地球の仕組み

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Essay ■ 3_186 地磁気とマグマの海 2:外核の流動
Letter■ 人とは対面で・梅雨前線
Words ■ 人と人とは対面で本当のコミュニケーションができる


(2020.07.16)
 地球の磁気(地磁気)について紹介しています。地磁気は、現在生きている生物に対してのバリアの働きをしていことは前回紹介しまた。今回はその地磁気の由来について見ていきます。


Essay■ 3_186 地磁気とマグマの海 2:外核の流動

 地球の磁気の起源について考えていきましょう。地球の内部には、岩石できた地殻の下に、やはり岩石からできたマントルが深くまであります。マントルより、さらに深部は鉄からできていることが、地震波の研究でわかっています。地震波の研究より、核の内部は、内側(内核と呼ばれる)に固体の鉄があり、外側(外核)には液体の鉄があることがわかっています。核は、同じ鉄できているのに、なぜ固体と液体がきれいにわかれているのでしょうか。
 一般の物質では、液体より固体の方が密度が大きくなります。そのため、液体中で結晶化がはじまると、できた結晶は固体として沈降していきます。これが、内側に固体鉄、外側に液体鉄が存在している理由です。(ただし、水だけが例外です)
 核で、鉄が液体から結晶化する時、潜熱の放出が起こります。外核内で熱の不均衡が生じ対流が起こります。また放出された熱は、マントルを温める役割も果たしています。これがマントル対流の駆動力となっています。
 熱による対流と地球の自転により、液体鉄が流動を続けます。金属鉄は電気の伝導体でもあり電磁誘導体でもあります。金属鉄が流動することで、電流が発生して、電流で磁場が生成されます。流動が続く限り、磁場形成が続くと考えられています。このような地球内部の金属鉄の流動による磁場の発生を、地球ダイナモ理論と呼んでいます。ダイナモとは発電機のことなので、地球が自家発電をしながら、磁場も維持していることになります。
 地球の磁場は、N極とS極が存在する磁気双極子となっています。一見安定しているように見えますが、地球が過ごす長い時間でみると、しょっちゅうN極とS極が入れ替わり、つまり地磁気の逆転が起こっています。一旦、磁場が逆転が起こると、しばらくは安定しています。今から77万年前は、逆転していました。その発見者である松山基範の名前をとって「松山逆磁極期」と呼んでいます。松山逆磁極期は258.1万年前まで続いていました。
 さて、この地磁気ですが、いつから始まったのでしょうか。それは次回以降としましょう。


Letter■ 人とは対面で・梅雨前線 

・人とは対面で・
大学は、まだ静かです。
リモート講義が決定しているためです。
しかし、用事があれば学生も出入りできるので、
時々学生をみかけます。
また、生協も一部再開しているので、
昼食時になると、学生が出入りします。
先日、ゼミの学生が突然、書類を渡しにきました。
驚きましたが、久しぶりに生でゼミ生を見ました。
リモートでは顔はみていたのですが、
やはり、人とは対面で会ったほうが
お互いの存在感を感じますね。

・梅雨前線・
九州から本州にかけて、停滞した梅雨前線が
大きな洪水被害を出しています。
今年は、例年になく梅雨前線が
活発になっているようです。
北海道も、どんよりした天気が続いています。
雨も時々降りますが、晴れたり曇ったり、
雨だったりと変化が激しいです。
湿度も高いので、蒸し暑い日もあります。
しかし、夜は涼しいので、
窓を閉めて寝なければ風邪をひきそうです。
どうも今年は気象が例年とは異なっているようです。


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