地球の仕組み

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Essay ■ 3_200 海と大気の起源 3:マグマオーシャン
Letter■ 出張続き・リフレッシュ
Words ■ もう9月になりました。慌ただしい8月です


(2022.09.01)
 現在の地球の表層の揮発成分は、材料と比べて、いくつかの成分で枯渇していました。地球初期のマグマオーシャンを考えると、想定されると揮発成分とは全く異なったものとなりそうです。どう解決すればいいでしょうか。


Essay■ 3_200 海と大気の起源 3:マグマオーシャン

 櫻庭さんたちは、BSE(Bulk Silicate Earth)を用いて検討しています。BSEとは、一般に岩石学で用いられるもので、マントルの珪酸塩の平均値としても用いるので、始原的な岩石組成を想定するものです。しかしこの論文では、地球の核の成分を除いた大気、海洋、地殻、マントルを含んだものにしており、少々異なった意味で用いられています。このBSEを初期地球の組成として考察が進められています。
 BSEをもとに、隕石がもっていた揮発成分が、どのように枯渇していったかを検討し、その原因を考えています。地球が形成されているときを想定していきます。
 原始惑星が成長しているときは、小天体がいっぱい衝突しているので、衝突の時に放出されたエネルギーと、原始大気の温室効果とあいまって、地表は高温になっていきます。表層の岩石も融けマグマになるほどの高温が、維持されていきます。その結果、ある程度成長した原始惑星では、マグマの海「マグマオーシャン」が形成されます。
 金属の鉄は密度が大きいので、マグマオーシャンから分離し沈み、核と形成します。その時、液体の鉄に溶け込みやすい炭素、窒素、水素はある程度、核へと持ち込まれます。ただし、水は、マグマにも溶けこみやすいため、マグマオーシャンに残ります。小天体の衝突が収まってくると、マグマオーシャンは固化していきます。水は岩石にはあまり入らず、やがて海となります。
 また、窒素は、鉄には少し取り込まれますが、マグマオーシャンにはあまり取り込まれません。この状態で、地球表層には、窒素は固体内に取り込まれることなく、表層に残ります。ですから、最終的には大気に多く残ります。
 マグマオーシャンが固化した後、この時期の地球表層では、炭素質コンドライトと比べて、炭素、水素、窒素の順に枯渇していきます。現在の窒素、炭素、水素という順の枯渇とは、全く逆になっていたと推定されます。
 このような問題を解決するために、いろいろな条件を考えて、シミュレーションがなされ可能性が検討されました。その結果は、次回としましょう。


Letter■ 出張続き・リフレッシュ 

・出張続き・
先週末に1泊2日で校務で出張しました。
この時は大学の教職員が大勢が出張するので
大学バスで一緒でかけます。
宿泊も移動も気にせず、
校務だけを気にすればいいので
精神的には楽にいけます。
一日おいて、同じ場所へ別件の校務があります。
今度は一人で自家用車での出張です。
前泊しなければならないので、探すのは面倒なので、
同じホテルを予約しました。
2日目、午前中の校務が終われば、
そこから連続して研究出張で
さらに3泊4日でかけます。
このエッセイは出張前に予約配信しています。

・リフレッシュ・
先週は、4日間、前期最後の集中講義がありました。
翌日に成績評価、その他の校務書類を、
処理して提出しなければなりませんでした。
終わったときの充実感はありましたが、
心身ともに疲れました。
ですから、その後の連続の校務出張も研究出張も
大変ですが、精神的はリフレッシュできそうです。



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