地球の調べ方
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Essay ■ 5_48 第四紀の復活?1:時代区分の更新
Letter■ 漬物・忘年会
Words ■ 忘年会もほどほどに


(2005.12.22)
 地質時代シリーズで「1_52 新生代1:時代区分」(2005.10.27)で第四紀が消えたという話をしました。しかし、第四紀が復活しつつあるという話題を紹介します。


■ Essay 5_48 第四紀の復活?1:時代区分の更新

 地球の過去の歴史は、地質学者がさまざまな手段を使って調べていきます。もともと地球が経てきた時間には区分などありませんから、人があるいは研究者が独自に、自分たちの都合に合わせて時間を区切っていくことになります。しかし、それぞれの研究者が独自に時代区分を行っていくと、時代を比べるときや、後の人が研究を参考にしたい時に、混乱をきたします。そのため、時代区分は、国際的に協議されて決めるという方法がとられています。
 現在、地質学者の国際的な学会として、国際地質科学連合(IUGS)という組織があり、その中の国際層序委員会(ICS)で年代に関する検討と原案作成が行われています。国際層序委員会で、2004年に最新の年代が発表されました。その詳細は2005年3月に出版された「A Geologic Time Scale 2004」という589ページにおよぶ厚い本で紹介されています。1989年以来の15年ぶりの大改定でありました。
 改定で大きく変わったのは、時代境界の年代の値と、第三紀という時代区分が完全になくなったこと、そして第四紀もなくすという方針です。
 最後の第四紀をなくすということが、実は非常に複雑な問題を起こしています。現段階でもまだ解決していません。そのあたりの事情を紹介しましょう。
 2004年あたりに、ICSの原案が提示され、ホームページを見ながら、だいぶ変わったなと感じていました。しかし、時代境界の年代の値は、妥当なものだったようですし、第三紀をなくすというのは以前の1989年からの方針でしたので、それほど混乱は起こりませんでした、しかし、第四紀に関しては、ICSのホームページに紹介されている年代の表で、第四紀があったり、消えていたり、定まらない状態でした。それに、第四紀をなくす派の論文が紹介されていたり、その間の議論もホームページで紹介されていました。
 最終的に本の中でも、第四紀に関するその混乱が、そのまま現れてた状態で、ある表には第四紀があり、別の表では第四紀がなかったりということになっていました。例えば、本の裏面にカラーで印刷された地質時代表では、第四紀が付け足されています。本についていたポスターサイズの大きなカラー図では消えています。本文の時代区分の詳細な表では、次のようなコメントがありました。
「『第四紀』は約260万年前から始まる周期的な気候変動(氷河期と間氷期の事件)をしている期間を考慮した伝統的なものである。そのため、新しい時代区分における完新世、更新世、最後期鮮新世を含むものとなる。層序時代区分での位置は正式決定はまだである」
 ですから、まだ正式には第四紀をどうするかが、まだ決まっていない、混乱した状態であります。
 権威ある組織から出版物が出たということで、そのデータが多くの分野で利用されていくはずです。実際に2004年12月出版された日本の子供向けの図鑑では、この本に基づいた年代の数値が早くも使われていました。今後、第四紀という時代をどうするかというような混乱は、できる限り早く解消する方がいいはずです。しかし、現状はなかなか大変なようですが。
 第四紀についての混乱の詳細については、次回で紹介しましょう。


■ Letter to Reader 漬物・忘年会

・漬物・
北海道にも何度か大雪が降り、除雪車も何度か入り
とうとう根雪となりました。
いよいよ冬本番です。
先日小学校の行事で、農家の人が漬けた漬物を
何種類か食べる機会がありました。
どれもなかなかおいしく、我が家でも作りたいのですが、
なかなかうまくいできません。
昨年に続き今年も秋に、家内が大根を5本ほど買ってきて挑戦しました。
まず、大根を干していました。
どれくらい干せば良いかわからず、もう少しと思って干していたら
なんと、腐ってきました。
昨年に続き2度目の失敗となりました。
昨年は20本ほど買って大きな樽でつくろうとしたので
そのショックは大きかったのですが、
今年は、失敗してもいいようにと少しにしておきました。
でも、やはり家内にはショックだったようで、
あと少しがいけなかったと反省していました。
漬物もなかなか奥が深いようです。

・忘年会・
忘年会シーズンですが、皆さんは楽しんでおられますか。
私は、大学の教職員の大規模な忘年会がありました。
全職員は二百数十名になるのですが、
100名以上の参加がありました。
そこであったビンゴ大会で、私は、
二等を当てて、多くの人から、うらやましがれました。
多くの人は一等の1名分の液晶テレビより、
二等のiPOD nanoを欲しがっていたようです。
もちろん私もそれがあたって大喜びでした。
この忘年間で私は、今年はいい年と思えるような気がします。


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