地球の仕組み

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Essay ■ 3_125 氷期サイクル 1:間氷期
Letter■ 大学入試・卒業研究
Words ■ 雪まつりも終わりました


(2014.02.13)
 縄文時代は、急激な温暖化が起こった時代でした。温暖化は、縄文文化を起こす重要な条件だったに違いありません。温暖期以前は氷河期でした。氷河期にサイクルがあることは知られているのですが、その原因に新たな説がでてきました。


Essay■ 3_125 氷期サイクル 1:間氷期

 縄文時代は、縄(なわ)の文様がある土器が特徴的ですが、他にも磨製石器の使用、農耕と狩猟採集に基づく定住社会などを特徴としています。このような定住文化を生んだのは、気候変動が大きな役割と果たしていると考えられています。
 縄文時代は、ヴィルム氷河期の終わりから、急激に暖かくなってきた約1万5000年前から約3000年前までです。氷河期には陸に氷床ができるため、海水面が低下しています。間氷期になると、氷床が溶けるのと、海水の熱による膨張によって、一気に海面上昇が起こります。海退から海進への移行で、激しいところでは、100mも海面が変動したとされています。
 縄文時代は、日本でも海水面も上昇が調べられていて、縄文海進として知られています。縄文時代の約6000年前ころには、海水面が今より3〜4mは高かった(日本では最大で5mほど)とされています。縄文遺跡の貝塚の分布位置から、当時の海岸線を読み取り復元されています。
 縄文時代は、今より2℃ほど平均気温が高かったとされています。氷河期の最も寒い時期と比べて、平均で10℃以上も気温変化があったと見積もられています。そんな寒さから開放されてきた時代に生まれたのが、縄文文化でした。氷河期から間氷期への移行は、短時間(一説では数百年程度)で起こったと考えられています。
 当時の気候変動は、現在心配されている温暖化の比ではなく、非常に激しいものだったのです。しかし、豊かな縄文文化が花開いたということは、古代の人にとって、温暖化は恩恵をもたらしたことになります。
 縄文時代より前の氷河期は、実は、一度きりではなく、何度も繰り返し襲来しています。最後の氷河期のヴュルム氷期(Würm)は7万年から1万5000年前、その前のリス(Riss)氷期は18万年から13万年前、ミンデル氷期(Mindel)は30万年から23万年前、ギュンツ氷期(Günz)は47万年から33万年前、ドナウII氷期(Donau II)は55万年から54万年前、ドナウI氷期(Donau I)は60万年から58.5万年前と名付けられています。それらは、バラつきますが、ほぼ10万年周期に起こっています。
 なぜ、氷河期が、繰り返しが起こるのでしょうか。従来の定説とは違った考えが、最近提唱されました。その紹介は、次回としましょう。


Letter■ 大学入試・卒業研究 

・大学入試・
大学は入試の真っ最中です。
各地で入試会場を設けておこなうため、
スタッフは各地に派遣されます。
地域によって受験生の多い少ないがありますが
受験生の便宜を一義に考えると
しかたがないことでしょう。。
我が大学だけなく、
本州の大学も北海道で試験をおこないます。
我が大学が試験会場にされている時もあります。
少々複雑な気持ちがしますが、
お互い様でしょうか。

・卒業研究・
大学は、入試とともに
4年生の卒業研究の発表会に時期ともなっています。
私の学科は、学期内の授業期間に発表会をしてしまいました。
それは、それでいいのですが、
時間的制約や教員の講義担当の制約もあり
一気に発表時間をつくることがなかなか難しくなります。
講義期間に内にすべて終わるというメリットもあります。
一方、講義に煩わされることなく
じっくりと時間をかけて指導したいという気持ちもあります。
学生は、どちらを選ぶでしょうか。
早く終わる方を選ぶでしょうか。
それとも熱心な指導でない方を選ぶでしょうか。
いずれも講義期間内になるのようですが、
本当のところはどうでしょうかね。


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