地球の仕組み

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Essay ■ 3_189 地磁気逆転 1:チバニアン
Letter■ 冬布団・季節の巡り
Words ■ 短い秋が深まっています


(2020.10.15)
 チバニアンは、日本の地層ではじめて国際的な標準地に選ばれて、時代名称になったものです。最近、チバニアンで新しい研究が報告されました。その研究には、どのような経緯があるかをみていきましょう。


Essay■ 3_189 地磁気逆転 1:チバニアン

 2020年1月17日、国際地質科学連合によって、地質時代の名称に日本を模式地とした「チバニアン」が認定されました。認定される前にも何度もニュースになり、このエッセイでも紹介したことがありました。そのためご存知の方も多いのではないでしょうか。
 チバニアンに関して、なぜ日本で認定されたのか、あるいはそもそもその時代名称にどのような意味があるのか、についてみていきましょう。今回紹介する論文は、この意味に関連しています。
 時代名称を決めるにあたって、その時代の前後の境界が重要になります。時代境界にははじまりと終わりの両側が必要になります。もしどちらか一方が決まっていれば、もう一方を決めればいいわけです。チバニアンの場合は、前の時代との境界を決定することになります。
 チバニアンより前の時代は「カラブリアン」です。この時代境界の決定に関しては、千葉の他にも2箇所、イタリアに候補地があって、3箇所で争っていました。カラブリアンとチバニアンの境界を、根拠をもって正確に決められたことが、チバニアンに決定される重要な根拠になっています。
 新生代第四紀更新世は、4つに区分されているうちの、チバニアンは古い方から3番目に当たります。その期間は、78.1万年前から12.6万年前までとなります。カラブリアンとチバニアンとの境界では、地磁気の逆転が起こったことが、地質学的に重要な事件とされています。
 地磁気の逆転は、地球史上何度も起こっているのがわかっているのですが、もっとも新しい地磁気の事件がチバニアンに関係しています。その事件は、現在の磁場と比べると磁気が逆転していることになるので、その事件の名称も「松山−ブリュンヌ逆転(258万〜77万年前)」と呼ばれています。200万年近くの間、現在の磁極とは逆転していました。そして現在の78.1万年前に現在の磁極に変わった事件を、この時代境界にしようと考えられました。
 松山−ブリュンヌ逆転とは、二人の発見者の名称から名付けられています。松山は、日本の地球物理学者である松山基範(まつやま もとのり)さんに由来しています。松山さんは、兵庫県の玄武洞や東アジア各地で古地磁気を調べた結果、地球の磁場が、現在のものとは反転していることに初めて気づき報告しました。
 日本の研究者が日本で地磁気の逆転を発見し、その事件が、時代の境界に当たるわけです。古地磁気で逆転を発見した人も、発見された場所も、千葉とは関係はないのですが、心情的には、そのような由来の時代に、日本が関係する名称になって欲しと思ってしまいます。その結果として、千葉のチバニアンに決定され、大きなニュースになりました。
 その地を舞台に、新たな報告がありました。その内容は次回としましょう。


Letter■ 冬布団・季節の巡り 

・冬布団・
北海道は寒くなってきました。
時々ストーブをつけるようになってきました。
長くつけていくと暖かくなりすぎることが多いので、
そんなときは停めてしまいますが、
ストーブが恋しい季節になりました。
現在、冬物の布団を打ち直しに出しています。
夜寝る時、少々寒く感じるようになってきました。
夏過ぎに出したのでどうなっているか気になってきました。
1月以上かかるとは聞いていたのですが、
現在、進行状況を問い合わせ中です。

・季節の巡り・
毎年、この時期、授業で落葉拾いをするのですが、
9月下旬は落葉が少なかったのですが、
10月に入ると、一気に紅葉が進み
落葉もたくさん落ちはじめました。
ところが、紅葉は木の上や端の方から
まだらに進んでいっています。
紅葉のはじまり工合が不順です。
今年は、天気のいい日に雪虫が
少し飛んでいるのをみたのですが、
まだ数が少ししか見かけません。
これからでてくるのかもしれませんが、
季節の移り変わりがいつもとは違うようです。


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