地球の調べ方
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Essay■ 5_77 プレートとは:テクトニクス1
Letter■ 日食・教科書
Words ■ 教科書も進化しているのです


(2009.07.23)
  だれもが、よく耳にするプレートやテクトニクスについて考えていきます。案外、その詳細を知らない人が多いのではないでしょうか。内容は高校の地学レベルです。今回から、数回にわたってプレートとプルーム、そしてテクトニクスとは、何かを見ていきます。


Essay■ 5_77 プレートとは:テクトニクス1

 プレートテクトニクスという言葉は、多くの人が聞いたことがあると思います。若い人は、皆、学校でも習ったはずです。でも、学校で習ったことがすべて身についているかというと、それはなかなか難しいようです。残念ながら、1980年以前に高校を卒業した私のような年配の人は、習っていませんが。
  現在の大学生、特に文系と名乗る学生は、プレートテクトニクスに関する理解は、そう深くなさそうです。私は、文系で小学校教員を目指す学生たちにも教えているのですが、彼らも状況はあまり変わらないようです。
  大人の人でも、文系と思っている人、あるいは理系の人でも、地球科学に興味のない人は、プレートやテクトニクスの意味や、プレートテクトニクスと地震や火山の関係を理解している人は、どれくらいいるでしょうか。また、日本のプレートテクトニクスにおける特殊性を知っている人はどうでしょうか。
  もちろん、プレートテクトニクスも科学ですから、まだ分からないこと、新しく分かったことなどもあり、その知識や体系は変化しています。新しいところでは、プルームとプルームテクトニクスとは何か、を見ていくことにしましょう。これも、最近、高校の教科書に登場してきたものです。
  プレートテクトニクスの基礎知識からいきましょう。まずは、プレートとは、何か、からです。
  プレートとは、plateのことで、「板」という意味です。地球の表面を、岩石が板状の塊として動いているので、プレートと表現したわけです。「板」とはいっても、地球の表層ですから、非常に大きなサイズになりますが。
  地球は、外側から気体、液体、固体からできています。気体は大気、液体は海洋で、固体は少々複雑です。固体は、外側はマントルと地殻で岩石から、内側は核と呼ばれ、鉄からできています。マントルの外側と地殻がプレートとして振舞います。
  プレートは、マントルと地殻の硬い岩石からできています。「硬い」とは、力が加わっても固体として振舞うという意味です。ある一定以上の力が加わると、「硬い」固体は割れてしまいます。そのような硬い岩石をプレートと読んでいます。
  では、なぜプレートが動くのでしょうか。それは、次回としましょう。


■ Letter to Reader 日食・教科書 

・日食・
さて、皆さんの地域では日食は見られたでしょうか。
私は、曇り空であきらめていたのですが、
雲の切れ間か、雲越しでしたが、
部分日食を観察することができました。
ピンホール効果を期待して、準備をしていたのですが、
雲越しだったので、
影はほとんどできずに撮影できませんでした。
しかし、幸いにも、雲越しに直接、
部分日食をとることができました。
家内にビデオで撮影をしてもらいました。
あきらめずに、空を見ていたからでしょうか、
今回、北海道でも日食を観察できました。

・教科書・
小学校の学習指導要領や指導要領解説理科篇などでは、
プレートという語はでてきません。
しかし、教科書の解説では、
プレートと火山、地震の関係が述べられています。
中学校の第二分野の「地球と宇宙」の単元では、
プレートによる説明が行われています。
高校の地学では、「活動する地球」という単元で、
より詳細なプレートの運動を扱うことになっています。
ですから、高校で地学をとらなかった人も、
小学校や中学校の理科で、
プレートやプレートテクトニクスを習っているはずです。
ですから、もしその授業を覚えていれば、
プレートテクトニクスの意味はわかるはずです。
でも、現実は、なかなかそうもいかないようです。
最近の教科書と自分の習ったころのものを比べてみると
その違い驚くことがあります。
それこそが、学問の進歩の結果なのです。


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