地球の仕組み
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3_19 堆積岩

(2002年1月10日)
 岩石には、堆積岩、火成岩、変成岩の3種類があります。堆積岩は、私たちが一番良く目にする石です。今回は、土砂が海にたまって、固まった堆積岩についてみていきましょう。


3_19 堆積岩
(2002年1月10日)
 岩石には、堆積岩、火成岩、変成岩の3種類があります。堆積岩は、私たちが一番良く目にする石です。今回は、土砂が海にたまって、固まった堆積岩についてみていきましょう。
 大地はどんな石でできているのか、と聞くと「土」と答える人が、結構多くいます。彼らあるいは彼女らも、学校では、岩石の種類やそのできかたを習っています。なのに「土から大地ができている」と答えるのは、なぜでしょうか。学校で習ったことを忘れているだけでなく、常識的には、目にするものが、土が一番多いからなのです。
 では、少し考えてみましょう。私たち日本人にとっては、土が大地を覆っています。ですから、土が大地をつくっていると答えます。では、砂漠に住んでいる人は砂が大地をつくっていると答え、氷の国に住む人は氷、ツンドラ地帯に住む人はコケ(地衣類)、などと答えるでしょう。地域によって答えは違ってきます。
 では、すべての人が納得する、大地をつくるものとは、何でしょうか。そのような地域によって変わるものを排除していくと残るもの、あるいは出て来るものが、真に大地を作るものです。
 答えは、岩石となります。これは大陸だけでなく、海洋底も同じです。つまり、地球の表層の大部分は、岩石でできています。土砂が固まり、層をなしているものを地層といいます。地層も岩石からできているのですが、地層をつくる石が堆積岩なのです。
 堆積岩は、一般的には陸地が削られて運ばれてきた土砂が、海底にたまり固まったのです。ですから、土砂はもともと大陸を構成していた石が壊れたものです。その石の種類には、堆積岩、火成岩、変成岩の3種類があります。このうち、今回は、堆積岩について、説明しましょう。
 堆積岩には、どのようなものがあるでしょうか。つまり、堆積岩の分類です。堆積岩は、石のカケラが集まったものですから、カケラの大きさが一つの基準となります。大きなものは礫(レキ)岩、小さなものは泥岩、その間が砂岩と呼ばれています。礫岩、砂岩、泥岩は、カケラの大きさによって、さらに細かく分けられています。
 もう一つの分類の基準として、堆積岩の構成物の種類に注目する方法です。堆積岩は詳しく見ると、石のカケラ(岩片(がんぺん)といいます)だけでなく、石を構成する結晶のカケラ(結晶片といいます)になっているものと、岩片や結晶片の間を埋めている地の部分(基質(きしつ)やマトリックスといいます)があります。その岩片、結晶片、基質の量比によって区分できます。
 ここまで述べてきたのは、ごく一般的な堆積岩の分類です。しかし、堆積岩に分類される岩石のすべてを網羅したわけではありません。一般的な堆積岩のでき方でなく、変わったでき方の堆積岩もあります。いくつか見ていきましょう。
 火山が噴出した火山灰やマグマが飛び散ってできた火山砕屑岩があります。関東ロームはこのようにしてできたものです。生物が形成した堆積岩があります。サンゴ礁が固まると石灰岩になります。海の微生物の死骸が、マリンスノウとして降り、深海底にたまり、固まるとチャートになります。また化学的な作用によってできる堆積岩もあります。海が乾上がって水以外の塩などの成分が固まってできた岩塩、熱帯の土壌が固まったボーキサイトなど、があります。
 このように、堆積岩にもさまざまなものがあります。基本的に堆積岩は水が運んできた土砂が海でたまったものですから、その中に生物が遺骸や遺体が入っていることがよくあります。そのうちのいくつかは化石となり、そのうちのごく一部が人に見つけられ、その一部が地質学者の手にわたります。堆積岩は化石を含むことは、非常に重要な特徴かも知れません。化石は、堆積岩の本体ではなくて、含有物で付随物のようなものですが、実は重要な情報をもたらしたのです。