地球の仕組み

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Essay ■ 3_162 ダイヤモンドの年齢 1:炭素
Letter■ 計画的に・祝う会
Words ■ 大学は少し静かに


(2018.02.08)
 昨年秋、ダイヤモンドに関するおもしろい報告がありました。ダイヤモンドができた年代は2つの時期があることがわかりました。それが新しい年代なので話題となっています。


Essay■ 3_162 ダイヤモンドの年齢 1:炭素

 ダイヤモンドは、炭素からできている鉱物です。炭素が集まった結晶は、地表付近では石墨(グラファイト)という鉱物になります。石墨は炭素同士が六角形(六方晶系)に連なっているのですが、層状の構造をしており、層間は原子間に働く弱い力(ファンデルワールス力)で結びているため剥がれやすく、柔らかい結晶となります。爪で削れるほどの柔らかい結晶で、かつては鉛筆の材料として使われていました。
 ダイヤモンドは炭素が非常に強く結びついているので、硬い結晶となっています。炭素原子同士の結合なのですが、ひとつの元素を中心に正四面体の頂点にも元素が共有結合してます。このような結晶を等軸晶系晶と呼んでいます。天然のものでは、もっとも硬い物質です。その硬さのため、宝石としてだけでなく、工業用の研磨剤としても重要な役割があります。
 ダイヤモンドが地球で形成されるには、まず炭素が集まっていること、固く結びついた結晶になるために高い圧力や温度の形成場が必要になります。
 炭素は、地球の表層に多くあります。生物はそれを利用しています。ところが、地表の炭素の多いところは、温度圧力は低く、石墨や有機物しかできません。温度圧力を上げるような自然条件としては、隕石が衝突したような場でなければなりません。実際に隕石衝突のクレータでダイヤモンドが見つかっています。しかし、その量もサイズも小さいもので、宝石や工業用として利用できるものではありません。
 宝石として昔から利用されているダイヤモンドは、地下深部で形成されたものになります。炭素は地球深部にはあまり多くない元素ので、特殊は環境でないと形成されません。そのような場が少ないのですが、深部には存在しているようです。さらに、厳しい条件として、深いところでダイヤモンドができたとしても、石墨に変わることなく地表にまで上がってこなければなりません。通常の火成活動や造山運動などは、ゆっくりと上昇してくるので、ダイヤモンドの結晶は石墨に変わってしまいます。
 このようなダイヤモンドのできかたから、非常に難しい条件が整わなければならないです。実際にダイヤモンドが産出しているのは、限られた場所と、限られた岩石種からだけです。それは、古くに形成された大陸地域で、そこのみで活動したキンバーライト(kimberlite)と呼ばれる火山岩から見つかります。火山岩ですから、マグマが地表に上昇してきたものです。このマグマがダイヤモンドができる環境、条件を満たしているところをとなります。
 その説明は、次回としましょう。


Letter■ 計画的に・祝う会 

・計画的に・
2月は、入試は採点などがあり、
なかなかお持ち使い時です。
でも講義がない時期なので、
研究に集中できる時期もあります。
2月は短いので、しっかりと計画や目標を定めて
仕事を進めなければなりません。
現在、次の著書の執筆を進めています。
並行はできないのですが、
次の論文も書き進めていく予定です。
ですから2月中の大物を概略を
終わらせておきたいのですが、
どうなることでしょうか。

・祝う会・
4年生と卒業を祝う会の準備を進めています。
毎年学科ではおこなっているのですが、
人数が毎年変わるので、
会場探しがなかなか大変です。
でも、今年は詳しい学生もいて、
皆積極的に動いてくれるので、
私は、見ているだけですみます。
4年生も、学生生活で最後のイベントなので
はりきっているようです。
うまくいくように願っています。


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