地球の仕組み

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Essay ■ 3_166 核の姿 1:層の構造
Letter■ 未知の固体地球・計画変更
Words ■ 地下へはなかなか進めない


(2018.05.10)
 情報としてしては、少し古くなりますが、2016年と2017年に核に関する新しい報告を紹介していきます。これらの報告で、核の姿がどのように見えてくるようになったのでしょうか。


Essay■ 3_166 核の姿 1:層の構造

 地球の中心にある核の話しをする前に、まず地球の構造について、概略をみておきましょう。
 地球の構造として、外(宇宙空間)から内側にむかって、磁気圏、大気、海洋、地殻、マントル、そして核となっています。生物は、海洋か大地と大気の境界付近に分布しています。それらの構成物が、球殻状に層をなしています。それぞれの層を構成している成分は、全く異なったものからできています。
 磁気圏は、地球の磁場が及んでいる範囲のことで、物質ではないので、層として捉えない場合もあります。大気は、気体で空気と呼ばれる成分からできています。
 海洋は、主成分は水ですが、海では海水で、陸地では淡水になります。この水は、不思議な性質をもっていて、太陽に温められると気体として水蒸気となり大気中を上昇していき、やがて冷えて氷や水滴となり雲を形作ります。また、凍ると氷となり氷河や氷床、海氷として、海洋や大陸に固体として存在します。固体の氷は、これまた不思議なことに、密度が水より小さくなり、液体の水(海)に浮いてしまいます。
 地殻を構成するのは岩石ですが、その種類は非常に多様で、同じ岩石名で呼ばれていても、その見かけはかなり異なっています。マントルも岩石からできていますが、地殻のものとは全く違ったカンラン岩と呼ばれる岩石です。核は、金属鉄からできています。
 このような地球を構成してる成分は、それぞれが非常に複雑なものになっています。しかし、このような多様な成分が、実は単純な原理で分布しています。それは、重いものは下、軽いものは上、という原理です。当たり前ですが、地球の重心は地球の真ん中(内部)にあります。そこから外に向かって、密度の大きいもから小さいものへと、順に並んでいるわけです。
 地殻を含めてそれより外側では、実際に物質を手にして、調べることができます。また、マントル物質も稀ではあるのですが、地表に持ち上げられているので、物質を手にすることができます。ずべてではないのですが、マントルまではなんとかその実体を知ることができます。では、地球の一番中心にある核が鉄ができるというのは、なぜわかるのでしょうか。もちろん、物質を手にすることはできません。それは次回から探求していきましょう。


Letter■ 未知の固体地球・計画変更 

・未知の固体地球・
人類は、宇宙空間に恒常的な基地をつくって、
そこに誰かが滞在しています。
月にもいったことがあります。
ところが、地球内部を進むのは、なかなか困難です。
深海の一番深いところへは、
潜水艇が何度か潜ったことがあります。
ところが、地殻へは、数kmしか人はもぐっていません。
物質として掘り抜いたのも、
せいぜい10km程度しかありません。
固体の地球には、未知の世界が広がっているのです。

・計画変更・
ゴールンウィークは調査で道南にでかけました。
思いの外、重要な露頭をいくつか見つかったので、
再調査をする必要になりました。
そこで、今年度の研究計画を変更の申請をしました。
その結果、道南には少なくともあと3回は
調査にいくことにしました。
研究の進行上、できるだけ夏前には
調査を終えたいと思っています。
今期は、月曜日に講義や校務がないので、
土、日、月の3日間の野外調査が可能となりました。
5月、6月、7月にそれぞれ3日ずつ
調査に出かける予定にしました。


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