ち上げがおこなわれたとの感もあります。繰り返しになるかもしれませんが、「だいち2号」の役割を紹介します。
 「だいち2号」は「だいち」の後継機で陸地の観測をする衛星です。「だいち2号」の目的は、陸域のレーダによる正確な地形観測です。「だいち」が陸域の基本的なデータをすでに収集しているので、それをより発展させるかたちでの観測装置となっています。精度を上げることと、一気に広域をカバーすることを目的としています。
 レーダの装置は、合成開口レーダ(SAR)とよばれ、高度628kmから、分解能3mという高精度の測定と、100mの分解能で350kmの幅を一気に観測することができます。ひとつの装置でありながら、高精度と広範囲という一見矛盾するような観測データを収集できます。非常にすぐれたレーダ装置であります。
 詳細かつ広域の地形データは、前に運用されていた「だいち」のデータと比較することで、地球全土の地形変動を、経時的変化として読みとることができます。このようなデータは、災害時に備えての基本的データの収集に加えて、地震や火山などの災害予防、予知に役立つと期待されています。
 災害時だけでなく、平常時でも、日本の地図情報の更新、あるいは各国の国土情報の収集、資源開発や環境保全、環境モニターなどにも利用できると期待されています。
 やっと打ち上げが終わったところですが、その活用に期待が膨らみます。


Letter to Reader■ ロケットの打ち上げ・5mメッシュ 

・ロケットの打ち上げ・
私は、種子島宇宙センターも、
鹿児島県の大隅半島の内之浦も
フロリダ半島のケープカナベラルのケネディ宇宙センターも
見学にいったことがあります。
しかし、残念ながら、ロケットの打ち上げは
直接見たことがありません。
一度は見学したいのですが、
なかなか実現できません。
基地の見学はこちらの都合でできるのですが、
打ち上げは、その日程に合わせていかなくてはいけません。
荒天や装置の不具合によって打ち上げ延長もありえます。
もし行ってそのような事態があれば、
無駄足になりなけません。
そんなリスクを、仕事を持っている身では
なかなかとれません。
しかし、ロケットの打ち上げ見学は
生きているうちに実現したい夢の一つでもあります。

・5mメッシュ・
「だいち」の観測データから作成された
5mメッシュの数値標高データは
大変魅力があります。
ただし、有償なので私には手が出ません。
国土地理院が航空機のレーダ測量などのデータで
都市部などの一部データは公表しつつあるのですが、
日本全域ではそろっていません。
ですから、「だいち」の日本全域のデータは魅力です。
今は、国土地理院の努力に声援を送りたい気持ちが強いです。
でも、人の住まないところの5mメッシュのデータは
作成されないだろうなぁという気もします。


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