地球地学紀行

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Essay ■ 4_73 鍾乳洞:沖縄1
Letter■ 暑い沖縄・ミス
Words ■ 沖縄は暑かった


(2007.04.05)
  2007年3月26日から31日まで沖縄に行きました。3年前にも家族で訪れています。今回の訪問の目的は、沖縄本島の石灰岩をみること、そして付加体の地層を見ることでした。まずは石灰岩を紹介しましょう。


■Essay 4_73 鍾乳洞:沖縄1

 沖縄のマリンブルーの海には、サンゴ礁があります。サンゴ礁が陸地に上がり固まると石灰岩になります。ご存知の方もおられるかもしれませんが、沖縄は非常に石灰岩の豊富なところです。石灰岩が織りなす地形がいたるところに見られます。
  沖縄の石灰岩には、いくつかの種類があります。石灰岩としては同じものなのですが、時代が違っています。それは古いものと、新しいものです。
  新しい石灰岩とは、琉球列島に広く分布する「琉球石灰岩」と呼ばれています。更新世(180万年前から1万1500年前)の新しい時代(多分70、80万年前以降)から堆積しはじめたものです。
  琉球列島では、60kmの幅と300kmの長さにわたって、サンゴ礁堆積物が連続的に分布しています。サンゴ礁の大部分は、海底にあり、陸に上がっていませんで。
  琉球列島の島になっている部分だけが、上昇して陸化しました。サンゴ礁に覆われた島の部分は、平坦になっています。もともと平らな面を持っていたのと、侵食に弱い岩石であるためです。沖縄本島の南部のそのような平坦な地帯になっています。
  サンゴ礁が陸に上がりますと、侵食や再沈殿がはじまります。地表のものだけでなく、地下水の面より上にあれば、水が浸透していきます。サンゴ礁は隙間が多く、水が浸透しやすい性質をもともと持っています。ですから、沖縄本島の南部は雨の多い地帯にかかわらず、水不足が問題となっています。
  大気中の二酸化炭素を溶かしこんだ雨水が、石灰岩の中に浸透してくると、石灰岩は溶解していきます。サンゴ礁がそのまま陸化した石灰岩は、非常に解けやすく、洞窟を作りやすくなります。解けた石灰岩は、再沈殿します。このような作用が繰り返し行われると鍾乳洞が形成されます。
  私は、今回、玉泉洞という鍾乳洞を見学しました。新しい時代のサンゴ礁からできている石灰岩なのに、非常に大きく深いものです。鍾乳洞内には、さまざまな形状や成因の沈殿物がみられます。玉泉洞の石灰岩は、上で述べたような原因で、石灰分の沈殿の速度が非常に大きいためです。そのスピードは、コンクリートの上に鍾乳石が成長をはじめているほどでした。
  私にとって、この鍾乳洞で一番印象に残ったのは、多様な鍾乳石の中でも、「槍天井」と呼ばれているところでした。槍天井は、天井から細い本当に槍のように見える鍾乳石が、多数垂れ下がっているところです。誰が数えたのかは知りませんが、槍の数が2万本もあるそうです。
  沖縄島は、現在も変化を続けているところなのです。


■Letter to Reader 暑い沖縄・ミス

・暑い沖縄・
以前沖縄を訪れたのは、2月末から3月上旬でした。
今回は、それより一月遅い3月末でした。
今年は暖冬だったせいでしょうか、
寝る時は蒸し暑くて寝れないほどでした。
まるで梅雨を思わせ気候でした。
晴れた日に、地層を見るために、海岸を半日歩いたのですが、
家族一同真っ赤に日焼けをしてしまいました。
今回の私の目的は、石を見ることでしたが、
家族の目的は、水族館(再訪)とガラス細工やシーサー作成など、
沖縄ならではのものを楽しむことでした。
そして、みんなほぼ目的を達成することができました。

・ミス・
沖縄には25日から6泊7日の予定で出かけるつもりでした。
しかし、空港に向かう途中、チケットを忘れるというミスをしてしまいました。
途中で気づいたのですが、家内がタクシーで自宅にとりにもどったのですが、
寸前のところで間に合いませんでした。
再度チケットを購入する金銭的余裕はありませんので、
どうしようか迷っていました。
子供たちは行きたがっています。
幸いなことに、私が、事前にぎりぎりか遅れるかもしれない
という届けをカウンターに出向いてしていました。
乗り遅れた後、どうにかならないかと
カウンターで、すったもんだの交渉をしました。
担当の人が、何度か偉い人に聞きにいってるうちに、
事前に私が届けていた担当者が見つかりました。
その人がカウンターのチーフだったので、直接交渉できました。
翌日ならチケットを、そのままで、1日短いのですが
追加料金なしに手配できるという扱いにしていただきました。
その日は、自宅にもどったのですが、翌日に無事出発できました。
1日短かったのですが、沖縄の旅行をすることができました。