地球の仕組み

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Essay ■ 3_212 内核の話 3:逆回転か
Letter■ 雨の日もある・競争的研究費の採択
Words ■ 雨でも日程通りに進む


(2023.06.15)
 このシリーズでは、内核に関する最近の論文をいくつかまとめています。内核の存在はよく知られていますが、その実態は必ずしもよくわかっていません。今回は、内核が逆転しているという報告を紹介します。


Essay■ 3_212 内核の話 3:逆回転か

 液体の鉄の中心部に固体の内核があります。液体の内部に固体が釣り合った状態であることになるので、自由に動くことができます。地球は自転しているため、その影響も受けるはずです。
 しかし、内核がどのように運動(回転)しているのかについては、いろいろな説があります。今回は、固体の内核の運動についてのものです。
 2023年1月23日にイギリスのNature誌の姉妹誌「Nature Geoscience」に、Yi YangとXiaodong Songの共著の論文、
 Multidecadal variation of the Earth's inner-core rotation
 (地球の内核の回転の数十年の変動)
が発表されたました。この論文は、タイトル通りに、内核を通る地震波の観測データを、過去数十年間分集めて、検討していき、変動を調べています。
 内核は地表に対して振動しているとしました。その振動の周期は、一往復に約70年かかり、約35年毎に回転方向が変わるとしています。報告によると、2009年ころに回転が一度停止し、その後逆回転をはじめことになり、次の変化は2045年ころにかわると想定しています。
 内核を通過する地震波の変動はすでの多くの研究者が検出していますが、そのデータの説明には定説がありません。内核の運動に関するどのようなモデルを用いるかによって、いろいろな説があるようです。また、どのモデルでも観測データを完全には説明できないようです。
 回転方向の変化の周期には、約6年ごと、あるいは20から30年ごととする説、また2001年から2013年に大きく変動し、その後静止しているという説など、さまざまなものがあります。
 外核の運動は、地球ダイナモを駆動していると考えられているので、外核の変動は地磁気への影響がありそうに思えます。内核の動きが、地球全体や、表層環境にどのような影響があるのでしょうか。それはまだ不明です。


Letter■ 雨の日もある・競争的研究費の採択 

・雨の日もある・
台風の通過の後、四国山地の中心部を
東から西に横切るルートで野外調査をしました。
主には三波川変成岩と四万十変成岩を
見ていくことが目的でした。
メインの場所は、大歩危周辺でしたが、
2日目は雨で見ることができませんでした。
3日目は晴れていました。
しかし、増水で河原へはいけませんでした。
川船に乗って遠目で眺めることにしました。
今回は、4日間のうち、2日間は雨でした。
晴れは移動の初日と3日目でしたが、
まあ野外調査にはこんな時もあるでしょう。

・競争的研究費の採択・
先日、競争的研究費の採択通知が届きました。
研究成果を公開するためのもので
専門書2冊の印刷出版を申請しました。
以前から継続してるシリーズの出版です。
サバティカルの初期の作業として
2冊の本の推敲、編集、校正作業がありました。
初校の推敲を2つとも終わりました。
あとは、時間をおいて再度校正を繰り返します。


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