地球の仕組み

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Essay ■ 3_178 惑星系の誕生 2:アルマ望遠鏡
Letter■ センター試験・卒業研究発表会
Words ■ 週はじめは、豪雪でしたす


(2019.01.24)
 惑星ができる時の様子がわかってきました。原始星の観測から明らかになってきました。チリの高原にある巨大な望遠鏡で、日本も設立に参加していました。


Essay■ 3_178 惑星系の誕生 2:アルマ望遠鏡

 惑星形成に関する新発見は、できたての星の観測によるものでした。その観測は、アルマ望遠鏡によるものでした。アルマ望遠鏡は、アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(ALMA:Atacama Large Millimeter / submillimeter Array)の略称で、チリの北部、アタカマ砂漠の中にあります。アタカマ砂漠は標高5000mの高地になっています。
 なぜ、このような不便で標高の高い過酷な環境に望遠鏡があるのでしょうか。それは、ミリ波からサブミリ波の波長を観測するために適している地だからです。ミリ波は波長が1〜10mm(周波数が30〜300 GHz)で、サブミリ波は波長が0.1〜1mmの(300 GHz〜3THz)の電波です。いずれの波長の電波も、大気中に含まれている水蒸気によって、吸収が激しくて感度が悪くなっているます。日本のような湿潤な気候の地では、いい観測できませんでした。そのため、標高が高く砂漠の高地が観測に適していることになります。もちろん水蒸気を含む空気も薄い方が適しています。
 世界中のそのような条件を満たした「観測最適地」がいろいろ候補が挙げられた中で、最も適した地としてアタカマ砂漠が選ばれました。標高も高いので空気が薄く、また非常に乾燥していて年間降水量が100mm以下しかありません。観測する研究者にとっては過酷ですが、観測条件が優先です。
 日本だけでなく、東アジア、ヨーロッパ、北米の諸国が、チリと協力して建設されました。チリが選ばれたのは、先程の「観測最適地」を満たし、なおかつ、南半球は観測できる拠点が少ないので、今まであまり研究がなされていない星域での観測が期待されたためでした。
 この望遠鏡は巨大です。ひとつの望遠鏡ではなく、複数のアンテナが組み合わられて、ひとつの巨大なアンテナとなっています。直径12mのパラボラアンテナが54台、直径7mのパラボラアンテナが12台、合計66台のアンテナから構成されています。これまでの電波望遠鏡の約100倍の感度と数10倍の解像度を持った性能となっています。
 ただし、弱点もあります。不便な地です。日本から40時間ほどかかり、なおかつ標高も高いので高度障害も起きやすくなります。しかし、観測には理想的な環境なので、天文学者は訪れることになります。
 アルマ望遠鏡は、銀河の形成、星や惑星の誕生、有機分子の合成などの物質進化、ブラックホールの研究に威力が発揮できると期待されています。今回の報告もその一環です。


Letter■ センター試験・卒業研究発表会 

・センター試験・
先週末、センター試験が終わりました。
北海道はセンター試験の前後は大荒れの天候でしたが、
幸い試験の日は穏やかな日でした。
受験生にとっても実施する側いとっても
ホッとできる天気でした。
全国50万人以上の受験生が
一斉に同じ条件で試験に望むことになります。
日本列島は長いので気候のハンディもあるはずです。
それを克服することは難しいものです。
長年続いてきたセンター試験も来年度で最後になります。
次の試験はどうなるのでしょうか。
受験生が一番心配でしょうね。

・卒業研究発表会・
学科では卒業研究の発表会があります。
このエッセイを送るのは発表の前日です。
皆さんに届く頃には終わっています。
学生にとっては発表会がプレッシャーになるでしょう。
学生生活最後に卒業研究として
レポートをまとめ、発表することは
非常にいい経験になると思います。
社会でも同じような経験をすることがあるはずです。
そのためにも精一杯取り組んでいって欲しいものです。


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