地球の仕組み

戻る


Essay ■ 3_163 ダイヤモンドの年齢 2:キンバーライト
Letter■ 端境期・季節外れの帰省
Words ■ 2月はあっという間に


(2018.02.15)
 ダイヤモンドは、非常の特殊な条件を満たす場所が必要になります。でも自然界には、そのような条件を満たすキンバーライトがあります。そしてダイヤモンドは今でも採掘されています。


Essay■ 3_163 ダイヤモンドの年齢 2:キンバーライト

 前回、地球深部でダイヤモンドができる条件として、材料の炭素が多いこと、固い結晶をつくるためには高温高圧でなければならないこと、できたダイヤモンドが石墨に変わらないうちに高速で上昇してくること、などがあることを紹介しました。これらすべてを満たした時、宝石になるようなサイズのダイヤモンドが形成されることになります。そんな難しい条件を満たすものとして、キンバーライトと呼ばれる火山岩がありました。ここまでが、前回の話でした。
 キンバーライトは、大陸地域でも古い時代に形成された地域で活動しています。マグマの特徴としては、玄武岩よりもっと鉄やマグネシウムの多い成分で、カンラン岩質マグマと呼ばれるものです。このようなマグマは、マントル深部でできたものです。
 ダイヤモンドを含むキンバーライトは、地下150kmほどの深さのマントルで形成されたマグマが、高速で上昇してきたことになります。ガスの成分が多いマグマであれば、上昇とともに圧力が大きくなり、そのような挙動を示すことになります。他にも証拠として、形成された周辺のマントルの岩石(カンラン岩、エクロジャイトなど)を取り込んでいること、高速で上昇中に下部地殻の岩石を取り込んでいること、マグマの通り道が細い筒状(パイプと呼ばれる)になっていること、などが挙げられます。
 キンバーライトには、ダイヤモンド以外にも雲母や炭酸塩鉱物、蛇紋岩などを含んでいます。これらの鉱物の存在は、炭素以外にも二酸化炭素、H2O(水の状態とは限らない)などが多い場であったことを示しています。これらの成分は、軽くて揮発性の高い成分となります。二酸化炭素やH2Oは、キンバーライト・マグマをつくるのに必要だったと考えられます。
 ところが、揮発性成分は地球の初期に地球表層に抜けてしまい、現在のマントルには、少ないと考えられます。キンバーライトの存在は、現在のマントルとは矛盾した性質をもっていることになります。これらを説明するためには、古い時代の大陸地域にのみ、キンバーライトが活動しているという特徴が重要な意味を持つことになります。地球を形成史た素材には揮発性成分がもともと含まれていました。ですから、マントルには、地球初期にはもともと多く含まれていたと考えられ、時間とともに地表に出ていったとすれば、古い時代の大陸からだけダイヤモンドが見つかるという特徴も説明できます。
 ですから、もしダイヤモンドの年代測定をしたら、古い時代のものになるはずです。ダイヤモンドの年代は、30億年前くらい(太古代)に形成されたものだと考えられていました。ところが・・・、次回としましょう。


Letter■ 端境期・季節外れの帰省 

・端境期・
大学は、今がちょうと端境期(はざかいき)です。
後期の講義も試験、成績評価も終わりました。
学生には来週に公開されます。
大学入試の第一弾も終わり、
採点もすみ合否判定をして、合格発表となります。
4年生は、もう気持ちは社会に向いています。
でも、私のいる学科では2年生や3年生が
教育実習の準備でピリピリしています。
そんな端境期です。

・季節外れの帰省・
来週は忙しくなります。
週末から1週間ほど実家にもどります。
母といろいろ相談することがでてきたからです。
いろいろな相談がうまくできればいいのですが、
母も高齢なので順調に進むかどうが心配です。


戻る