地球の調べ方
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Essay ■ 5_21 地球はどれほど大きいか
Letter■ すばらしい発想・疑問シリーズ・引越し
Words ■ 最後まで残るものは、智恵

(2003年6月12日)
 地球は大きいです。しかし、その大きさを、人はどのようにして知ったのでしょう。どのようにして、正確に測定したのでしょうか。最初に地球の大きさを測ったのは、いつごろのことで、だれだったのでしょうか。地球がどれほど大きいかを考えていきましょう。


■ Essay 5_21 地球はどれほど大きいか

 地球は大きいです。しかし、その大きさを、人はどのようにして知ったのでしょう。どのようにして、正確に測定したのでしょうか。最初に地球の大きさを測ったのは、いつごろのことで、だれだったのでしょうか。地球がどれほど大きいかを考えていきましょう。

 人間の大きさと比べて、地球は非常に大きいことは、だれでも知っています。では、自分の身長や、1mを単位としたとき、どれほど大きいか見当がつきますか。この答えを求めることは、地球の大きさを測ることになります。自分がその中にいて見当もつかないほど大きいものの大きさは、どのようにしてはかるのでしょうか。
 今の時代なら、宇宙から、地球を眺めれば、その大きさを正確にはかることができます。でも、宇宙からはからなくても、ちょっとしたアイディアがあれば、地球の大きさを求めることができます。そんな先人のすばらしいアイディアを紹介しましょう。
 最初に地球の大きさをはかったのは、古代ギリシアのエラトステネス(BC276年ころ〜BC196年ころ)でした。紀元前250年ころ、エラトステネスは、次のような方法で、地球の大きさをはかりました。
 エラトステネスは、アレキサンドリアとシエネ(現在のアスワン)では、夏至の日に深い井戸のさし込む日差しの違いに気づきました。夏至の日に、シエネでは、深い井戸の底にも日がさし込んでいました。つまり、太陽は、シエネでは真上にあったわけです。ところが、アレクサンドリアでは、深い井戸に影ができていました。その角度は、円周の50分の1(7.2度)ほどでした。シエネは、アレキサンドリアから真南に、当時の単位で5,000スタジア離れたところありました。
 このような情報から、地球の円周は、5,000スタジア×50で25万スタジアになります。ですから、当時の数学の知識から、円周率の2倍で割れば、半径は求めることができます。地球の半径は、約4万スタジアとなりました。
 当時の長さの単位である1スタジアは、158mといわれています。ですから、今日の単位にすると、地球の半径は6290kmとなります。現在では、半径は6371km(平均半径、極半径は6357km)ですから、その誤差は1.3%(極半径では1.1%)というものでした。
 5,000スタジアは79kmです。その距離を正確ではかるのは容易ではありません。アレキサンドリアとシエネの距離はどのようにして求めたかは定かではありませんが、砂漠の商隊などで、よく訓練された人やラクダの歩くスピードなどを使ってはかったのではないかと考えられています。
 現在でも、地表での測定は、エラトステネスと測定方法をより精度をあげておこなっているにすぎません。その方法は、さえぎるもののない大平原で、できるだけ広く距離をとって、その距離を三角測量し、その実測距離と経度差(円周の何分の一にあたるか)で調べます。
 もちろん、地球は完全な球ではありませんので、場所によって大きさが違います。例えば、子午線1度(地球の北極から南極まで、180度としたときの緯度分)の長さは、赤道では110.57kmですが、経度30度(赤道から角度で30度分)のところでは110.85km、経度60度では111.41kmとなり、1%近い誤差があることになります。
 エラトステネスの測定精度には、現代の精度に匹敵するほどのものです。たとえその誤差とが大きかったとしても、エラトステネスのアイディアに驚かされます。たまたま深い池でそのような現象に気づいたことが発端でしょうが、それを地球の円周や半径を求めるに利用しようという発想がすばらしいものです。そのアイディアは現代までに活きていたのです。この発想こそが、智恵というものです。こんな智恵を生むことができる人間がなりたいものです。私では、もう手遅れでしょうか。


■ Letter to Reader すばらしい発想・疑問シリーズ・引越し

・すばらしい発想・
すばらしい発想、智恵は、
たとえその結果が、後に大きな誤差を含んでいたとしても、
人類の知的遺産として、価値あるものです。
そして、そんな智恵を誤差が大きいからといって
葬り去らないように注意すべきでしょう。
そのような発想を次に得ることができるには
長い時間がかかるかもしれません。
そんな人たちの智恵は、人類の宝です。
いくら賞賛してもやまないもののはずです。
そして、そんな智恵を人類の知的遺産に
付け加えた人を賞賛すべきでしょう。
賞や賞金を与えるなどというささやか報奨ではなく、
人々の記憶にとどめ、
歴史に残すことこそ、本当の報奨ではないでしょうか。

・疑問シリーズ・
素朴な疑問シリーズです。
今回は地球の大きさでした。
現代では、地球の大きさは
人工衛星の運動を精密に測定することにで、
より正確に地球の大きさをはかることができます。
そして正確になればなるほど、
地球のいびつさが見えてきます。
地球は赤道で切ったとすると、楕円となります。
また子午線で切っても
楕円で、北極で出っ張り、南極でへっこんだ
いびつなかたちをしています。
精しく見れば見るほど、アラが見えてくるようです。
まるで、美人を見たときのようです。
おっと、これは、セクハラになる発言でしょうか。

・引越し・
私事になりますが、
6月7日に新居に引っ越しました。
荷物が片付かず、落ち着きません。
思い起こすと私は、これで、14回目の引越しです。
転勤族ではないのですが、やむにやまれずに引っ越しました。
私は、余り気にならないのですが、
子供に精神的負担をかけているので、それがつらいのです。
今回の移動も子供に負担をかけないように選びました。
同じ市内での移動です。
いままでの借家住まいから、
自宅への引越しです。
ここが終(つい)の住まいとするつもりで、
新築しました。
もちろんローンです。
健康と将来のことを考え、分不相応の家となりました。
幸い、築8年モデルハウスが売りに出ていたので
安く購入できました。
北海道の木だけでつくられた家です。
そして北海道の産の桂の木を使った家です。
できて年数がたっているせいで、
桂の木が飴色のようないい色合いになっています。
まあ、これ以上言うの自画自賛になりそうです。