地球の調べ方
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5_15 宝石とは

(2002年3月21日)
 宝石は、女性を魅了します。というとセクハラになるのでしょうか。男性でも、宝石を飾る人もいるでしょうし、お金になるので、魅了されているかもしれません。今回は、人びとが魅了されてやまない、宝石についてみていきましょう。


 宝(たから)とは、さまざまなものがあります。多くの人にとっての宝もあります。人類全体にとっても宝は、世界遺産です。国の宝は、国宝です。家の宝は、家宝です。ひとりひとりにとっても、宝があるはずです。
 宝は、その大きさには関係がありません。小さな宝として、宝石があります。宝石は、誰もが宝と考えます。鉱物の知識もない古い時代から、宝石はあります。
 宝石は、大地の贈り物です。宝石とは、多くは鉱物の結晶です。天然の鉱物のうちで、特にきれいなもの、硬くて、変質や変色のないもの、そして少ししかないものを宝石といいます。宝石は高価なものをいうのですが、やや安いものは貴石(きせき)とよび、安いものは飾り石といって区別して呼びます。
 宝石を、きれいなものや硬いものなどという条件をつけました。「きれい」とは、鉱物の結晶として完璧さ、色や透明感、輝きなどから、総合して、人間が感じることです。硬いというのは、きれいさを保つために必要となります。やわらかいと、長年使っていると、傷ついていき、輝きをなくしていきます。しかし、十分に硬いと、傷つくことはあまりなく、きれいなまま保たれます。
 鉱物は、天然の結晶ですから、多少の傷があります。そのような傷を人が補(おぎな)い完璧なものにしたのが、宝石です。あるいは、よりきれいに見えるために、人はカットの方法や磨き方を考えだしました。それでも、きれいなものは、天然の鉱物のほんの一部なのです。
 宝石とは、選びに選び抜かれた鉱物の結晶なのです。したがって、選び抜かれた宝石は、数も少なくなり、希少性が出てきて、値段も高くなります。その代表的なものが、ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルドなどです。
 このような宝石を、誕生月を象徴するようにしたものを、誕生石といいます。誕生石の起源は、聖書やユダヤの歴史書などに、12種類の宝石の話がでてきます。その種類が現在のものかどうかは、はっきりしていません。しかし、人は、古くから宝石を大切にしてきたのです。そして、宝石には神秘的な力があり、幸運をまねくと考えてきたのです。
 現在の誕生石は、1912年にアメリカ合衆国の宝石屋さんが集まって、決めたものです。ちなみに、誕生石は、1月はガーネット、2月はアメジスト、3月はアクアマリン、コハク、4月はダイヤモンド、5月はエメラルド、ヒスイ、6月はムーンストーン、アマゾナイト、真珠、7月はルビー、8月はペリドット、メノウ、9月はサファイア、10月はトルマリン、オパール、11月はトパーズ、12月はトルコ石、ラピスラズリ、となっています。このなかには、鉱物ではないものや、宝石の条件に合わないものも含まれています。
 宝石は、マグマからできたり、地下深くでの高温や高圧の条件できた結晶です。宝石は、地球の営みによってできたものです。宝石の奥底に見え隠れする地球のダイナミズムを感じてください。