地球地学紀行

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Essay ■ 4_116 高知 2014年 1:五色ヶ浜
Letter■ 大地を眺める・横浪黒潮ライン・ぎっくり腰
Words ■ 層状チャートの大露頭は素晴らしい


(2014.10.16)
 今年の9月に高知の西部の調査にでました。高知はこのところ毎年のように通っています。以前は愛媛だったのですが、最近は高知にシフトしています。テーマとの兼ね合い、研究費との兼ね合いで、このようになっています。今回は、高知県土佐市宇佐町ということにある五色ノ浜というところを紹介します。


Essay■ 4_116 高知 2014年 1:五色ヶ浜

 高知市から海岸沿いを進むと、仁淀川を超えると県道23号線になります。さらに進み、宇佐の街で海岸沿いに進むには、大きな橋の方にコースをとることになります。そちらは県道47号線となり、横浪黒潮ラインと呼ばれるコースです。23号線の方が短くカーブの少ないので早いのですが、私は、このコースが好きで、大抵こちのコースを通っています。
 今回の宿泊もこのコース沿いにとっていました。今回の調査地は、五色ノ浜というところです。多様な色の石がころがる海岸からこの名称がつけられました。以前はいろいろを道があったようですが、今では、海岸に降りる道だけが残っており、あとは痕跡だけです。
 この地は、2011年2月に国の天然記念物に指定されたところでもあります。今回訪れたら、案内板が立てられていました。日本の地質学が、詳細な野外調査と微化石や古地磁気などの抽出分析などを行なって、付加体というものを証明した地という説明がありました。日本が固有に培ってきた手法が、地質学に新たな展開をもたらした、記念すべき地となっています。そのような歴史も天然記念物に指定される重要な根拠だったようです。
 私が見たかったのは、一番目は、南側に分布する巨大な層状チャートの露頭を詳しく記録することです。次に、北側にある「地震断層の化石」と呼ばれる露頭でした。
 一番の目的である層状チャートをみるには、いくつかの岩の尾根を越えて少々長いルートで海岸を歩くことになります。尾根越えや海岸歩き大した問題ではなく、一箇所干潮のときでないと渡れない岩場がありました。多少ぬれる覚悟でいけば、いつもで行けるのかもしれませんが、濡れるのは気が進まないので、条件を見て通りたい岩場です。初日は満潮に近い時間であるとの、台風の影響で波が荒かったので、渡れず周辺をみることにしました。翌朝、満潮時間を調べていきました。行きは足場が少し水に浸かっていましたが、簡単に渡れました。なお帰りは、完全な干潮で足場を気にすることもないほど、簡単に通り抜けられるようになっていました。
 ここの層状チャートは、本や雑誌の表紙を飾るほど見事なもので、一見の価値があります。ただし、そこまでのアプローチは日時を選ばないと水没の危険性ものあるので注意が必要です。
 幸い今回の調査では、で、普段は水没している層状チャートの露頭も、大潮に近い干潮だったので、降りて近づいて観察することができました。規模の大きさもなかなかものでしたが、近づいてみる岩相の変化はなかなか迫力がありました。チャートから赤色頁岩への移行もみごとでした。
 そんな層状チャートの堪能して露頭を後にしたのですが、気づいたら自作のカラーチャート付きスケールをなくしていることに気づきました。他にもスケールもっていたので、調査に支障はなかったのですが、今頃は波に飲まれて藻屑となっているのでしょう。
 もう一つ残念だったのは、岩場にぶら下げていたカメラをぶつけて、レンズカバーのフィルターを割ってしまいました。レンズ本体は無傷だったので助かりました。レンズをむき出しだと、これからの調査で少々不安がありました。幸い通りがかり街でカメラショップを見つけ、レンズカバーとレンズキャップの買い足しました。調査日程の終わりもまだ干潮が続くので、再度、この露頭にみるくるつもりですが、叶いませんでした。


Letter to Reader■ 大地を眺める・横浪黒潮ライン・ぎっくり腰

・大地を眺める・
五色ノ浜の地質の概要は、
「GeoEssay 大地を眺める」というエッセイで紹介しています。
72 横浪:メランジュを跨いて
http://geo.sgu.ac.jp/geo_essay/2010/72.html
で紹介しています。
興味ある方はご覧、いただければと思っています。

・横浪黒潮ライン・
横浪黒潮ラインのパーキングエリアには、
小さい食堂あるはアイスクリンを売っている
おばあさんがいます。
以前は、ここでよくアスクリンを食べながら
おばあさんとの語らいを楽しんでいましたが、
体重制限をしちているので甘いモノは食べなくなり、
会話もなくなりました。

・ぎっくり腰・
再度、訪れる予定でしたが、断念しました。
その日は、満月のころで大潮でもっとの潮がひくはずでした
そして天気は快晴。絶好の調査日和でした。
ぎっくり腰で動けなくなり、
残念ながら、層状チャートに名残を残しつつ
県道47号線を通り過ぎました。