地球地学紀行

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Essay■ 4_169 火星のマントルプルーム 1:なぜ火星を目指すのか
Letter■ 寒波襲来・年中行事
Words ■ まだまだ寒い日が続きそうです


(2023.02.02)
 地球地学紀行で前回も火星でしたが、今回も取り上げます。火星には調べなければならないことが、まだまだあります。火星の深部に由来するマントル対流について報告がありました。それを紹介していきましょう。

Essay■ 4_169 火星のマントルプルーム 1:なぜ火星を目指すのか

 地球の近くの惑星は、金星と火星です。金星は太陽に近いところを公転しているため、観測することが難しく、厚い大気もあるので、探査機を下ろすことも困難です。一方、火星は、大気もあるのですが薄く、地球の外側で公転で地球の近くの位置にあるときは観測もできます。
 火星は、太陽系に惑星(月は除く)で、もっとく多くの観測がされてきました。そして現在も探査が継続されています。
 かつては、火星の地形を観測して、運河があるように見え、火星人が文明を持っていると考えた人たちもいました。しかし、今では、多数の探査機が近づき、火星表層にローバーが降りて探査もしているので、文明がないことはわっています。生命もまだ見つかっていません。しかし、もしかすると微生物がどこかにいるかもしれないという期待は残されています。
 そもそも、なぜ火星が探査されるのかというと、地球とは異なっていますが、生命がいてもおかしくなく条件があること、人類が訪れられる可能性がある天体であることが、重要な動機になっていると考えられます。
 薄いですが大気があり、季節変化が起こっています。かつては海があった痕跡や、水が氷としてあることがわかっています。そのため、生命が誕生した可能性があり、現在もどこかに生きている可能性もあります。月に続いて人類が降り立てる天体として、もっとも可能性があるものです。そのために、詳細な探査や情報収集が不可欠になります。
 惑星探査の中で、火星がもっとも活発になされています。現在も、探査は続けられて、アメリカ合衆国のパーサヴィアランスは2021年から現在も調査をし、時々ニュースになっています。その活動については、2022年5月12日のエッセイ「4_163 火星研究への旅 8:パーサヴィアランス」でも初回しましました。
 中国も火星を周回している「天問1号」と、そこから切り離された祝融号という探査機も2021年に着陸しました。地表での探査をし、2kmほど移動して映像も公開されていたのですが、2021年9月には障害でを中断され、その後再開したという報告はありません。
 いくつもの探査の結果、太陽系では火星がもっともわかっている惑星となりました。それでも、まだまだわからないこと、あるいは探査で新たにわかってくることもあります。


Letter to Reader■ 寒波襲来・年中行事

・寒波襲来・
先週、寒波の襲来が日本全国にあり、
あちこちでトラブルが起こりました。
郵便や荷物の輸送などにも大きな影響がありました。
なにより公共の交通機関が運休があり
立ち往生などもありました。
わが町を通るJRでの立ち往生は
大きなニュースになりました。
雪になれているはずの北海道でも
立ち往生があったのですから、
全国では多くの人に影響がありました。
早く寒波がおさまればいいのですが。

・年中行事・
大学は定期試験も今週はじめで終わり
一般入試がはじまります。
後期の成績評価もあります。
講義は終わった時期なのですが、
大学はいろいろと忙しくなります。
まあ、これも大学の年中行事と考えれば
教員にはいつもの忙しさとなるのでしょうか。
4月からはサバティカルがはじまるので
校務から開放されて、研究に専念できます。
大学の年中行事からはずれて
非日常がはじまるので
今から楽しみにしています。